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#kclスタッフおすすめ本 『図書館さんぽ』

2022年12月16日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 図書館 】

『図書館さんぽ』
(図書館さんぽ研究会/[編] 駒草出版 2018年刊)

 

「図書館」と聞いて、皆さんはどんなことをイメージしますか?

・静かにしなくちゃいけない場所
・冷暖房が効いていて勉強しやすい場所
・無料で本が借りられる場所

 

多くの方はこんなイメージを持っているのではないでしょうか?
でも、「図書館」ってもっと魅力的な場所なんです!

 

まず、一口に図書館といっても、様々な種類の図書館があるのはご存知ですか?
当館のような市町村立図書館はその地域に根差しており、身近に感じている方も多いと思います。
都道府県立図書館はさらに規模が大きく、専門書や郷土資料など多様な資料を所蔵している特徴があります。
また、大学(学校)図書館や、美術館・博物館・企業などが運営している専門図書館もあります。

 

そして日本で唯一の国立図書館が、国立国会図書館です。
国立国会図書館には納本制度があり、国内で発行されたすべての出版物を、国立国会図書館に納入することが義務づけられています。
その蔵書数(図書・雑誌・映像資料他)はなんと4,600万点以上!(令和3年度統計参照)

 

国立国会図書館についてマンガでわかりやすく紹介されているので、ぜひ読んでみてください。
(6階の食堂は2020年に閉店したようで残念…)

 

最近の図書館では、おしゃれなカフェが併設されていたり、セミナーなどのイベントを開催したり、自動貸出機など最先端の機器を備えている図書館が増えています。
この本では、東京を中心に魅力的な図書館が紹介されていて、さらに周辺を散策するコースも案内されています。
図書館を目的に、旅行してみるのも楽しいですよ。

 

もちもん魅力的な図書館は全国にたくさんあります。
実は、本文中の「全国の注目の図書館105館」で、桑名市立中央図書館も紹介されているんです!
どの図書館も個性があり、様々な取り組みをされていて、ぜひいつか行ってみたいと思うところばかりです。

 

図書館によく行く人も、あまり行かない人も、この本を通して、図書館の魅力を知ってもらえたらと思います。

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『図書館さんぽ』

 

▼出版社
駒草出版

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

※次回更新は2022年12月23日(金)の予定です

 

#kclスタッフおすすめ本 『猫町』

2022年12月9日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 古典 】

『猫町 散文詩風な小説』
(萩原 朔太郎/著,しきみ/絵 立東舎,リットーミュージック(発売) 2016年刊)

 

 

私が紹介する本は、古典の『猫町』である。
ただし、近年になって装丁を改めた上、多くのイラストが加えられたものだ。

 

当本も加え、「乙女の本棚」というシリーズ名が与えられている。
乙女と銘打っているが、対象を女性に限っていないので男性も安心して読んでいただきたい。

 

これまでの古典リメイク作品と違い、多数のフルカラーイラストが掲載されている。
先に紹介したように当本は色鮮やかな仕上がりで、イラスト集として眺めても良い。
古典作品に対して「手を出しづらい」という意識が先行してしまう方は、是非とも当シリーズを手に取っていただきたい。
例え、内容や文章が読み辛くとも、イラスト集として見ることが出来るので損はさせない。

 

最後に、『猫町』の内容に触れさせていただこう。
主人公の詩人が見た、二つの幻想世界についての短編が二つ。
そして、エピローグが収録されている。
現実にはあり得ない世界を求め、現実では在り得ない世界を現実で見つけてしまった詩人。
彼が見た世界はもしかすると、あなたも見たことがあるかもしれない。
ここではない何処かが描かれた作品である。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『猫町 散文詩風な小説』

 

▼出版社/書影画像元
立東舎

 

 

※次回更新は2022年12月16日(金)の予定です

#kclスタッフおすすめ本 『おじいちゃん』

2022年11月18日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 とにかく読んで欲しい 】

『おじいちゃん』
(ジョン・バーニンガム/さく,たにかわ しゅんたろう/やく
ほるぷ出版 1985年刊)

 

 

おじいちゃんと孫の絵本は、中央図書館にも、本当にたくさんあります。
でも、なぜかこの絵本にひかれてしまいます。
お話は、おじいちゃんと孫の何気ない会話で進みます。
特別な出来事があるわけではなく、祖父と孫のどこにでもある普通の会話です。

 

やさしい色の絵からは、うたっている時の楽しい感じ、ままごとをしているおじいちゃんの付き合ってあげている感、ケンカをしたときの気まずい感じ…
二人の間の距離感や、微妙な雰囲気が伝わってきます。

 

終盤、はっきりとした言葉があるわけではありません。
ただ、いつもおじいちゃんが座っていた椅子が描かれているだけです。
余韻が残ります。

 

あったかくて、じーんとする そんな本です。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『おじいちゃん』

 

▼出版社/書影画像元
ほるぷ出版

 

 

※次回更新は2022年12月9日(金)の予定です

#kclスタッフおすすめ本 『明日から使える死亡フラグ図鑑』

2022年11月4日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 気軽に読む 】

『明日から使える死亡フラグ図鑑』
(茶んた/著 宝島社 2020年刊)

 

 

「死亡フラグ」とよばれるものをご存じでしょうか。
それは、ドラマや漫画、小説などにおける特定のシチュエーションにて、登場人物が死んでしまう前にありがちな行動やセリフの事です。
倒れた写真立てに映る人、お金で助かろうとする人、戦いが終わったら結婚する人などがあてはまります。

 

この本では、アクション、サスペンス、SFなどのジャンル別に分けられた様々な死亡フラグが紹介されています。
死亡と聞くと、暗いシーンが次々と紹介されるのではないかと感じる方もいるかもしれませんが、死亡フラグを現した1コマか2コマのコミカルな漫画と一緒に、なぜ死亡フラグになってしまうのかという解説がユーモアを交えて1~2ページでまとめられており、空いた時間にお手軽に読んでいただけます。

 

きっと、どこかで見たことのある、読んだことのあると感じるものも多いのではないでしょうか。
この本を読みながら、このシチュエーションはあの話であった!と今までみたドラマや漫画を思い返してみるのも楽しいです。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『明日から使える死亡フラグ図鑑』

 

▼出版社
宝島社

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

※次回更新は2022年11月18日(金)の予定です

#kclスタッフおすすめ本 『スティル・ライフ』

2022年10月21日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 とにかく読んで欲しい 】

『スティル・ライフ』
(池沢 夏樹/著 中央公論社 1988年刊)

 

 

小説の中に出てくる、自分の知らない言葉や気になる単語を辞書で調べることがあります。

 

「ひょっとしてチェレンコフ光が見えないかと思って」

 

バーの高い椅子に座り、ウィスキーと水の入ったグラスを前に男二人が星の話をしている冒頭の場面。
二人の会話に出てくる「チェレンコフ光」という言葉が気になって辞書で調べてみました。

 

「チェレンコフ光」はチェレンコフ放射ともいい、「物質中を荷電粒子がその物質中の光の速度よりも速い速度で通過するときに発する放射光」(『日本国語大辞典 第8巻』)であり、この光を発する現象をチェレンコフ効果というそうです。
一九三四年に物理学者チェレンコフが発見したそうです。

 

男が言うには、「一万年に一度くらいの確立」の「光ってもみえないだろう」そのチェレンコフ光が見えないかと思って、水の入ったグラスをじっと見ていたというのです。
そして「なるべく遠くのことを考える。星一番遠い。」とも。

 

なぜ二人は星の話をしているのか、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

 

参考資料:
『日本国語大辞典 第8巻 第2版』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年刊)

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『スティル・ライフ』

 

▼出版社
中央公論新社

 

 

※次回更新は2022年11月4日(金)の予定です

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