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2023年1月5日のアーカイブ

2023年1月5日(木)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

あけましておめでとうございます 2023

あけましておめでとうございます
今年も桑名市立中央図書館とスタッフブログ「ブックとラック」を
よろしくお願いいたします

 

 

今年は1月4日が水曜日(休館日)のため、1月5日より開館しております。
みなさま、お正月はいかがお過ごしでしたか?「志るべ」です。

 

さて、令和も早5年を迎えました。今年は「卯」、ウサギ年です。
ウサギは、人気者で絵本にはたびたび登場しますが、昔話の世界でも大活躍しています。

 

「うさぎ」と「かめ」が、かけっこをするお話はよくご存じのことと思います。
途中で一休みしたため、かけっこに負けてしまったうさぎですが、あのうさぎ、その後どうなったのでしょう?
実はお話にはつづきがありました。

 

 

「それからのうさぎ」(『読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話 上』松谷 みよ子/著 筑摩書房 2002.2 所収)

 

 

かけっこに負けたうさぎは、うさぎ村に帰ってきたのですが、みんなから「うさぎ村の恥だ。出ていけ!」と追い出されてしまいます。
ところがしばらくして、うさぎ村にたいへんなことが起こります。
山にすむ、恐ろしいおおかみから使いがきて「子うさぎ、三びき、献上せい」というのです。
さあ、たいへん! どの子もかわいい子うさぎです。うさぎ村は大さわぎになります。
この話を聞きつけたあのうさぎ、子うさぎを献上しなくてもすむようにしよう、と提案します。
さて、いったいうさぎはどんな方法を考えたのでしょう?
そしてその結果、どうなったのでしょうか?

 

ウサギを描いたお話は世界各地にあります。
アルゼンチンにはこんなお話が・・・
アルゼンチン北部、ボリビアとパラグアイの国境近くに暮らす「ウィチー」の人々に伝わるお話です。

 

 

火をぬすんだウサギ アルゼンチンウィチーのおはなし』(宇野 和美/再話,パブロ・ピシック/絵 玉川大学出版部 2022.2)

 

 

「むかしむかし、どうぶつたちは なかよく へいわに くらしていました」
ある時大きな火事が起こり、野山が焼き尽くされてしまいます。
やがて野山は元通りになるのですが、困ったことに火がどこにもなくなってしまいました。
でも実は、ジャガーのところにだけ火はあったのです。
動物たちはジャガーに火を分けてくれるよう頼みますが、ジャガーは分けてくれません。
オオアリクイが、アルマジロが、ツコツコ(モグラに似た動物で、鳴き声がツコッ、ツコッと聞こえるためにこの名前がついたとのこと)が作戦を練りますが、うまくいきません。
そこに名乗り出たのが、ウサギでした。
さて、ウサギはどんな方法を考えたのでしょう?
そして、火を手に入れることはできたのでしょうか?

 

ケニアにはこんなお話が伝わっています。
東アフリカに暮らす「マサイ」の人たちのお話です。

 

 

ノウサギの家にいるのはだれだ? ケニアマサイにつたわるおはなし』(さくま ゆみこ/再話,斎藤 隆夫/絵 玉川大学出版部 2022.3)

 

 

ある時、「ノウサギ」の家が何者かに乗っ取られてしまいます。
乗っ取ったのは、ゾウを踏みつぶすことだってできるという「つよくて ゆうかんな 戦士」
怖くなったノウサギはなかまの動物たちに頼んで、家を取り戻してもらおうとします。
ジャッカルが、ヒョウが、サイが、ゾウが、次々とやってきては逃げ出していきます。
そんな時、そばを通りかかった動物は・・・
さて、ノウサギの家はぶじ奪還できたのでしょうか?
そして、「つよくて ゆうかんな 戦士」の正体は何だったのでしょう?

 

同じようなお話が、遠く離れたロシアにもありました。

 

 

きつねとうさぎ ロシアの昔話』(F.ヤールブソワ/絵,Y.ノルシュテイン/構成,こじま ひろこ/訳 福音館書店 2003.11)

 

 

家を乗っ取られたのは「うさぎ」、乗っ取ったのは「きつね」です。
そして、助けにやってきた動物は、おおかみ、くま、うし。
場所が変わると、登場する動物も変わります。
そこに暮らす動物たちが描かれているのですね。
けれどやっぱり、みんな逃げ出してしまいます。
うさぎがひとりで泣いているところに現れたのは・・・おんどりでした。
さて、おんどりは、どんな作戦できつねに立ち向かったのでしょう?
そしてその後、うさぎとおんどりはどうなったのでしょうか?

 

ところで、ウサギのチャームポイントはなんといってもあの耳。
どうしてあんなに長いのでしょう?
こちらは、メキシコがまだ「ナオワの国」といったアステカ文明の時代の物語です。

 

 

うさぎのみみはなぜながい メキシコ民話』(北川 民次/ぶんとえ 福音館書店 1989)

 

 

体が小さくて、仲間のけものたちにいつもいじめられていた「うさぎ」
神様に「もっとおおきくしてください」とお願いをします。
神様は、「とらと、わにと、さるを自分で仕留めてその皮を持ってくれば願いを叶えよう」と言いました。
森で「いちばん つよい とら」と「いちばん むごい わに」と「いちばん ちえのある さる」を相手にどう戦えばいいのでしょう。うさぎは途方に暮れるばかりでした。
それでも、すばしっこくて利口なうさぎは、ついに3枚の皮を持って神様のところへ戻ります。
さて、戻ったうさぎを見つめて神様は何と言ったでしょう?
そして、神様のとった行動は?

 

最後に、おなじみ「シートン動物記」から「ワタオウサギ」の物語をご紹介します。

 

 

ラギーラグ ワタオウサギの子どもの物語』(アーネスト・T.シートン/作・絵,今泉 吉晴/訳 福音館書店 2003.6)

 

 

「ワタオウサギ」という名前は、綿の玉のようなしっぽの形からきています。
シートンは、カナダのトロント近くで出会ったワタオウサギの母子の物語を書きました。
表情豊かな挿絵も、画家であったシートン自身が描いています。

 

図書館の本は作品の内容によって分類され、番号をつけて並べられています。
ふつう、「物語」は「文学」に分類されますが、この作品は「動物学」に分類されています。
シートンは、ワタオウサギの母子をいろいろな観察方法で、彼らの暮らしをじゃましないように研究し、記録し、そしてその記録をもとに『ラギーラグ』を書きました。
『ラギーラグ』は「物語」ですが、そこには動物「ワタオウサギ」の姿が描かれています。

 

シートンは作品のはじめに、次のように書いています。

 

わたしは、この物語のなかで、「ウサギの言葉」を人間の言葉に訳して、読者のみなさんにお伝えします。訳すときに、わたしはウサギがいっていないことは、ひと言もつけくわえていないことを、読者のみなさんに誓います。

 

母ウサギのモリーが、イヌの激しい追撃をかわす場面があります。
イヌが思い直してもどってきても、足あとをつけられないように、「すこし後もどりし、さらに横跳びをし、そして急角度にジグザグ走りを繰り返し、こみいった足あとを残して」帰るところは、モリーの周到さに驚くと同時に、その動きを想像すると思わず笑ってしまいます。
そしてそこには、観察するシートンの目の確かさとあたたかさが感じられます。

 

ウサギを描いた作品は、他にもまだまだたくさんあります。
ぜひ、あなたの一冊を探しに図書館にいらしてください。

 

一日も早く新型コロナウイルスが終息し、今年一年、自由に図書館をご利用いただける日々がつづきますように。

 

 

<紹介資料>
「それからのうさぎ」(『読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話 上』 筑摩書房 2002.2所収  KM/913/マ/1)
火をぬすんだウサギ アルゼンチンウィチーのおはなし』 宇野 和美/再話,パブロ・ピシック/絵 玉川大学出版部 2022.2    KM/E/ピ/
ノウサギの家にいるのはだれだ? ケニアマサイにつたわるおはなし』 さくま ゆみこ/再話,斎藤 隆夫/絵 玉川大学出版部 2022.3      KM/E/サ/
きつねとうさぎ ロシアの昔話』 F.ヤールブソワ/絵,Y.ノルシュテイン/構成,こじま ひろこ/訳 福音館書店 2003.11    /E/ヤ/
うさぎのみみはなぜながい メキシコ民話』 北川 民次/ぶんとえ 福音館書店 1989    KM/E/キ/
ラギーラグ ワタオウサギの子どもの物語』 アーネスト・T.シートン/作・絵,今泉 吉晴/訳 福音館書店 2003.6     /480/シ/

 

<志るべ>

 

 

カテゴリー:スタッフブログ, 児童 | コメント (0) |