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KCLスタッフブログ ~ブックとラック~

2022年12月9日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『猫町』

【 古典 】

『猫町 散文詩風な小説』
(萩原 朔太郎/著,しきみ/絵 立東舎,リットーミュージック(発売) 2016年刊)

 

 

私が紹介する本は、古典の『猫町』である。
ただし、近年になって装丁を改めた上、多くのイラストが加えられたものだ。

 

当本も加え、「乙女の本棚」というシリーズ名が与えられている。
乙女と銘打っているが、対象を女性に限っていないので男性も安心して読んでいただきたい。

 

これまでの古典リメイク作品と違い、多数のフルカラーイラストが掲載されている。
先に紹介したように当本は色鮮やかな仕上がりで、イラスト集として眺めても良い。
古典作品に対して「手を出しづらい」という意識が先行してしまう方は、是非とも当シリーズを手に取っていただきたい。
例え、内容や文章が読み辛くとも、イラスト集として見ることが出来るので損はさせない。

 

最後に、『猫町』の内容に触れさせていただこう。
主人公の詩人が見た、二つの幻想世界についての短編が二つ。
そして、エピローグが収録されている。
現実にはあり得ない世界を求め、現実では在り得ない世界を現実で見つけてしまった詩人。
彼が見た世界はもしかすると、あなたも見たことがあるかもしれない。
ここではない何処かが描かれた作品である。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『猫町 散文詩風な小説』

 

▼出版社/書影画像元
立東舎

 

 

※次回更新は2022年12月16日(金)の予定です

2022年11月18日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『おじいちゃん』

【 とにかく読んで欲しい 】

『おじいちゃん』
(ジョン・バーニンガム/さく,たにかわ しゅんたろう/やく
ほるぷ出版 1985年刊)

 

 

おじいちゃんと孫の絵本は、中央図書館にも、本当にたくさんあります。
でも、なぜかこの絵本にひかれてしまいます。
お話は、おじいちゃんと孫の何気ない会話で進みます。
特別な出来事があるわけではなく、祖父と孫のどこにでもある普通の会話です。

 

やさしい色の絵からは、うたっている時の楽しい感じ、ままごとをしているおじいちゃんの付き合ってあげている感、ケンカをしたときの気まずい感じ…
二人の間の距離感や、微妙な雰囲気が伝わってきます。

 

終盤、はっきりとした言葉があるわけではありません。
ただ、いつもおじいちゃんが座っていた椅子が描かれているだけです。
余韻が残ります。

 

あったかくて、じーんとする そんな本です。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『おじいちゃん』

 

▼出版社/書影画像元
ほるぷ出版

 

 

※次回更新は2022年12月9日(金)の予定です

2022年11月4日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『明日から使える死亡フラグ図鑑』

【 気軽に読む 】

『明日から使える死亡フラグ図鑑』
(茶んた/著 宝島社 2020年刊)

 

 

「死亡フラグ」とよばれるものをご存じでしょうか。
それは、ドラマや漫画、小説などにおける特定のシチュエーションにて、登場人物が死んでしまう前にありがちな行動やセリフの事です。
倒れた写真立てに映る人、お金で助かろうとする人、戦いが終わったら結婚する人などがあてはまります。

 

この本では、アクション、サスペンス、SFなどのジャンル別に分けられた様々な死亡フラグが紹介されています。
死亡と聞くと、暗いシーンが次々と紹介されるのではないかと感じる方もいるかもしれませんが、死亡フラグを現した1コマか2コマのコミカルな漫画と一緒に、なぜ死亡フラグになってしまうのかという解説がユーモアを交えて1~2ページでまとめられており、空いた時間にお手軽に読んでいただけます。

 

きっと、どこかで見たことのある、読んだことのあると感じるものも多いのではないでしょうか。
この本を読みながら、このシチュエーションはあの話であった!と今までみたドラマや漫画を思い返してみるのも楽しいです。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『明日から使える死亡フラグ図鑑』

 

▼出版社
宝島社

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

※次回更新は2022年11月18日(金)の予定です

2022年10月21日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『スティル・ライフ』

【 とにかく読んで欲しい 】

『スティル・ライフ』
(池沢 夏樹/著 中央公論社 1988年刊)

 

 

小説の中に出てくる、自分の知らない言葉や気になる単語を辞書で調べることがあります。

 

「ひょっとしてチェレンコフ光が見えないかと思って」

 

バーの高い椅子に座り、ウィスキーと水の入ったグラスを前に男二人が星の話をしている冒頭の場面。
二人の会話に出てくる「チェレンコフ光」という言葉が気になって辞書で調べてみました。

 

「チェレンコフ光」はチェレンコフ放射ともいい、「物質中を荷電粒子がその物質中の光の速度よりも速い速度で通過するときに発する放射光」(『日本国語大辞典 第8巻』)であり、この光を発する現象をチェレンコフ効果というそうです。
一九三四年に物理学者チェレンコフが発見したそうです。

 

男が言うには、「一万年に一度くらいの確立」の「光ってもみえないだろう」そのチェレンコフ光が見えないかと思って、水の入ったグラスをじっと見ていたというのです。
そして「なるべく遠くのことを考える。星一番遠い。」とも。

 

なぜ二人は星の話をしているのか、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

 

参考資料:
『日本国語大辞典 第8巻 第2版』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年刊)

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『スティル・ライフ』

 

▼出版社
中央公論新社

 

 

※次回更新は2022年11月4日(金)の予定です

2022年10月7日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『あなたの すてきな ところはね』

【 繰り返し読む 】

『あなたの すてきな ところはね』
(玉置 永吉/作,えがしら みちこ/絵 KADOKAWA 2021年刊)

 

 

この絵本には、お母さんが子どもに語りかける詩のような言葉がつづられています。

 

子育てをされた事がある方ならきっと、そうそう!と共感されるような、子どもの可愛らしい様子が、素敵な言葉と絵で表現されていて引き込まれます。
小さい子の子育て真っ最中のお母さんが読めば、優しい気持ちになって、子どもに伝えたい言葉があふれてくるかも知れません。

 

実際、この本の最後のページには子どもの素敵なところを書き込めるシートがついています。
絵本の中で季節はめぐり、子どもは少し大きくなります。
そして、その言葉がいつの間にか読み手に語りかけてくるように感じられるのは私だけでしょうか。

 

みんなが誰かのかけがえのない人です。
自分は誰かにとって、こんな風に大事に思われている存在で、今日ここにいてくれるだけで、幸せな人がいるという事に気づかされ、なんだかじんわりあたたかい涙があふれてきます。

 

新しい世界にふみ出す子ども達への贈り物としても良いですし、失敗して落ち込んだり、少し自信がなくなっている時には、元気を出して!と手渡したい一冊です。ぜひ一度、手に取ってみてください。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『あなたの すてきな ところはね』

 

▼出版社
KADOKAWA

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

※次回更新は2022年10月21日(金)の予定です