#kclスタッフおすすめ本 『おじいちゃん』

2022年11月18日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 とにかく読んで欲しい 】

『おじいちゃん』
(ジョン・バーニンガム/さく,たにかわ しゅんたろう/やく
ほるぷ出版 1985年刊)

 

 

おじいちゃんと孫の絵本は、中央図書館にも、本当にたくさんあります。
でも、なぜかこの絵本にひかれてしまいます。
お話は、おじいちゃんと孫の何気ない会話で進みます。
特別な出来事があるわけではなく、祖父と孫のどこにでもある普通の会話です。

 

やさしい色の絵からは、うたっている時の楽しい感じ、ままごとをしているおじいちゃんの付き合ってあげている感、ケンカをしたときの気まずい感じ…
二人の間の距離感や、微妙な雰囲気が伝わってきます。

 

終盤、はっきりとした言葉があるわけではありません。
ただ、いつもおじいちゃんが座っていた椅子が描かれているだけです。
余韻が残ります。

 

あったかくて、じーんとする そんな本です。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『おじいちゃん』

 

▼出版社/書影画像元
ほるぷ出版

 

 

※次回更新は2022年12月9日(金)の予定です

kclビブリオバトル2022を開催しました!

2022年11月7日(月)|投稿者:kclスタッフ

2022年10月30日(日)、くわなメディアライヴ2階第1会議室にてkclビブリオバトル2022を開催いたしました。

 

 

 

今回、発表者として次の3名の方にご参加いただきました。

 

1番 こうすけ さん

「デューク」『つめたいよるに』所収)
(江国 香織/著 新潮社 1996年刊 ※長島輪中図書館所蔵)

 

【感想】
・自分の経験を織り交ぜての発表が良かったです。
・受験で泣けてしまう小説というのがすごいと思いました。
・死を経験した人だから書ける本だなと思ったし、それを分かりやすく説明していたのがすごかった。

 

 

2番 ちくわ さん

『失楽園 上』『失楽園 下』
(ジョン・ミルトン/作,平井 正穂/訳 岩波書店 1981年刊)

 

【感想】
・場の空気に合わせたアドリブトークがうまい。本の読み込みが深い。
・神さまたちの話でしたが、意外と人間らしいところもあるんだなーって思いました。
・失楽園という本や、アダムとイヴ、エデンの園など、言葉自体は知っていたが、内容は知らなかったので、是非読んでみたいと感じた。

 

 

3番 鉄板ナポリタン さん

『ヤクザときどきピアノ』
(鈴木 智彦/著 CCCメディアハウス 2020年刊)

 

【感想】
・例え話を使って、流れを説明していたから、分かりやすかった。
・ヤクザとピアノという関係がないようなものから語られる内容にとても興味を持ちました。
・ヤクザでもやると決めたからにはその意志を最後まで貫き通すことへの凄さに感動しました。

 

 

 

 

栄えあるチャンプ本に輝いたのは…

 

1番 こうすけさん発表の「デューク」(『つめたいよるに』所収)でした!

 

試験勉強のため、2001年センター試験の問題を解いていた際この作品に出会ったという、こうすけさん。
自身の経験や、学生ならではの視点と感情を織り交ぜながらの発表は、まるで一つの劇を見ているかのよう。
こうすけさんの醸し出す雰囲気に、会場中が呑み込まれた時間でした。

 

 

今年もkclビブリオバトルを無事開催することが出来ましたのも、ご関心を寄せていただきました皆さまのおかげです。
スタッフ一同、心より御礼申し上げます。

 

中央図書館では、これからも感染拡大防止対策を行った上で、イベントの開催情報・館内での特集コーナー設置など、様々な形での「人と本の出会いの場」を皆さまにお届けいたします。
それらの情報は館内掲示、当ホームページ、またはTwitterでも情報発信を行っております。

 

最後になりましたが、素敵な時間を作っていただいた発表者の皆さま、本当にありがとうございました!

 

 

 

 

これまでのビブリオバトルの様子はコチラ
歴代発表作品一覧はコチラ (PDFファイルで開きます)
桑名市立中央図書館 公式Twitter @KCL_lib

 

「デューク」は、中央図書館所蔵『つめたいよるに』(江国 香織/作,柳生 まち子/画 理論社 1991年刊)にも収録されています。

 

 

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#kclスタッフおすすめ本 『明日から使える死亡フラグ図鑑』

2022年11月4日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 気軽に読む 】

『明日から使える死亡フラグ図鑑』
(茶んた/著 宝島社 2020年刊)

 

 

「死亡フラグ」とよばれるものをご存じでしょうか。
それは、ドラマや漫画、小説などにおける特定のシチュエーションにて、登場人物が死んでしまう前にありがちな行動やセリフの事です。
倒れた写真立てに映る人、お金で助かろうとする人、戦いが終わったら結婚する人などがあてはまります。

 

この本では、アクション、サスペンス、SFなどのジャンル別に分けられた様々な死亡フラグが紹介されています。
死亡と聞くと、暗いシーンが次々と紹介されるのではないかと感じる方もいるかもしれませんが、死亡フラグを現した1コマか2コマのコミカルな漫画と一緒に、なぜ死亡フラグになってしまうのかという解説がユーモアを交えて1~2ページでまとめられており、空いた時間にお手軽に読んでいただけます。

 

きっと、どこかで見たことのある、読んだことのあると感じるものも多いのではないでしょうか。
この本を読みながら、このシチュエーションはあの話であった!と今までみたドラマや漫画を思い返してみるのも楽しいです。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『明日から使える死亡フラグ図鑑』

 

▼出版社
宝島社

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

※次回更新は2022年11月18日(金)の予定です

#kclスタッフおすすめ本 『スティル・ライフ』

2022年10月21日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 とにかく読んで欲しい 】

『スティル・ライフ』
(池沢 夏樹/著 中央公論社 1988年刊)

 

 

小説の中に出てくる、自分の知らない言葉や気になる単語を辞書で調べることがあります。

 

「ひょっとしてチェレンコフ光が見えないかと思って」

 

バーの高い椅子に座り、ウィスキーと水の入ったグラスを前に男二人が星の話をしている冒頭の場面。
二人の会話に出てくる「チェレンコフ光」という言葉が気になって辞書で調べてみました。

 

「チェレンコフ光」はチェレンコフ放射ともいい、「物質中を荷電粒子がその物質中の光の速度よりも速い速度で通過するときに発する放射光」(『日本国語大辞典 第8巻』)であり、この光を発する現象をチェレンコフ効果というそうです。
一九三四年に物理学者チェレンコフが発見したそうです。

 

男が言うには、「一万年に一度くらいの確立」の「光ってもみえないだろう」そのチェレンコフ光が見えないかと思って、水の入ったグラスをじっと見ていたというのです。
そして「なるべく遠くのことを考える。星一番遠い。」とも。

 

なぜ二人は星の話をしているのか、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

 

参考資料:
『日本国語大辞典 第8巻 第2版』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001年刊)

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『スティル・ライフ』

 

▼出版社
中央公論新社

 

 

※次回更新は2022年11月4日(金)の予定です

#kclスタッフおすすめ本 『あなたの すてきな ところはね』

2022年10月7日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 繰り返し読む 】

『あなたの すてきな ところはね』
(玉置 永吉/作,えがしら みちこ/絵 KADOKAWA 2021年刊)

 

 

この絵本には、お母さんが子どもに語りかける詩のような言葉がつづられています。

 

子育てをされた事がある方ならきっと、そうそう!と共感されるような、子どもの可愛らしい様子が、素敵な言葉と絵で表現されていて引き込まれます。
小さい子の子育て真っ最中のお母さんが読めば、優しい気持ちになって、子どもに伝えたい言葉があふれてくるかも知れません。

 

実際、この本の最後のページには子どもの素敵なところを書き込めるシートがついています。
絵本の中で季節はめぐり、子どもは少し大きくなります。
そして、その言葉がいつの間にか読み手に語りかけてくるように感じられるのは私だけでしょうか。

 

みんなが誰かのかけがえのない人です。
自分は誰かにとって、こんな風に大事に思われている存在で、今日ここにいてくれるだけで、幸せな人がいるという事に気づかされ、なんだかじんわりあたたかい涙があふれてきます。

 

新しい世界にふみ出す子ども達への贈り物としても良いですし、失敗して落ち込んだり、少し自信がなくなっている時には、元気を出して!と手渡したい一冊です。ぜひ一度、手に取ってみてください。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『あなたの すてきな ところはね』

 

▼出版社
KADOKAWA

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

 

※次回更新は2022年10月21日(金)の予定です

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