連休明けて...
2023年5月8日(月)|投稿者:kclスタッフ
こんにちは。
はじめまして、「なばな」です。
気づけば新緑芽吹く5月。皆様いかがお過ごしでしょうか。
ぴゅうと吹き荒れる春風の如く、新鮮で慌ただしい時期の4月はあっという間に過ぎてしまいました。
特に新社会人や学生だと、環境が一気に変わって連休でやっと一息つけた、という方も多いのではないでしょうか。
そうなると次にやってくるのは、「仕事(学校)行きたくない~」という五月病の影...
そんな気持ちのまま出勤したくないですよね。
そこで今回は、前向きな気持ちを分けてくれる、一生懸命に働く人たちの本を紹介します。
まずはじめにこちらの本。
大奥で働く女性たちの姿を書いた短編集です。
(永井 紗耶子/著 東京新潮社 2021)
大奥といえば、将軍をめぐる女性たちの戦いをイメージしそうですよね。
ですが、この本に出てくるのは、その舞台裏。
大奥を支える裏方仕事の女性たちです。
地味な服ばかり着ているのに、衣裳係になってしまった新人さんの話。
外見にコンプレックスを持った女性が出会った、おかめ顔の化粧をする同僚さんの話など。
心当たりあるかも?と言いたくなるストーリーに引き込まれ、気づけば自分が励まされています。
読み終わった後に、不思議と会社や職場の人たちの良いところが浮かんできた本です。
営業、接客、売上ノルマ。たくさんの社会人が悩まされるフレーズですよね。
ノウハウ本は数あれど、前向きな気持ちになれるかは別問題。
そんな方に読んで欲しいのがこちらです。
(高殿 円/著 東京光文社 2013)
舞台は百貨店。営業、接客、売上ノルマの全てに高い水準を求められます。
主人公は洋菓子のバイトから正社員になった叩き上げの女性です。
しかし、ある日突然、外商部へ異動となります。
そこで待っていたのは、上流階級と呼ばれる大金持ち達と月1500万円のノルマ、そして、同僚に振り回される日々でした。
ハイクラスな知識や教養、無茶な要望、とんでもない額のノルマ …
聞いているだけで気が遠くなりそうな要求の数々に、根っから庶民の主人公は、一歩進んでは二歩下がる日々。
そんな困難だらけの状況でも、主人公は折れることなく必死であがきます。
その頑張りはさまざまな形で周囲に影響していき、次第に彼女の仕事は認められていきます。
主人公は決して超人ではありません。
それは本人も自覚していて、だからこそ自分に出来る全てをやろうとします。
その奮闘ぶりは、読んでいて心が揺り動かされます。
頑張る気持ちを分けてもらえる本です。
最後は、ちょっと変わったお仕事。
ディズニーランドの裏方であるキャストを主人公にしたお話です。
(松岡 圭祐/著 東京新潮社 2005)
憧れのディーズニ―ランドにキャストとして採用された主人公。
ですが、夢いっぱいに飛び込んだ職場には、予想外の現実が待っていました。
更にディズニーを揺るがす大事件まで起きて…?
がんじがらめの規則、ハードな作業、社員格差。
この話には夢の国ディズニーランドと対比するように、会社としてのシビアな側面が書かれています。
フィクションではありますが、出てくる悩みやぶつかる壁は、社会人なら誰もが一度は体験していそうなものばかり。
そのリアリティに、最初は主人公と一緒に何度か落ち込むかもしれません。
ですが読み進めるうちに、垣間見える仕事への情熱がじわじわと心に響いてきます。
自分の仕事の誇りとは何か?
自分が守るべきものは何か?
そんな問いかけが聞こえてくるようです。
「大変でも、胸の張れる仕事をしよう。」そう思わせてくれる本です。
慣れない環境や予想外の仕事は、尻込みするし手探りばかりで疲れるかもしれません。
でも、今精一杯やれば得られるものがあると、
そう伝えてくれる物語があります。
仕事に悩んでる方もそうでない方も、是非読んでみてください。
<紹介資料>
『大奥づとめ』(永井 紗耶子/著 東京新潮社 2021.5 M/913.6/ナガ/)
『上流階級 富久丸百貨店外商部』(高殿 円/著 東京光文社 2013.11 913.6/タカ /)
『ミッキーマウスの憂鬱』(松岡 圭祐/著 東京新潮社 2005.3 913.6/マツ)
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