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芸術をもっと身近に
2026年10月5日(月)|投稿者:kclスタッフ
こんにちは、六華です。 みなさんは「秋」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか。
私は断然「食欲の秋」派。
サンマも栗も梨もキノコも大好きです。
「〇〇の秋」という言葉にさまざまなものがあてはまるのは、過ごしやすい気候になり、いろいろなことに挑戦したり、楽しんだりできるからでしょうか。
図書館としてはもちろん「読書の秋」ですが、今回は「芸術の秋」を楽しむための本をご紹介します。
美術館や展覧会でゆっくり作品を鑑賞したり、創作活動に挑戦してみたり…そんな秋はいかがでしょうか。
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はじめにご紹介するのは、こちらの本です。

『原田マハ、アートの達人に会いにいく』(原田 マハ/著,福原 義春/[ほか述] 新潮社 2023.3)
アート小説の名手・原田マハさんが、33人の“アートの達人”に突撃取材し、『芸術新潮』で連載された対話集です。
美術館館長、世界的ブランドの社長、建築家、音楽家、作家…と多彩な顔ぶれが語るアートへの思いはどれも興味深く、読み応えがあります。
印象的だったのは、多くの著名人が幼い頃からアートに触れ、一枚の絵、一曲の音楽、一冊の本との出会いが、彼らの人生に影響を与えたと語っていること。出会いと体験は、誰の人生においても大事なことだと、改めて感じました。
また、「お金を払ってアートを見ることは、文化を維持するために大事な事」という言葉にも心を動かされました。文化財は自分のものではないけれど、自分のものだと思って、守る意識を持って! という強い熱意を感じました。
紹介されている日本各地の美術館に足を運んでみたくなる一冊です。
つづいて、児童コーナーからこちら!

『すごすぎる絵画の図鑑』(青い日記帳/著,川瀬 佑介/監修 KADOKAWA 2024.5)
ルビ付きで読みやすい児童向けの本ですが、大人も十分楽しめる内容の濃いアート解説書です。
名画とは、
その時代にあって「もっとも新しい」こと。誰も知らなかった方法、テーマで世の中を驚かせた作品
なのだそうです。
教科書などで一度は見たことのある名画の“どこがすごいのか”を丁寧に解説しています。
名画にまつわるトピックスも満載で、思わず誰かに話したくなる内容です。
例えば、先月大阪のフェルメール展で公開され話題となった《真珠の耳飾りの少女》。
ターバンの青と黄色が印象的ですが、実はこの黄色は「フェルメール・イエロー」と呼ばれ、なんと牛の尿から作られた色なのだそうです。
さらに青は「ラピスラズリ」という宝石を原料とした、とても高価な絵具。
名画の輝きには、こんな秘密が隠されているのですね。
世界一有名な名画《モナ・リザ》にも驚きのエピソードがあります。実はこの作品、未完成のまま。ダ・ヴィンチは生涯この絵を手元に置き、描き足し続けていたと言われています。
こうした「名画のひみつ」を知ると、絵を見る目が変わり、より深く楽しめるようになりますね。
西洋画だけでなく日本画も多く紹介されており、この本をきっかけに気になる作品を調べたり、実際に美術館へ足を運んだりする楽しみが広がりそうです。
作者の「絵画は喜怒哀楽によりそい、人生を豊かにしてくれるもの」という言葉が心に残る、芸術入門にぴったりの一冊です。
もう一冊、世界史とともに美術史も学べる本をご紹介します。

『美術でめぐる西洋史年表』(池上 英洋/著,青野 尚子/著 新星出版社 2021.5)
名画の主題や製作技法には、その時代の社会背景が深く結びついています。
本書は、古代から現代まで西洋5000年に及ぶ長い歴史を300点を超える芸術作品とともに読み解き、美術史と世界史を同時に学べる構成になっています。
前半は西洋美術史家・池上英洋(いけがみ ひでひろ)さんが、後半は美術・建築・デザイン分野のライター・青野尚子(あおの なおこ)さんが執筆しています。
専門家による分かりやすい解説で、歴史と美術のつながりがより深く理解できます。
最後は、「世の図画ぎらいを勇気づける楽しい絵本」と紹介されている一冊です。

『てん』(ピーター・レイノルズ/作,谷川 俊太郎/訳 あすなろ書房 2004.1)
「お絵描きなんて大きらい!」主人公ワシテが苦しまぎれに描いたのは、ちっぽけな“てん”。
けれど、先生からのある一言がワシテの創作への扉を開きます!
小さな”てん”が、ワシテの変化とともにどんどん進化していく様子を楽しんでください。
訳は谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう)さん。短い言葉でつづられた絵本ですが、深く考えさせられる大人向けの作品です。
絵具と紅茶で描かれたというユニークな画法にも驚かされます。
読み終えると、何か創作したくなるような「芸術の秋」にぴったりの絵本です。
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秋は、いつもとは違う世界に触れる絶好の季節です。
気になる一冊があれば、ぜひ手に取ってみてください。
図書館の本を通して、芸術のある秋を楽しんでいただけたら嬉しいです。
<紹介資料>
『原田マハ、アートの達人に会いにいく』(原田 マハ/著,福原 義春/[ほか述] 新潮社 2023.3)
『すごすぎる絵画の図鑑』(青い日記帳/著,川瀬 佑介/監修 KADOKAWA 2024.5)
『美術でめぐる西洋史年表』(池上 英洋/著,青野 尚子/著 新星出版社 2021.5)
『てん』(ピーター・レイノルズ/作,谷川 俊太郎/訳 あすなろ書房 2004.1)
<六華>
“ダーニング”してみませんか?
2026年9月3日(木)|投稿者:kclスタッフ
こんにちは、志るべです。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
日中の焼けるような日射しはまだまだ“夏”
と思っていると、急に寒い日がやってきたりして……
最近はちょうどいい時期が短くなっているような気がします。
温暖化のせいでしょうか? 四季のある暮らし、失いたくないですね。
季節の変化には、日々の生活をリセットしてくれるようなところがあります。
気候に合わせて衣服を入れ替える衣替えも、なんだか気持ちがあらたまるものです。
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ところで、衣替えの時に出してきた服を見て、ずいぶんくたびれているなあって思うことありませんか?
去年着ていた時には感じなかったのに、改めて見るとなんだか……
シミや穴まで発見して、気に入っていたけれどもう着られない。
そう思ったあなた、ちょっと待ってください!

『自分でできる!洋服のお直しとリメイクの本』(香田 あおい/著 PHP研究所 2012.2)
お気に入りの服はシミを見つけてもなかなか捨てられないもの。
この本には、「簡単お直しとリメイク」のアイデアが詰まっています。
たとえば、袖口はどうしても汚れがち。それなら汚れた部分は切りとって、長袖のシャツは七分袖にするといった方法が提案されています。
着られないけど捨てられない、そんな服をよみがえらせてくれる一冊です。
とはいえ、いかにも「繕いました」というのはちょっと残念。
どうせならかわいく素敵に仕上げたいものです。
そこで“ダーニング”
“ダーニング”とは、ヨーロッパに古くから伝わる衣服の修繕方法です。穴があいたり、擦り切れた箇所を針と糸でなおします。単に穴を隠すのではなく、糸の色を工夫して新しいデザインとして衣服をよみがえらせるのです。
まず、靴下から始めましょう。

『hikaru noguchiはじめての靴下ダーニング』(野口 光/著 日本ヴォーグ社 2024.8)
つま先、かかと、足底、履き口の繕い方の解説と、薄手の靴下からモコモコの部屋履きまで、それぞれの厚さに合わせた糸の選び方やステッチ、デザインが紹介されています。
かかとが薄くなって透けて見えるけれど、ゴムはまだしっかりしている。このかかとさえカバーできればまだ十分履ける。それに履きやすくて、何より気に入っている。そんな靴下をお持ちの方、やってみませんか?
このダーニングに欠かせないのが、“ダーニングマッシュル-ム”というキノコ型の木製の道具。この道具を穴に固定して作業を進めます。もちろん“ダーニングマッシュル-ム”があればいいのですが、なくても大丈夫です。「おたまの底でも代用できます」と書いてあります。
かくいうわたくし志るべの手元にもダーニングするのにぴったりな靴下はあるものの、“ダーニングマッシュル-ム”がありません。とりあえず“おたま”で やってみましょう。
少々失敗しても平気。すでに穴があいている靴下ですしね。
著者の野口さんも「そもそも靴下のダーニングに上手とか下手とか、正しいとか間違っているなんてない」と書いています。
ポイントは、裏にあて布をして一緒に刺していくところにあるようです。
やってみると、穴がしっかりカバーされて、糸の色がデザインになって、意外と素敵。
靴下、復活しました!
針仕事が苦手な方でも大丈夫です(たぶん)
お手頃価格の靴下がやたらと丈夫で履き心地がよかったり、その逆の場合もあります。お値段とお気に入りは必ずしも一致しません。結局、着やすいものを選んで、いつも同じものを身に着けているような気がします。
最後の一冊は絵本。
とても大切にされたコートのおはなしです。

『おじいちゃんのコート』(ジム・エイルズワース/文,バーバラ・マクリントック/絵,福本 友美子/訳 ほるぷ出版 2015.10)
洋服の仕立て屋のおじいちゃんは若い頃、結婚式のためにコートを仕立てました。
どこへ行くにも、なにをするにも着ていたお気に入りのコート。少しずつすりきれてぼろぼろになりました。そこでおじいちゃんは、コートの破れていない部分を使って、上着を仕立てました。その上着もしだいにぼろぼろになり、次はベストに。おじいちゃんのコートはどんどん形を変えていきます。
そして、最後に残ったものは……
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穴だってシミだって自由な発想でデザインに変えることができます。
その変化を楽しみながら、長く使っていけるといいですね。
たとえささやかでも、ものを大切にする行動は温暖化ストップの一助になるかもしれません。
やっぱり四季のある暮らしをつづけていきたいなって思います。
衣替えを機会に、“ダーニング”してみませんか?
<紹介資料>
『自分でできる!洋服のお直しとリメイクの本』(香田 あおい/著 PHP研究所 2012.2)
『hikaru noguchiはじめての靴下ダーニング』(野口 光/著 日本ヴォーグ社 2024.8)
『おじいちゃんのコート』(ジム・エイルズワース/文,バーバラ・マクリントック/絵,福本 友美子/訳 ほるぷ出版 2015.10)
<志るべ>
暑いときこそ食べよう
2026年7月6日(月)|投稿者:kclスタッフ
はじめまして。新ブログ担当のばんぶぅです。
初めてのブログを書くにあたり思い出したのは、子どもの頃に読んだ『大きな森の小さな家』に登場する食べ物に心躍らせた記憶。
ストーブの火であぶった“豚のしっぽ”、煮詰めた楓の蜜を雪の上に垂らした“あめ”!
あれからうん十年。物語に出てくる食べ物に、今でもワクワクしてしまいます。
さて今月は、そんな私から食に関する本を3冊ご紹介します。
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食べたものの記憶から、その時の出来事や会話、その場の雰囲気や感情までも鮮明に思い出すことがありますよね。
最初の本は、まさにそんな1冊です。

『うちのご飯の60年 祖母・母・娘の食卓』(阿古 真理/著 筑摩書房 2009.10)
生活史研究家・阿古真理(あこ まり)さんによる食のルポルタージュです。
昭和初期から平成まで、三世代にわたる食の記憶が、細やかな取材と豊富な参考文献によって検証されています。
楽しく読み進められるのは、すぐそこで繰り広げられているかのような家族の会話が散りばめられているから。
情景が目に浮かび、温かい気持ちになります。
また、調理家電や加工食品の年表も添えられ、当たり前のように繰り返される食事が、時代の流れと共に変化してきたことがよくわかります。
次は、まさに令和の台所事情に寄り添ったこちらの本をどうぞ。

『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』(コウ ケンテツ/著 ぴあ 2020.9)
料理研究家・コウケンテツさんの「いわゆる普通のレシピ本ではなく、ごはんをつくる人が元気がでるような本を」という、優しさがあふれる本です。
家族のために腕によりをかけて作ったパスタを、美味しいうちに食べて欲しいコウさん。一方、遊びに夢中な子どもたち。
料理のプロであるコウさんも、子どもの奔放さには敵わず、ある発想の転換をします。
そんな、苦笑したくなる日常の出来事。
この本からは、それらを前向きにとらえ、食卓を柔軟に変化させていくことの大切さが伝わってきます。
「手間を排除した」レシピが巻末に掲載されているので、暑さで料理がしんどくなっている時にぴったりです。
「おわりに」には、コウさんから読者への“優しさシャワー”があふれています。
表紙のかわいいイラストの解説を読めば、背中をそっと押され、台所に立ちたくなるかも?
最後は、「ひとり暮らし初めてさん」のためにこんな授業があったらいいな! と感じた本です。

『18歳からの自炊塾 九州大学生き方が変わる3か月』(比良松 道一/著 家の光協会 2020.11)
自炊の恐るべき底力を伝えたいと、著者が大学で行った講義の内容を紹介しています。
特に印象的だったのは「週1回の1品持ち寄り昼食会に参加する」という授業を受けた学生の感想です。
食べ手から作り手になり、他者への思いやりを自然に学び取ったのだと感じられます。
日常的に家庭の料理を担当する人なら、思わず深く頷いてしまうかも?
気軽に利用できるファストフードや、便利なコンビニは、料理を作り慣れない学生の絶大なる味方。
けれど、先のパンデミックや自然災害など、もしもの時には自炊力が何にも勝る味方になるかもしれません。
こちらの本は書庫で保管していますので、読んでみたい方はカウンターにお声がけください。
図書館には、美味しそうなレシピ本もたくさん所蔵しています。
桑名の暑い夏! しっかり食べて元気にお過ごしくださいね。
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<紹介資料>
『大きな森の小さな家』(ローラ・インガルス・ワイルダー/作,恩地 三保子/訳,ガース・ウィリアムズ/画 福音館書店 1979)
『うちのご飯の60年 祖母・母・娘の食卓』(阿古 真理/著 筑摩書房 2009.10)
『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』(コウ ケンテツ/著 ぴあ 2020.9)
『18歳からの自炊塾 九州大学生き方が変わる3か月』(比良松 道一/著 家の光協会 2020.11)
(ばんぶぅ)
6月の楽しみ
2026年6月2日(火)|投稿者:kclスタッフ
こんにちは、なばなです。
6月、梅雨ですね。
この季節はハナショウブが見頃です。
ハナショウブは桑名市の花で、県内でも有数の生育地である九華公園で見ることができます。
雨に濡れたハナショウブの風情ある様子は、今しか見られない光景です。
今回はそんな花の季節に因み、「植物」に関する本を紹介したいと思います。
まず一冊目はこちらです。

『物語のある花図鑑』(杉原 梨江子/文,板垣 夏樹/絵 エクスナレッジ 2025.12)
古来より花には伝説や神話などの美しい物語がありました。
そんな花にまつわる逸話を、繊細な絵とともに紹介した図鑑です。
おとぎ話の画集のような挿絵と情緒的な花の物語は、絵を眺めるだけでも、じっくりと読んでも楽しめます。
その他にも、花の原産地や、開花時期、花言葉などが載っています。
美しい花の世界がぎゅっと詰まった素敵な一冊です。
続いてはこちらの本です。

『世界史を大きく動かした植物』(稲垣 栄洋/著 PHPエディターズ・グループ,PHP研究所(発売) 2018.7)
農業の始まりや産業革命などの、人類の歴史の転換期に関わってきた植物を紹介した本です。
ジャガイモや小麦といった今や生活に欠かせない植物が、歴史にどのような光と影をもたらしたのか。
綿の大規模栽培で環境が破壊されてしまったアラル海の話など、一つ一つの植物に驚くようなエピソードがあり、好奇心を刺激されます。
歴史的な話はもちろん、植物の生態や特徴も書かれていて、馴染みの植物の意外な側面を知ることができるのも興味深いです。
世界史と生物学のどちらの視点からも楽しめる貴重な一冊です。
最後はこちらの本です。

『雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々』(稲垣 栄洋/著 小学館 2023.9)
先の本と同じ著者で、こちらは大学の雑草研究室のゼミのお話です。
実は雑草と呼ばれる植物には、まだまだわからないことがたくさんあります。
雑草が小さな花を咲かせる仕組み、芽を出さないエノコログサの謎、「天空の里」に残るイタドリの奇妙な言い伝え。
この本を読めば、雑草の不思議で賢い生態が見えてきます。
雑草の謎を解き明かしていくのは、個性的な研究生たち。
教授に見守られながら、それぞれの個性を生かして地道に答えを探っていきます。
雑草の謎を解いていく過程はミステリー小説のような興奮があり、彼らの成長には胸が熱くなります。
雑草も人間も、よく知ればこんなにも面白い。
雑草学を学びたくなる一冊です。
じめじめして困ることの多い梅雨ですが、植物にとっては恵みの雨の大切な時期。
その恵みを感じつつ、楽しく過ごしたいですね。
外出して、あるいは家で本を通して、この時期ならではの植物の美しさを楽しんではいかがでしょうか。
<参考資料>
『物語のある花図鑑』(杉原 梨江子/文,板垣 夏樹/絵 エクスナレッジ 2025.12)
『世界史を大きく動かした植物』(稲垣 栄洋/著 PHPエディターズ・グループ,PHP研究所(発売) 2018.7)
『雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々』(稲垣 栄洋/著 小学館 2023.9)
旅に出よう
2026年5月1日(金)|投稿者:kclスタッフ
こんにちは、六華です。
毎年5月16日は、「日本旅のペンクラブ」が制定した「旅の日」。
松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅へ出発した5月16日(旧暦1689年3月27日)に由来しています。
忙しい現代の中で「旅の心」を大切にし、旅のあり方を考えるきっかけとして設けられました。
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『おくのほそ道』といえば、国語の教科書でもおなじみの作品です。
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり
この冒頭の部分を音読した記憶がある方も多いのではないでしょうか。
けれど、作品全体の内容を詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。
そこで、まずおすすめしたいのが、小学生向けに作られたこちらの本です。

『写真で読み解く おくのほそ道大辞典』(佐藤 勝明/監修 あかね書房 2022.1)
『おくのほそ道』は、江戸時代に書かれた紀行文学で、関東、東北、北陸から大垣までの約2,400キロメートル、156日に及ぶ旅の様子が描かれています。
芭蕉と弟子の河合曽良が旅の途中で詠んだ俳句や原文の内容が、美しい写真やイラストとともに紹介された、まさに『おくのほそ道』辞典の決定版!
ページをめくるたびに、まるで自分も旅に出ているような気持ちになれる一冊です。
また、俳句の季語や意味も掲載され、俳句の鑑賞方法から俳句作りのコラムまで、俳句について学習したい時にも役立ちます。
巻末に松尾芭蕉の記念館・資料館なども紹介されていますので、親子で訪れてみるのもおすすめです。
原文の言葉の美しさをじっくり味わいたい方には、次の本がぴったりです。

『すらすら読める奥の細道』(立松 和平/著 講談社 2004.1)
原文と現代語訳が見やすく並び、エッセイも添えられているので、タイトルの通りすらすら読めます。
芭蕉は人生そのものを旅になぞらえ、『おくのほそ道』の旅を終えたあとも歩みを止めません。
大垣から伊勢へ向かった旅の記録が『野ざらし紀行』です。
その道中、桑名で詠まれた俳句については、以前のブログ記事「文学と桑名~松尾芭蕉と泉鏡花~」(2024年2月10日)で詳しく紹介しています。こちらもご覧ください。
「旅の日」にちなんで、芭蕉の旅に思いを馳せてみるのも素敵です。
本を通して旅の空気に触れると、実際にどこかへ出かけたくなるかもしれません。

江戸時代の旅といえば、ひたすら歩き続けるもの。
では、現代のおじいちゃんと孫の二人旅はどんな風景になるのでしょうか。
そんな旅の姿を描いた絵本がこちらです。

『りょこう』(麻生 知子/作 福音館書店 2025.5)
こうたくんとおじいちゃんが電車で旅に出かける物語です。
車内で駅弁を食べ、旅館に泊まり、温泉に入って・・・そんな旅のワクワクが丁寧に描かれています。
おじいちゃんがこうたくんにシウマイを分けようとする場面など、温かいやりとりも魅力。
電車や旅館の様子が上から見えたり横から見えたりと、細部まで遊び心が詰まっていて、絵を眺めるだけでも楽しい発見がたくさんあります。
最後にもう一冊、旅をテーマにした絵本をご紹介します。

『ぼくのたび』(みやこし あきこ/作 ブロンズ新社 2018.11)
小さくて居心地のいいホテルを営む“ぼく”。
世界中から訪れるお客さんから知らない町の話を聞き、”ぼく”の町のことを語りながら、いつも心のどこかで旅への憧れをあたためています。
そして夜になると、夢の中で自由な旅へと出かけていくのです。
日常の場面はモノクロで、旅のシーンは淡い色彩で描かれています。
そのコントラストが、どこか儚く、ノスタルジックな雰囲気を生み出しています。
旅好きのみやこしあきこさんが、リトグラフという技法で紡ぎ出す世界は、読む人によって軽やかにも深くも感じられる、不思議な魅力に満ちています。
皆さんはこの絵本をどのように味わうでしょう。
ぜひ一度、ページを開いてみてください。
なお、絵本ができあがるまでの制作過程は、ブロンズ新社の公式YouTubeチャンネルでも
絵本『ぼくのたび』メイキングビデオとして紹介されています。
(https://www.youtube.com/watch?v=ObZgQ0DN9rc&t=4s)
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桑名市立図書館では、さまざまな旅のガイドブックを借りることができます。
さらに「くわな電子図書館」を利用できる方(桑名市在住で、図書館の利用券をお持ちの方)は、旅行先でもスマホで『るるぶ』を読むことが可能です。館内にもポスターが掲示されています。
旅の準備にぜひご活用ください!
<紹介資料>
『写真で読み解くおくのほそ道大辞典』(佐藤 勝明/監修 あかね書房 2022.1)
『すらすら読める奥の細道』(立松 和平/著 講談社 2004.1)
『りょこう』(麻生 知子/作 福音館書店 2025.5)
『ぼくのたび』(みやこし あきこ/作 ブロンズ新社 2018.11)
<六華>

