夏だ!海だ!山だ!図書館だ!
2023年8月3日(木)|投稿者:kclスタッフ
こんにちは。七里です。
暑い夏が続きますね。
コロナ禍が明け、制限なしの久しぶりの夏に、海や山のレジャーを家族や友人と楽しむ方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は海や山の本を、児童書・絵本・ティーンズコーナーからご紹介します。
まずは、海編から。
「かつてチューブに乗った伝説の小学生がいた!」
チューブとは、大波の中にトンネルのような空洞ができること。大人でも難しいのに、何年も前に湘南の海で小学生がそれをしたというのです。
サーフィンを習っている大和は、その話を耳にして、サーフィンスクールの校長先生に真相を尋ねます。
そこから話は、いっきに数十年前にタイムスリップ。
伝説の小学生の物語が始まります。
湘南の海で、小学生の亮はサーフィンの上手な誠に出会います。
誠にサーフィンを教えてもらいながら、二人はサーフィンを思い切り楽しみ、そして友情を深めていきます。
しかし、そこにライバルの外国人、スティーブが現れます。
サーフィン場の縄張り争いが起こり、サーフィンの大会で、二人はついにスティーブと対決することになるのですが・・・。
夏の湘南の海を舞台に、色々な人と関わりありながら、困難を乗り越え、成長してく二人の姿に、心が熱くなります。
そしてサーフィン大会で優勝した伝説の小学生とは果たして誰で、今は何をしているのか、
皆さんも、大和と一緒に確認してみてください。
海を眺めていると、「この海の向こうは、何があるだろう」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか?
この本では、少女が海を眺めながら、うみのむこうを想像します。
「うみのむこうは はたけかな」
「うみのむこうは ゆうえんち たのしいのりもの たくさんあるかな」
全ての頁が同じ視線で描かれる絵本に、いつしか引き込まれ、どんどん想像が膨らんでいきます。
この本をきっかけに、皆さんの「うみのむこう」には、どんな世界が広がっているでしょうか?
海辺を歩いていると、様々な生きものが見つかることがありますね。
海の潮だまりで、夢中になって、生きものを観察したり捕まえたりした人もいるのではないでしょうか?
この本では、そんな海辺の生きものたちがたくさん出てきます。
しかも、一見何もないように見える頁も、後ろから光を照らすと、隠れている生きものが浮かび上がるしかけつきです!
岩かげや砂のなかに何が隠れているでしょうか。そんなドキドキ・ワクワクが、本で楽しめます。
次は山編をご紹介します。
皆さん、山というとどんなイメージをお持ちでしょうか。
この本には、生きものが、山に見守られながら過ごす、一日が描かれています。
夜明けとともに始まる山の一日。
静かな文章と優しい色調の絵に、心が洗われます。
あらゆる生きものをそっと見守る山。
読み進めるうちに、自分も山に包み込まれ、癒される感覚に陥るかもしれません。
大人の方にもおすすめです。
一度は登ってみたい富士山。何度も登りたくなる富士山。
富士山に特別な思いを抱いている方も多いと思います。
この本では、富士山でガイドの仕事をしている著者が、富士山の魅力をたっぷり教えてくれます。
しかしこの人、三十歳になるまで、富士山に登ったことがなかったというから驚きです。
山登りに関してど素人の著者が、失敗を重ねながらも、登山者の富士山への思いと、富士山そのものからエネルギーを貰って、
今までにない富士山ツアーへの実現へと邁進していきます。
彼の夢に向かって一歩一歩進んでいく姿と、富士山の登山がリンクして、清々しい気持ちになります。
楽しい登山も、途中で遭難してしまっては、大変ですね。
主人公の小学生、田辺瞬は、お父さんと同級生の友達三人、そして山岳部の大学生・岳ちゃんとともに、宿泊登山に出かけます。
それは楽しい夏休みの思い出になるはずでした。
ところが、瞬は岳ちゃんの忠告も聞かずに、単独行動をしてしまいます。
「みんなの役に立ちたい」という気持ちからでしたが、結局友達二人を巻き込んで、遭難してしまうのでした。
手持ちの食糧や水が無くなりそうになったり、急な雨に見舞われたり、滑落したり、もうハラハラドキドキの連続で、読む手を離せなくなるほどの展開です。
皆さんも、極限状態での山と対峙する、小学生たちの奮闘に心からのエールを送ってしまうはずです。
最後に、山も海も出てくる一冊を見つけました。
世界七大陸の最高峰を登頂した、著者の冒険の日々をつづった本。
高校二年生の時にインドを旅行した著者は、命の危機に遭いながらも、「世界を経験すること」にハマっていきます。
しかし、彼が旅に出るようになったきっかけが、「読書」というので、嬉しくなってしまいました。
「さまざまなジャンルの本と出会うなかで、描かれている風景を自分でも見てみたいと強く思うようになった」そうです。
今で言う、本で出会った大自然の聖地巡りでしょうか?スケールが壮大すぎます。
彼の聖地巡りは、アラスカの川下りから始まり、北米やアフリカの最高峰の山々、世界最高峰チョモランマなど、次々に登頂します。
それだけではありません。
POLE TO POLEという、北極点から南極点まで人力で踏破をしたり、
ミクロネシアに伝わる星の航海術を学ぶために、現地の伝統航海術師に弟子入りして、星だけを頼りに極限の航海に出かけたり・・・。
こんな人がいるのか?!と驚きの連続です。
しかし、自分にはできないからこそ、著者が書き残す一つ一つの言葉は、胸にせまるものがあります。
世界を経験することの厳しさと素晴らしさから、彼の人生観をまるごと感じとることができます。
図書館には、他にもたくさんの海や山の本があります。
図書館の本で、夏気分をぜひ味わってみてください。
紹介資料
『Surf Boys』(南田 幹太/著 PHP研究所 2021)
『うみのむこうは』(五味 太郎/作・画 絵本館 1979)
(キャロン・ブラウン/作, アリッサ・ナスナー/絵, 小松原 宏子/訳 しながわ水族館/監修 くもん出版 2020)
『山はしっている』
(リビー・ウォルデン/作, リチャード・ジョーンズ/絵, 横山 和江/訳 鈴木出版 2020)
『ぼくの仕事場は富士山です』(近藤 光一/著 講談社 2011年)
『生き抜け!』(山口 理/作,十々夜/絵 文研出版 2022)
『いま生きているという冒険』(石川 直樹/著, 100%ORANGE/装画・挿画 理論社 2006)
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