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KCLスタッフブログ ~ブックとラック~

2022年10月21日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『スティル・ライフ』

【 とにかく読んで欲しい 】

『スティル・ライフ』
(池沢 夏樹/著 中央公論社 1988年刊)

 

 

小説の中に出てくる、自分の知らない言葉や気になる単語を辞書で調べることがあります。

 

「ひょっとしてチェレンコフ光が見えないかと思って」

 

バーの高い椅子に座り、ウィスキーと水の入ったグラスを前に男二人が星の話をしている冒頭の場面。
二人の会話に出てくる「チェレンコフ光」という言葉が気になって辞書で調べてみました。

 

「チェレンコフ光」はチェレンコフ放射ともいい、「物質中を荷電粒子がその物質中の光の速度よりも速い速度で通過するときに発する放射光」(『日本国語大辞典 第8巻』)であり、この光を発する現象をチェレンコフ効果というそうです。
一九三四年に物理学者チェレンコフが発見したそうです。

 

男が言うには、「一万年に一度くらいの確立」の「光ってもみえないだろう」そのチェレンコフ光が見えないかと思って、水の入ったグラスをじっと見ていたというのです。
そして「なるべく遠くのことを考える。星一番遠い。」とも。

 

なぜ二人は星の話をしているのか、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

 

参考資料:
『日本国語大辞典 第8巻 第2版』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年刊)

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『スティル・ライフ』

 

▼出版社
中央公論新社

 

 

※次回更新は2022年11月4日(金)の予定です

2022年10月7日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『あなたの すてきな ところはね』

【 繰り返し読む 】

『あなたの すてきな ところはね』
(玉置 永吉/作,えがしら みちこ/絵 KADOKAWA 2021年刊)

 

 

この絵本には、お母さんが子どもに語りかける詩のような言葉がつづられています。

 

子育てをされた事がある方ならきっと、そうそう!と共感されるような、子どもの可愛らしい様子が、素敵な言葉と絵で表現されていて引き込まれます。
小さい子の子育て真っ最中のお母さんが読めば、優しい気持ちになって、子どもに伝えたい言葉があふれてくるかも知れません。

 

実際、この本の最後のページには子どもの素敵なところを書き込めるシートがついています。
絵本の中で季節はめぐり、子どもは少し大きくなります。
そして、その言葉がいつの間にか読み手に語りかけてくるように感じられるのは私だけでしょうか。

 

みんなが誰かのかけがえのない人です。
自分は誰かにとって、こんな風に大事に思われている存在で、今日ここにいてくれるだけで、幸せな人がいるという事に気づかされ、なんだかじんわりあたたかい涙があふれてきます。

 

新しい世界にふみ出す子ども達への贈り物としても良いですし、失敗して落ち込んだり、少し自信がなくなっている時には、元気を出して!と手渡したい一冊です。ぜひ一度、手に取ってみてください。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『あなたの すてきな ところはね』

 

▼出版社
KADOKAWA

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

※次回更新は2022年10月21日(金)の予定です

2022年10月1日(土)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

「たべる」

こんにちは。ばんこです。そろそろ食欲の秋。
今回は「たべる」をテーマに、いろいろな本をご紹介します。

記憶に残っている中で、一番最初に「おいしそうだなぁ」「たべたいなぁ」と思った絵本です。

 

しろくまちゃんのほっとけーき
わかやま けん/[絵],森 比左志/[文],わだ よしおみ/[文]
こぐま社 1980

 

知らない人はいないのではないか?と思われるほど、長く読み続けられている本です。

現在でも、書架に並べばすぐに貸し出しされる人気ぶり。
桑名市のゆめはま文庫(2歳Cセット)にも入っています。
実は、ほっとけーきを作って、お片付けをするまでに、しろくまちゃんのエプロンは、色が何回も変わります。
何回変わるのか?何色に変わるのか?知っている人は、スゴイ!!

 

好きなものを「たべる」ことは、とても楽しいことですが、嫌いなものを「たべる」のは、大人になってもつらい…
誰かかわりに食べてくれないかなぁと、みなさん一度は思った事があるのではないでしょうか?

たべてあげる
ふくべ あきひろ/ぶん,おおの こうへい/え 教育画劇 2011.11

 

りょうたくんには、好き嫌いがたくさん。
誰かかわりに食べてくれないかなぁと思っていると、小さいりょうたくんが登場し、りょうたくんの嫌いなものを全部食べてくれるようになります。
何でも食べてくれる小さいりょうたくんは、どんどん大きくなっていき・・・
さて、最後に一体何を食べるのでしょうか?
衝撃的なラストです。

 

同じりょうたくんですが、この本にでてくるりょうたくんは、食べないわけではないのです。
でも、早く遊びに行きたくて、お茶碗に、ほんのすこ~し、お昼ごはんのシラス丼を残してしまっただけ・・・

しらすどん
最勝寺 朋子/作・絵 岩崎書店 2021.7

 

気が付くと、りょうたくんは、自分のお茶碗に残された小さなシラスになっています。
この後、りょうたくんは残されたシラスがどうなっていくのかを、身をもって体験します。
きれいに食べる、のこさず食べる。
大事な事です。

 

好き嫌いがあったり、残したり・・・この本は、そんなことありません。
好き嫌いなし!なんでも「たべる」男の子のお話。

いただきます。ごちそうさま。
あさの あつこ/作,加藤 休ミ/絵,東 雅夫/編 岩崎書店 2021.1

 

作者は、あさのあつこさん 岩崎書店の怪談えほんシリーズの一冊です。
このシリーズは、大人向けかな?と思う本もあるのですが、これは、ストレートにこわい。
なんでも「たべる」ことが、こんな風に怖い絵本になるとは・・・
なんでも「たべる」ことを、ちょっと考えてしまうようになるかも?

 

しんでくれた
谷川 俊太郎/詩,塚本 やすし/絵 佼成出版社 2014.4

自分たちの食べている物、お肉もお魚も、スーパーのパックしか知らない、という子もいるかもしれません。
毎日食べている物が、どのようにして自分の口に入ることになったのか、当たり前ですが、食べ物も命です。
谷川さんの詩は、本当に大切な事をわかりやすく教えてくれます。

 

「好き嫌いはダメ」「ご飯はキレイに食べなさい」言われたことも言ったことも、嫌になるくらいたくさんありますが、気持ちも所作も、ちゃんと「たべる」を子どもに伝えること、難しいなぁと思います。
自分の身を振り返れば、あまりきつく言うこともためらわれ、きれいごとばかりもちょっとなぁ・・・という時の絵本です。

読み終わった後、すこし考える余白のあるような絵本は、子供が読んでも、大人が読んでもいいなぁ、と思います。
一緒に読んで、お互いちょっと考えることができたら、良い時間になるのではないでしょうか?

ぜひ、食欲の秋に、家族で「たべる」ことを考えるきっかけにしていただければと思います。

 

紹介資料

しろくまちゃんのほっとけーき
わかやま けん/[絵],森 比左志/[文],わだ よしおみ/[文]こぐま社 1980

たべてあげる
ふくべ あきひろ/ぶん,おおの こうへい/え 教育画劇 2011.11

しらすどん』最勝寺 朋子/作・絵 岩崎書店 2021.7

いただきます。ごちそうさま。
あさの あつこ/作,加藤 休ミ/絵,東 雅夫/編 岩崎書店 2021.1

しんでくれた
谷川 俊太郎/詩,塚本 やすし/絵 佼成出版社 2014.4

カテゴリー:スタッフブログ, 児童 | コメント (0) | 
2022年9月23日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『本日のメニューは。』

【 気軽に読む 】

『本日のメニューは。』
(行成 薫/著 集英社 2019年刊)

 

 

自分はお腹に心がある人間なのかもしれない。
料理がテーマの本を読むと、よくそう思います。
アツアツの湯気、ほおばる描写。
本に出てくる食べ物というのは、何故か皆とても美味しそうに見えます。
大して凝った料理でなくても不思議と「食べたーい」という気持ちにさせてくれるグルメの本が私は大好きです。

 

そして、そんなご飯に特に合うと思うのが、料理を取り巻く人間の人情ストーリー。
情と飯のマリアージュ、まさに絶品の一皿のような組み合わせです。

 

もちろん、これは私個人の感想なので、共感しない方も多いかもしれません。
ですが、もし「ちょっとわかる…」という方がいたら是非読んで欲しい本がこちら。

 

短編集『本日のメニューは。』です。

 

収録された短編は全部で5つ。その全てが一つの料理を中心に描かれています。
ラーメン、おにぎり、ロコモコ丼…出てくる料理は誰もが知っていて、愛されるようなものばかり。
そこに絡むのは、少しほろ苦い、でもどこにでもある現実と、それに負けないほど厚くてほろりと優しい人の情。
この配合がまた絶妙で、気づけば物語に引き込まれて、彼らの奮闘や涙に共感し、読み終えた後は、お腹がほっこり温まるような満足感が広がります。

 

そして何より料理の描写が本当に美味しそう。
「海苔がぱつんとはじける」おにぎりなど、よく知る料理だからこそ、これ絶対美味しいやつだ!と想像できてしまう見事な描写は憎たらしいほどですが、読まずにはおれません。
読めばお腹がすくのに、読み終えればお腹も心も満たされる。
グルメ小説の好きな人にはぜひ読んで欲しい。でも、そうでなくても、興味があれば一度は読んで欲しい。
そう思える逸品です。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『本日のメニューは。』

 

▼出版社
集英社

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

 

※次回更新は2022年10月7日(金)の予定です

2022年9月20日(火)PM12:40|投稿者:KCLスタッフ

博物館×中央図書館 令和4年度ML連携企画(第5弾)「秋の夜長の物語 –中世の逸話-」を開催します!

ML連携とは、博物館(Museum)と図書館(Library)が連携し、共通のテーマに沿って企画展示やセミナーを開催する協力活動です。

 

中央図書館では、博物館展示のテーマに合わせた関連書籍の展示や、博物館職員等によるセミナーを行います。

 

画像を選択すると拡大します(PDFファイル)

第5弾は博物館展示「秋・ものや想ふ」の開催に合わせて、関連書籍展示と桑名市博物館 歴史専門官によるセミナー「秋の夜長の物語 –中世の逸話-」を行います。

 

<セミナー紹介>

秋はなぜかもの悲しく想う季節です。これは月に対する古代人からのDNAかも知れません。『万葉集』を始め多くの歌集に月の名歌が出てきます。

そして、秋と言えば現代では「読書の秋」ですが、昔は「秋の夜長」に囲炉を囲んでお話が始まります。特に中世の戦いの中から生まれた物語は好まれ、『平家物語』などが生まれています。秋の夜長の物語を聞いて中世にものや想ってはいかがでしょうか?

 

※状況により変更・中止となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願いいたします。

 

<日程>

博物館×中央図書館 令和4年度ML連携企画 セミナー「秋の夜長の物語 –中世の逸話-」

講師:桑名市博物館 歴史専門官 大塚 由良美

日時:10月1日(土) 午後1時30分から午後3時

場所:くわなメディアライヴ 2階 第一会議室

定員:50名(先着順、事前申込制)※定員になり次第締め切ります

申込み方法:直接窓口、または電話で中央図書館へ

申込み開始:9月22日(木)午前10時30分~  ※受付は各日午後5時まで

問い合わせ:桑名市立中央図書館  〒511-0068 桑名市中央町三丁目79  0594-22-0562