16代目‟桑名のあうるさん“のご紹介☆

2026年6月5日(金)|投稿者:kclスタッフ

4月初め桜が咲き誇る頃、桑名市立中央図書館にて
16代目‟桑名のあうるさん“の委嘱式と、ポスター撮影を行いました。

16代目‟桑名のあうるさん“は、第29回 「図書館を使った調べる学習コンクール」全国大会に入賞された4名の方々です。

今年度、中央図書館のPR活動に協力していただきます☆

 

優良賞(2作品)

・小学生の部(中学年)

「夜空の宝石箱~過去から未来へ~」

服部 永和さん

 

・子どもと大人の部

「メダカの学校はどこにある?」

西田 紗季子さん・西田 純さん(父)

 

奨励賞(1作品)

・小学生の部(高学年)

「調べて広がる多肉植物ワールド」

平井 理菜さん

 

今年度のポスターはこちらです!

クリックすると拡大します(PDF)

(写真左から)

服部 永和さん、西田 紗季子さん、平井 理菜さんです。

 

ポスターは、館内に掲示します。

また、‟桑名のあうるさん“へインタビューしたものをまとめた「桑名のあうるさんの声を聞く」「調べる学習☆インタビュー」を児童フロアに掲示中です。

ご来館の際は、是非ご覧ください☆

6月の楽しみ

2026年6月2日(火)|投稿者:kclスタッフ

こんにちは、なばなです。

6月、梅雨ですね。

この季節はハナショウブが見頃です。

ハナショウブは桑名市の花で、県内でも有数の生育地である九華公園で見ることができます。

雨に濡れたハナショウブの風情ある様子は、今しか見られない光景です。

今回はそんな花の季節に因み、「植物」に関する本を紹介したいと思います。

 

 

まず一冊目はこちらです。

『物語のある花図鑑』(杉原 梨江子/文,板垣 夏樹/絵 エクスナレッジ 2025.12)

古来より花には伝説や神話などの美しい物語がありました。

そんな花にまつわる逸話を、繊細な絵とともに紹介した図鑑です。

おとぎ話の画集のような挿絵と情緒的な花の物語は、絵を眺めるだけでも、じっくりと読んでも楽しめます。

その他にも、花の原産地や、開花時期、花言葉などが載っています。

美しい花の世界がぎゅっと詰まった素敵な一冊です。

 

続いてはこちらの本です。

『世界史を大きく動かした植物』(稲垣 栄洋/著 PHPエディターズ・グループ,PHP研究所(発売) 2018.7)

農業の始まりや産業革命などの、人類の歴史の転換期に関わってきた植物を紹介した本です。

ジャガイモや小麦といった今や生活に欠かせない植物が、歴史にどのような光と影をもたらしたのか。

綿の大規模栽培で環境が破壊されてしまったアラル海の話など、一つ一つの植物に驚くようなエピソードがあり、好奇心を刺激されます。

歴史的な話はもちろん、植物の生態や特徴も書かれていて、馴染みの植物の意外な側面を知ることができるのも興味深いです。

世界史と生物学のどちらの視点からも楽しめる貴重な一冊です。

 

最後はこちらの本です。

『雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々』(稲垣 栄洋/著 小学館 2023.9)

先の本と同じ著者で、こちらは大学の雑草研究室のゼミのお話です。

実は雑草と呼ばれる植物には、まだまだわからないことがたくさんあります。

雑草が小さな花を咲かせる仕組み、芽を出さないエノコログサの謎、「天空の里」に残るイタドリの奇妙な言い伝え。

この本を読めば、雑草の不思議で賢い生態が見えてきます。

雑草の謎を解き明かしていくのは、個性的な研究生たち。

教授に見守られながら、それぞれの個性を生かして地道に答えを探っていきます。

雑草の謎を解いていく過程はミステリー小説のような興奮があり、彼らの成長には胸が熱くなります。

雑草も人間も、よく知ればこんなにも面白い。

雑草学を学びたくなる一冊です。

 

じめじめして困ることの多い梅雨ですが、植物にとっては恵みの雨の大切な時期。

その恵みを感じつつ、楽しく過ごしたいですね。

外出して、あるいは家で本を通して、この時期ならではの植物の美しさを楽しんではいかがでしょうか。

 

<参考資料>

『物語のある花図鑑』(杉原 梨江子/文,板垣 夏樹/絵 エクスナレッジ 2025.12)

『世界史を大きく動かした植物』(稲垣 栄洋/著 PHPエディターズ・グループ,PHP研究所(発売) 2018.7)

『雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々』(稲垣 栄洋/著 小学館 2023.9)

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旅に出よう

2026年5月1日(金)|投稿者:kclスタッフ

こんにちは、六華です。

毎年5月16日は、「日本旅のペンクラブ」が制定した「旅の日」。

松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅へ出発した5月16日(旧暦1689年3月27日)に由来しています。

忙しい現代の中で「旅の心」を大切にし、旅のあり方を考えるきっかけとして設けられました。

 

 

 

 

『おくのほそ道』といえば、国語の教科書でもおなじみの作品です。

 

月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり

 

この冒頭の部分を音読した記憶がある方も多いのではないでしょうか。

けれど、作品全体の内容を詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。

 

そこで、まずおすすめしたいのが、小学生向けに作られたこちらの本です。

 

『写真で読み解く おくのほそ道大辞典』(佐藤 勝明/監修  あかね書房  2022.1)

 

『おくのほそ道』は、江戸時代に書かれた紀行文学で、関東、東北、北陸から大垣までの約2,400キロメートル、156日に及ぶ旅の様子が描かれています。

芭蕉と弟子の河合曽良が旅の途中で詠んだ俳句や原文の内容が、美しい写真やイラストとともに紹介された、まさに『おくのほそ道』辞典の決定版!

ページをめくるたびに、まるで自分も旅に出ているような気持ちになれる一冊です。

また、俳句の季語や意味も掲載され、俳句の鑑賞方法から俳句作りのコラムまで、俳句について学習したい時にも役立ちます。

巻末に松尾芭蕉の記念館・資料館なども紹介されていますので、親子で訪れてみるのもおすすめです。

 

 

原文の言葉の美しさをじっくり味わいたい方には、次の本がぴったりです。

 

『すらすら読める奥の細道』(立松 和平/著  講談社  2004.1)

 

原文と現代語訳が見やすく並び、エッセイも添えられているので、タイトルの通りすらすら読めます。

 

芭蕉は人生そのものを旅になぞらえ、『おくのほそ道』の旅を終えたあとも歩みを止めません。

大垣から伊勢へ向かった旅の記録が『野ざらし紀行』です。

その道中、桑名で詠まれた俳句については、以前のブログ記事「文学と桑名~松尾芭蕉と泉鏡花~」(2024年2月10日)で詳しく紹介しています。こちらもご覧ください。

 

「旅の日」にちなんで、芭蕉の旅に思いを馳せてみるのも素敵です。

本を通して旅の空気に触れると、実際にどこかへ出かけたくなるかもしれません。

 

 


 

 

江戸時代の旅といえば、ひたすら歩き続けるもの。

では、現代のおじいちゃんと孫の二人旅はどんな風景になるのでしょうか。

そんな旅の姿を描いた絵本がこちらです。

 

『りょこう』(麻生 知子/作 福音館書店 2025.5)

 

こうたくんとおじいちゃんが電車で旅に出かける物語です。

車内で駅弁を食べ、旅館に泊まり、温泉に入って・・・そんな旅のワクワクが丁寧に描かれています。

おじいちゃんがこうたくんにシウマイを分けようとする場面など、温かいやりとりも魅力。

電車や旅館の様子が上から見えたり横から見えたりと、細部まで遊び心が詰まっていて、絵を眺めるだけでも楽しい発見がたくさんあります。

 

 

最後にもう一冊、旅をテーマにした絵本をご紹介します。

 

『ぼくのたび』(みやこし あきこ/作 ブロンズ新社 2018.11)

 

 

小さくて居心地のいいホテルを営む“ぼく”。

世界中から訪れるお客さんから知らない町の話を聞き、”ぼく”の町のことを語りながら、いつも心のどこかで旅への憧れをあたためています。

そして夜になると、夢の中で自由な旅へと出かけていくのです。

日常の場面はモノクロで、旅のシーンは淡い色彩で描かれています。

そのコントラストが、どこか儚く、ノスタルジックな雰囲気を生み出しています。

旅好きのみやこしあきこさんが、リトグラフという技法で紡ぎ出す世界は、読む人によって軽やかにも深くも感じられる、不思議な魅力に満ちています。

 

皆さんはこの絵本をどのように味わうでしょう。

ぜひ一度、ページを開いてみてください。

なお、絵本ができあがるまでの制作過程は、ブロンズ新社の公式YouTubeチャンネルでも

絵本『ぼくのたび』メイキングビデオとして紹介されています。

(https://www.youtube.com/watch?v=ObZgQ0DN9rc&t=4s)

 

 

 

 

桑名市立図書館では、さまざまな旅のガイドブックを借りることができます。

さらに「くわな電子図書館」を利用できる方(桑名市在住で、図書館の利用券をお持ちの方)は、旅行先でもスマホで『るるぶ』を読むことが可能です。館内にもポスターが掲示されています。

旅の準備にぜひご活用ください!

 

 

 

<紹介資料>

『写真で読み解くおくのほそ道大辞典』(佐藤 勝明/監修 あかね書房 2022.1)

『すらすら読める奥の細道』(立松 和平/著 講談社 2004.1)

『りょこう』(麻生 知子/作 福音館書店 2025.5)

『ぼくのたび』(みやこし あきこ/作 ブロンズ新社 2018.11)

 

<六華>

 

 

 

 

 

今年も桜が咲きました

2026年3月28日(土)|投稿者:kclスタッフ

こんにちは、志るべです。
今年も桜の季節がやってまいりました。
この季節になると、ああ、今年も桜が咲いた、桜に会えた、そんな気持ちになります。
やっぱり日本人にとって、桜は特別な花なのでしょうか。

 

 

わたし さくらです
せはひくいけど
これでも
りっぱなさくらです(『さくららら』より)

 

『さくららら』(升井 純子/文,小寺 卓矢/写真 アリス館 2021.3)

 

この本の主人公は「日本一遅く咲く桜」の“さくらちゃん”
北海道北部の小さな町、幌加内(ほろかない)のチシマザクラ(千島桜)です。
桜と聞いて思い浮かべる、幹が太くて背の高い姿とは少し異なります。
幹が立ち上がらず、根元から分かれて枝を伸ばします。

 

4月、一面雪景色の中に小さなつぼみがのぞいています。
5月の風が雪をとかします。
つぼみはちょっとかたいけど、もうすぐ、もうすぐ。
“さくらちゃん”が咲くのをみんな待っています。

 

この作品は“さくらちゃん” の写真に、“さくらちゃん”自身の言葉が添えられています。
“さくらちゃん”は言います。

 

わたしがさく日は わたしがきめる

 

文章を記した升井純子さんは、2014年5月28日、「ようやく桜が開花した」という記事を、新聞の片隅で見つけました。そして、「ようやく」というのはどういう意味なのだろうかと考えます。

 

桜が咲くことになんの決まりがあるというのでしょう。一本一本、咲きたい時が咲き時でしょうに。

 

そう考えた升井さんの想いが、“さくらちゃん”の言葉になりました。

 

写真を撮った小寺卓矢さんは、主人公にふさわしい理想の“さくらちゃん”になかなか出会えませんでした。でもある時、気づきます。

 

ぼくら人間の理想どおりに生きる桜なんて、一番この本の“さくらちゃん”らしくないと。

 

そこで、あちこち捜し歩くのをやめて、着想の原点となった新聞記事の桜をたずね、“さくらちゃん”を撮影しました。

 

こうして生まれた『さくららら』
青空に向かって咲く“さくらちゃん”の姿、ぜひご覧ください。

 

“さくらちゃん”だけでなく、日本中の桜がそれぞれ自分で咲く日を決めています。

 

『にっぽん桜めぐり』(深澤 武/写真・文 青菁社 2024.1)

 

表紙の写真は、旧小川町立小川小学校下里分校(埼玉県小川町)の桜です。
なんて美しいのでしょう。
2011年に廃校となった木造校舎を背景に咲く桜が表紙を飾っています。
この本は植物の本の棚に並んでいますが、写真集としても楽しめる美しさです。
風景の一部としての桜が、品種や歴史、豆知識を織り交ぜながら紹介されています。

 

日本国内に自生する野生の桜は10種(沖縄のカンヒザクラを自生種とするなら11種)ありますが、野生種を交配して生まれた栽培品種は数百種になるといいます。
チシマザクラは野生種のタカネザクラの変種、と書かれています。

 

さて次は、桜にまつわる不思議なお話です。

 

『桜待つ、あの本屋で』(浅倉 卓弥/著 ハーパーコリンズ・ジャパン 2025.5)

 

舞台は、世界のどこともわからぬ場所にある本屋。店の前には一本の大きな枝垂れ桜があります。
その花は白から薄紅、そして緋色へと、地面に近づくにつれ赤味を増し、一つの樹に桜色のグラデーションが描かれます。
店の名は「咲良」、迎えるのは一人の少女と一匹の三毛猫。
ただしこの本屋へ来ることができるのは、少女と同じ本の同じ個所を、同じ季節の同じ日の、同じ時刻に読んだ人だけ。しかも、よく晴れた春の日の、満開の桜の樹の下で、という条件付きでした。

 

後悔や悲しみ、過去への想い、心に何かしらを抱えた人が、本をきっかけに「咲良」へと導かれていきます。
少女が住む世界は、どんな時代のどんな場所ともつながることができる世界。
そして、少女の世界とこちらの世界をつなぐ鍵となるものは、“本”。

 

本とはまさに未知への扉だ。足を踏み入れた者を温かく迎え入れ、どんな場所にも、どんな時間にもいざなってくれる。

 

そう少女は思います。
この作品で「鍵」となった本は、『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)、『夢十夜』(夏目漱石)、『ピーター・パンとウェンディ』(ジェームズ・M・バリー)、『春と修羅』(宮沢賢治)です。
改めて読んでみてはいかがでしょう。

 

 

 

最後の桜は、絵本でどうぞ。

 

『さくらの谷』(富安 陽子/文,松成 真理子/絵 偕成社 2020.2)

 

まだ風の冷たい3月、枯れ木におおわれた山々を歩いていた「わたし」は、そこだけが満開のさくらに埋め尽くされた谷をみつけます。谷底のさくらの木のまわりでは、色とりどりの鬼たちがお花見の宴会をしていました。赤鬼に手招きされ、「わたし」も輪にまざります。そのうちかくれんぼが始まるのですが、そこにはなつかしい人たちの姿が・・・あっちの木のうらから、こっちの木のかげから。
それはもう会えなくなってしまった人たちでした。

 

どこかにこんな「さくらの谷」があるかもしれない、そう思わせてくれる作品です。

 

 

美しく咲いてさっと散ってしまう桜には、人々を何か不思議な世界にいざなう力があるのでしょうか。

 

今年の桜前線はどのあたりまで進んでいるのでしょう。
日本中に有名な桜はたくさんありますが、立派でなくても、地元の“さくらちゃん”をみつけて楽しみたいものですね。

 

<紹介・引用資料>
『さくららら』(升井 純子/文, 小寺 卓矢/写真 アリス館  2021.3)
『にっぽん桜めぐり』(深澤 武/写真・文 青菁社 2024.1)
『桜待つ、あの本屋で』(浅倉 卓弥/著 ハーパーコリンズ・ジャパン 2025.5)
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著,池澤 夏樹/新訳 集英社 2005.8)
『夢十夜 他二篇』 夏目 漱石/作 岩波書店 2007.1)
『ピーター・パンとウェンディ』(J.M.バリー/作,石井 桃子/訳,F.D.ベッドフォード/画 福音館書店 2003.6)
『宮沢賢治コレクション 6 春と修羅』(宮沢 賢治/著 筑摩書房 2017.8)
『さくらの谷』( 富安 陽子/文, 松成 真理子/絵   偕成社 2020.2)

<志るべ>

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春、節目の季節に寄り添う本

2026年3月3日(火)|投稿者:kclスタッフ

はじめまして。六華(ろっか)と申します。

このたび、新しくブログを担当させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

私の名前“六華”は、桑名のシンボルでもある「六華苑」からいただきました。

二代目諸戸清六の邸宅であった六華苑。

建物は、洋館と和風建築が調和した国の重要文化財で、庭園は、四季折々の美しさで人々を魅了し、国の名勝にも指定されています。

洋館の設計は、鹿鳴館などでも有名なジョサイア・コンドルが手掛けています。歴史的価値も高い六華苑について知りたくなったら、ぜひ図書館にも足を運んでみてください。

 

 

 

さて、三月は卒業の季節。

図書館でも、この時期になると進学や新生活に向けた本を探しに来られる方が増えます。

節目を迎え、新しい世界へ踏み出す準備をする時期ですね。

少しずつ大人になっていく子どもたちを、心配しながらもまぶしい気持ちで見守る日々。

「そもそも大人になるってどういうことなんだろう?」と、考えることがあります。

 

そんな私の目に留まったのが、こちら、ティーンズコーナーの一冊です。

 

『おとなになるってどんなこと?』 (吉本ばなな/著 筑摩書房 2015.7)

 

 

著者の吉本ばななさんは、ご自身が「初めて大人になった」と感じた瞬間を鮮明に覚えているそうです。それは中学生の頃(早い!)

初めてほんとうの意味で他者を思いやれた」「自分の恵まれた環境を客観的に見られた

そんな変化を自覚した時だったと書かれています。

このエピソードを読み、私も自分の子どもが一つの大きな試練を乗り越え、泣きながら感謝の言葉を伝えてくれた日のことを思い出しました。

あの瞬間、あの子も大人になったのだと感じました。

 

中学生向けのエッセイですが、「大人になるって難しい…」と感じている大人にこそ響く言葉が詰まった、おまもりのような本です。

おとなになんかならなくっていい、ただ自分になっていってください

優しい語り口で、節目の季節に、そっと寄り添ってくれます。

何かにつまずいた時に読み返すと、また一歩を踏み出す元気がもらえるのではないでしょうか。

 

 

次にご紹介するのは、こちらの本です。

 

『ぼくを探しに』
(シルヴァスタイン/作 倉橋由美子/訳 講談社 1979.4)

 

 

何かが足りない それでぼくは楽しくない 足りないかけらを 探しに行く

シンプルな絵と文なので、さらっと読むことができます。けれど、とても哲学的で、“大きい人向け”の絵本といえます。

読んだ後の受けとめ方はきっと人それぞれですが、人生の歩み方について深く考えさせられます。

人生は山あり谷あり。つらい時は立ち止まっても、後戻りしてもいい。

完璧じゃなくても、不完全なままでも、ありのままの自分を受け入れていけば人生は楽しい。

そんな前向きなメッセージを感じられる一冊です。

 

 

続いては、こちら。

 

『きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ』 (荒井 良二/著 NHK出版 2019.9)

 

荒井良二さんといえば、児童文学界のノーベル賞と呼ばれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を、日本人として初めて受賞したことで知られる絵本作家です。

その独創的な色づかいと世界観は国内外で高く評価され、これまでに数多くの賞を受賞してきました。

絵本だけでなく、アート作品や舞台美術など幅広い表現活動にも取り組み、常に新しい表現を探し続ける姿勢が、多くのファンを魅了しています。

 

荒井良二さんの代表作のひとつ『きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ』は、読む人の心をふっと軽くしてくれる絵本です。

ページをめくるたびに広がる色彩豊かな世界。

どこまでも走っていけそうな力強く駆ける馬とぼくの姿を見ていると、こちらも自然に元気や希望が湧いてきます。

「今日の自分には、思っている以上の力がある」

主人公のまっすぐな気持ちが、子どもにも大人にもやさしく響きます。

特別なことをしなくても、毎日はよろこびと感謝の連続。

気持ちひとつで世界はどこまでも広がっていく──

そんな前向きな感覚が、独特の絵とことばで描かれています。

 

 

最後は、こちらの絵本です。

 

『たくさんのドア』 (アリスン・マギー/文 ユ テウン/絵 なかがわちひろ/訳 主婦の友社 2010.11)

 

 

作者は、ベストセラー『ちいさなあなたへ』を書いたアリスン・マギー。

未来へ踏み出す子どもたちにエールを送る絵本です。

 

子どもたちの目の前に並ぶ“たくさんのドア”。

長い人生の中で、それらを一つひとつ自分の力で開けていく。

どんな未来が待っていても、そのドアを開ける力は必ずあなたの中にある──

そして、いつでも見守り、応援しているよ──

静かで力強いメッセージが胸に残ります。

卒業や進級など、新しい一歩を踏み出す季節にぴったりです。

 

 

 

 

人生の節目にそっと背中を押してくれる本や絵本を集めてみました。

皆さまの春が、あたたかく、素晴らしいものになりますように。
心から応援しています。

 

 

 

<紹介資料>

『おとなになるってどんなこと?』(吉本ばなな/著 筑摩書房 2015.7)

『ぼくを探しに』(シルヴァスタイン/作 倉橋由美子/訳 講談社 1979.4)

『きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ』(荒井 良二/著 NHK出版 2019.9)

『たくさんのドア』(アリスン・マギー/文 ユ テウン/絵 なかがわちひろ/訳 主婦の友社 2010.11)

『ちいさなあなたへ』(アリスン・マギー/ぶん,ピーター・レイノルズ/え,なかがわ ちひろ/やく 主婦の友社 2008.4)

 

<六華>

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