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博物館×中央図書館 令和5年度ML連携セミナー(第8弾)「『刀剣アラカルト』の味わい」を開催します!

2024年3月5日(火)|投稿者:kclスタッフ

ML連携とは、博物館(Museum)と図書館(Library)が連携し、共通のテーマに沿って企画展示やセミナーを開催する協力活動です。

 

中央図書館では、博物館展示のテーマに合わせた関連書籍の展示や、博物館職員等によるセミナーを行います。

 

 

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第8弾は博物館企画展「刀剣アラカルト」の開催に合わせて、関連書籍展示と桑名市博物館職員によるセミナー「『刀剣アラカルト』の味わい」を行います。

 

<セミナー紹介>

刀剣は皆、この世に二つとないただ一振りだけの個性を持っています。

「刀剣アラカルト」展では各刀剣のユニークな特徴に着目し、刀工の美意識が表現された全体の姿、鉄を折り返し鍛錬することによって生み出される刀身の肌、焼き入れによって現れる刃文など、その刀剣だけにしかない魅力をご紹介しています。

今回のセミナーでは、それぞれの好みや視点から作品をご賞味いただくために、刀剣・刀装具の鑑賞方法や展示作品の見どころなど、展覧会の「味わい方」についてお話します。

※状況により変更・中止となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願いいたします。

 

<日程>

博物館×中央図書館 令和5年度ML連携企画 セミナー「『刀剣アラカルト』の味わい」

講師:桑名市博物館 塩田 奈実

日時:3月24日(日) 午後1時30分から午後3時

場所:くわなメディアライヴ 2階

資料代:200円 ※おつりのないようご用意ください

定員:50名(先着順、事前申込制)※定員になり次第締め切ります

申込み方法:直接窓口、または電話で中央図書館へ

申込み開始:3月11日(月)午前11時~  ※受付は各日午後5時まで

問い合わせ:桑名市立中央図書館 〒511-0068 桑名市中央町三丁目79 0594-22-0562

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博物館×中央図書館 令和5年度ML連携セミナー(第7弾)「『松平定信と源氏物語』の楽しみ方」を開催します!

2024年1月23日(火)|投稿者:kclスタッフ

ML連携とは、博物館(Museum)と図書館(Library)が連携し、共通のテーマに沿って企画展示やセミナーを開催する協力活動です。

 

中央図書館では、博物館展示のテーマに合わせた関連書籍の展示や、博物館職員等によるセミナーを行います。

 

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第7弾は博物館企画展「松平定信と源氏物語」の開催に合わせて、関連書籍展示と桑名市博物館職員によるセミナー「『松平定信と源氏物語』の楽しみ方」を行います。

 

<セミナー紹介>

『源氏物語』は、平安時代中期に紫式部によって書かれた長編物語で、日本を代表する古典文学として知られています。この『源氏物語』は文学作品として読まれてきただけでなく、物語を主題にした絵画、いわゆる「源氏絵」としても広がり、雅な世界を象徴する題材として親しまれてきました。桑名市博物館で行われている展覧会では、収蔵品のなかから、松平定信が書き写した《細写 源氏物語》や帆山花乃舎が描いた源氏物語図屏風などをご紹介しています。この展覧会をより楽しめる、セミナーを開催します。ぜひご参加ください。

※状況により変更・中止となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願いいたします。

 

<日程>

博物館×中央図書館 令和5年度ML連携企画 セミナー「『松平定信と源氏物語』の楽しみ方」

講師:桑名市博物館 鈴木 亜季

日時:2月11日(日) 午後1時30分から午後3時

場所:くわなメディアライヴ 2階

資料代:200円 ※おつりのないようご用意ください

定員:50名(先着順、事前申込制)※定員になり次第締め切ります

申込み方法:直接窓口、または電話で中央図書館へ

申込み開始:1月25日(木)午前11時~  ※受付は各日午後5時まで

問い合わせ:桑名市立中央図書館  〒511-0068 桑名市中央町三丁目79  0594-22-0562

 

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昭和の図書館

2023年11月16日(木)|投稿者:kclスタッフ

現在、中央図書館館内では毎年恒例「昭和の記憶」収集資料展を開催しています。
今年は「昭和の写真でめぐる桑名」をテーマに、館内各所に展示された写真パネルで昭和と令和の変化をお楽しみいただけます。

 

さて、昭和の街並みが溢れる現在の中央図書館ですが、昭和の頃はどんな図書館だったのでしょうか?

 

桑名市立中央図書館の前身、桑名市立図書館は戦災直後、荒廃した中から市民の声や寄附によって昭和22年に桑名市最初の図書館設立認可を受けました。
昭和26年3月、旧市役所北庁舎(元議場・木造平屋)を閲覧室として公開しましたが、蔵書数が少なく、図書館として機能したのは新図書館法が制定された後、昭和32年からでした。
図書館の規模は年を追って拡張していき、蔵書数は1,300冊から昭和33年度には8,830冊にまで増えました。

 

当時の開館時間は午前8時30分~午後4時30分まで。
毎週火曜日が休館日で、職員は館長と司書、事務職員等のわずか3名で運営されていました。
市民に広く愛された図書館ではありましたが、昭和34年9月、伊勢湾台風の被害により多くの蔵書を失ってしまい、閉館に追い込まれます。

 

 

しかし、昭和35年2月、市立図書館は業務を再開しました。
台風の被害からわずか半年での再開。
職員の方の想像を絶する努力があったのでしょう。
その作業の一端を、『秋山文庫図書目録1ー4仮プリント』に見ることが出来ます。

 

修復作業の様子(『秋山文庫図書目録1ー4仮プリント』より)

昭和35年、図書館には台風の被害にあった古典籍が寄贈されました。
その古典籍は江戸時代の蔵書を集めた大変貴重なもので、ブリキ缶13個に納められていました。
台風の後始末が終わった後、およそ1年後に当時の職員・平岡潤氏が缶の中を覗いてみると、全部干からびて固形化し、汚物や泥砂が黒く固まって一枚の板のようになっていたそうです。
これはいけない、と平岡さんともう一人の職員の方、2人がかりでおよそ3カ月の間に補修作業を行った古典籍1,000冊以上。
この時救われた古典籍は、「秋山文庫」の一部として今も手に取ってご覧いただけます。

 

 

 

再開後の図書館は、何度か移転を繰り返しました。
昭和43年5月、京町(桑名都市計画復興事務所跡)。
昭和44年5月、鍛冶町診療所跡。
この頃の閲覧者は、年間約5,000人だったそうです。

 

 

昭和48年5月、旧桑名市役所庁舎(中央町)へ移りました。
今も市役所庁舎の横にある、鉄筋2階建の建物です。

当時の図書館内の様子(『桑名市史 補編』より)

当時の蔵書数は34,014冊。
昭和26年に閲覧室として公開されていた当時の1,300冊から、閲覧室、事務室、書庫、倉庫、そして児童室を備えたとても大きな図書館となりました。

 

そして平成16年(2004)10月、くわなメディアライヴ内に「桑名市立中央図書館」と名称を新たにして、現在の図書館ができました。
令和5年3月31日現在の蔵書数は396,299冊。
近年に出版された本も、伊勢湾台風の被害にあった本も大切な桑名の財産として保存されています。

 

 

時折、自分が子どもの頃に読んだ本を返却カウンターで受け取ることがあります。
記憶の中の本よりも随分年季が入りましたが、当時の私と同じように今も誰かの心をときめかせている様子です。
10年先、20年先も誰かの手に目に触れますようにと願い、大切に繋いでいきたいと思いました。

 

今回の「ブックとラック」では、「昭和の図書館」についてご紹介いたしました。
中央図書館館内では、11月28日まで桑名市内各所の「昭和の桑名」の様子をご覧いただけます。
懐かしいあの風景を、もう一度目にしてみるのはいかがでしょうか?

 

 

【参考文献】
『桑名市史 本編』
『桑名市史 補編』
『秋山文庫図書目録1ー4仮プリント』

 

〈 かぶら 〉

 

博物館×中央図書館 令和5年度ML連携セミナー(第6弾)「『武門の遺産』の楽しみ方」を開催します!

2023年10月23日(月)|投稿者:kclスタッフ

ML連携とは、博物館(Museum)と図書館(Library)が連携し、共通のテーマに沿って企画展示やセミナーを開催する協力活動です。

 

中央図書館では、博物館展示のテーマに合わせた関連書籍の展示や、博物館職員等によるセミナーを行います。

 

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第6弾は博物館特別企画展「武門の遺産 –徳川家を支えた忍・桑名・白河-」の開催に合わせて、関連書籍展示と桑名市博物館職員によるセミナー「『武門の遺産』の楽しみ方」を行います。

 

<セミナー紹介>

今年令和5年(2023)は文政6年(1823)の三方領知替からちょうど200年の節目の年を迎えます。

また、この三方領知替をきっかけに結ばれた行田市・桑名市・白河市の友好都市締結から25周年の節目の年となりますことから、三市ゆかりの大名家の「おたから」を一堂に会した展覧会を開催いたします。

今回は三市連携展ということで、白河市から学芸員の小野さんをスペシャルゲストとしてお招きし、展覧会の魅力をうかがいます。

 

<日程>

博物館×中央図書館 令和5年度ML連携企画 セミナー「『武門の遺産』の楽しみ方」

講師:白河市歴史民俗資料館専門学芸員 小野 英二

桑名市博物館館長 杉本 竜

日時:11月12日(日) 午後1時30分から午後3時

場所:くわなメディアライヴ 2階

資料代:200円 ※おつりのないようご用意ください

定員:50名(先着順、事前申込制)※定員になり次第締め切ります

申込み方法:直接窓口、または電話で中央図書館へ

申込み開始:10月24日(火)午前11時~  ※受付は各日午後5時まで

問い合わせ:桑名市立中央図書館  〒511-0068 桑名市中央町三丁目79  0594-22-0562

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第三弾 桑名ゆかりの有名人

2023年10月21日(土)|投稿者:kclスタッフ

こんにちは、志るべです。
秋も深まってまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

 

前回のブログ「遠くて近い留学の話」で、なばなが海外留学の本を紹介しました。
その中で「昔は海外留学したと聞くと、自分とは別世界の話のように感じた」と書いていますが、今から155年ほど前、時は明治維新、まさしく別世界に飛び込んだ若者たちがいました。

 

その一人が、駒井重格(こまい しげただ)です。
今回は、「第三弾 桑名ゆかりの有名人」として駒井重格を紹介したいと思います。

 

駒井重格は幕末の桑名藩士で、維新後にアメリカに留学し、後に専修学校(現在の専修大学)を創設した人物です。
駒井家は代々、久松松平家(徳川家康の異父弟の家系。「第二弾 桑名ゆかりの人物」をご覧ください)に仕えた家柄で、学者をたくさん輩出しています。
重格の父、祖父は共に儒学者で、重格は14歳という若さで家督を継ぎました。
戊辰戦争では神風隊に所属して戦っています。
桑名藩は庄内(山形県)で降伏しますが、重格は寒河江の激戦で負傷していたこともあり、鶴岡城下に近い大山で謹慎し、その後、帰藩しました。

 

明治7年(1874)、旧桑名藩主・松平定教(まつだいら さだのり)のお供をする形でアメリカへ留学し、ニュージャージー州にあるラトガース大学で経済学を学びました。
この留学中、後に専修学校を創設する仲間、相馬永胤(そうま ながたね)、田尻稲次郎(たじり いなじろう)、目賀田種太郎(めがた たねたろう)と出会います。
相馬と田尻は嘉永3年(1850)生れで、目賀田と駒井は、その3年後、黒船が来航した嘉永6年(1853)に生れました。(『専修大学 105年』では重格は嘉永5年(1852)生れ、とあります)
幕末には、相馬(彦根藩)と田尻(薩摩藩)は倒幕派、目賀田(幕臣)と駒井(桑名藩)は佐幕派と敵対する立場にありました。

 

そんな彼らを描いた小説がこちら、
『蒼翼の獅子たち』(志茂田 景樹/著 河出書房新社 2008.10)

 

 

『蒼翼の獅子たち』(志茂田 景樹/著 河出書房新社    2008.10)

 

 

物語は、明治3年(1870)9月28日、17歳を迎えたばかりの目賀田種太郎がアメリカ留学に出発するところから始まります。
幕末の動乱を生き抜いて留学を果たした若者たちは、しだいに新しい学校を創ることに情熱を傾けていきます。
彼らが目指したのは、日本語で法律学と経済学を学ぶことができる専門学校を創ることでした。
帰国後の明治13年(1880)、現在の専修大学の前身である専修学校を設立します。

 

専修大学の創設についてくわしく記されている一冊はこちら、
『専修大学 105年』(専修大学出版局 1984.9)
建学の精神の項では、重格たち4人がどのように生き、専修学校設立に至ったかが記されています。

 

こちらもご覧ください。
『専修大学史紀要 創刊号』(専修大学大学史資料課  2009.3)
専修大学長の日高義博氏が「建学の精神と大学の未来」として、4人の創立者について語っています。
『専修大学史紀要 第11号』(専修大学大学史資料室 2019.3)
専修大学の歴史が記されています。

 

その後、重格は大蔵省、農商務省の官僚として近代国家の土台づくりに力をそそぎます。
東京大学予備門や岡山中学校(現在の岡山県立岡山朝日高等学校)、岡山県師範学校(現在の岡山大学)等で英語、経済学を教え、教育者としても活躍しました。
また語学に堪能であった重格は、フランス経済学を日本に導入し、多くの著作・翻訳書を残しています。

 

明治32年(1899)には、高等商業学校(現在の一橋大学)の校長に就任し、専攻部を2年延長、商業学士号を新設する等、学校改革に着手しました。
けれども、在任中の明治34年(1901)12月9日に急逝しました。享年48歳でした。

 

桑名藩士であった駒井家の歴史については、こちら、
『美術館紀要 第1号』(桑名市立文化美術館 1979.7)
西羽晃氏が「駒井重格について」と題して考察しています。
また、『郷土史を訪ねて』(西羽 晃/著 朝日新聞社名古屋本社 2010.6)の中にも駒井重格についてまとめられています。

 

 

 

幕末から明治へと大きく変化した時代を生き抜いた若者たち。
どのような思いを抱いて海を渡り、そこで何を見て、何を感じ、どう行動したのでしょう。
図書館の本を通して彼らの姿に触れてみませんか?

 

 

<紹介資料>
『蒼翼の獅子たち』 志茂田 景樹/著 河出書房新社 2008.10 AL936シモ
『専修大学 105年』 専修大学出版局 1984.9  L289コ桑名人物
『専修大学史紀要 創刊号』 専修大学大学史資料課  2009.3 L289コ桑名人物
『専修大学史紀要 第11号』 専修大学大学史資料室 2019.3 L289コ桑名人物
『美術館紀要 第1号』 桑名市立文化美術館 1979.7 L069ク
『郷土史を訪ねて』 西羽 晃/著 朝日新聞社名古屋本社  2010.6   AL292ニ

<志るべ>