本のページがはずれたら…

2011年4月24日(日)|投稿者:kclスタッフ

図書館で借りた本を読んでいたら、

ページがぱらり…「はずれてしまった!」

という経験、ありませんか??

 

たくさんの方の手にとられ、繰り返し読まれる図書館の本。

みなさんが大切に読んでくださっても、

紙で出来ている以上、どうしても傷んでしまうものです。

 

図書館では、こういった本の「修理」もおこなっているのを

ご存知でしょうか?

 

 

たとえばこちら。

 

011

 

左側のページが、完全に はずれてしまっています。

(図書館の本では、比較的よくある傷み方です)

この修理には、製本用のボンドを使います。

 

専用ボンドとぼん

製本用ボンドと、ボンド用のヘラ

 

このボンドを、下の写真の黄色く示した部分

(ページが綴じられている、見開きの中心の線。

本の各部位の名称では、「のど」と呼ばれます)

に、細ーく塗ります。

0122

そして、離れたページを元の位置にしっかり挟み込み、

重しをして待つこと一晩。

ボンドが乾いたら、修理完了です!

013

綺麗にくっつきました!

 

製本の種類や痛みの程度にもよりますが、

多くの本は、このようにきちんと修理をすることで

またみなさんにお読みいただくことができるのです。

 

 

さて、ここでみなさまにお願いです。

紙を貼りつけるのに便利なセロハンテープですが、

本の修理には使いません

セロハンテープは、貼ってから時間が経つと、

粘着剤が変質して紙を汚したり、剥がれてきたりして、

長年保管・利用する図書館の本には、不向きだからです。

 

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貼って数年でこの変色…

013

10年も経つと、こんな色に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おうちで図書館の本のページが はずれたり、

やぶれたりしてしまっても、

セロハンテープは貼らないでください。

せっかく綺麗に直していただいても、

図書館ではそれを剥がして、今回紹介した製本用ボンド

安定した材料で作られた専用のテープで、

修理をし直しています。

 

図書館にあるたくさんの本を、可能な限り長く、

より多くのみなさまに提供できるように管理するのが

私たちの仕事です。

 

傷んだ本に出会ったら、どうぞそのまま

図書館までお持ちくださいね。

 

みなさまのご理解とご協力を、よろしくお願いいたします。

 

(ぐりこ)

カテゴリー:図書館豆知識
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“本のページがはずれたら…” への6件のフィードバック

  1. かずこ より:

    買ったばかりの本に湯のみたっぷり入ったお茶をひっくり返してしまい、
    すぐに一枚一枚押さえる様に水気を取りましたが、波打つようになり表紙も少し破れてしまいました。

    そこにセロハンテープを貼ってからネットで見たらセロハンテープは駄目との事、外そうとしましたが破れてしまいそうなので断念、取りあえずテッシュを挟んで重しをしました。少しでも復元 すればいいのですが……

    駄目元で検索したらアドバイスが載っていたので助かりました。

    有難うございました。

    • kcl より:

      かずこ様

      コメントありがとうございます。

      買ったばかりに本にお茶…。
      わたしも鞄の中で新しい本を濡らしたことがあります。
      本当にショックですよね…。

      すでにご覧いただいたかもしれませんが、濡れた本の修理の方法は、こちらの記事にて詳しく紹介しております。
      「本が濡れてしまったら…」
      http://kcl.kuwana-library.jp/blog/?p=11432

      波打つように乾いてしまった本は、もう一度湿度を加えると元に戻りやすくなります。
      浴室の湿気などで湿らせて、重しをして一晩乾かすと状態が緩和した、というスタッフもおります。

      現在の状態によっては難しいかもしれませんが、ご参考までにご紹介します。
      大切な本、少しでも綺麗に戻るといいですね。

      また本についてお困りのことがありましたら、お気軽に図書館へご相談くださいませ。

      ぐりこ

  2. きょこ より:

    本の修理方法についてヒントをありがとうございます!

    新潮文庫の「続あしながおじさん」を長年愛読しています。
    松本恵子さんの優雅な訳文が大好きで、大切に読んできたのですが
    そろそろ本に限界がきてしまいました。
    スタンダードなので普通に販売しているだろうと思っていたら、いつのまにか新訳に変更していて
    ネットで探すと新品はとても高額になっていました。
    在庫が残っていそうな本屋さんを探しつつ、がんばって修理してみます。

    • KCLスタッフ より:

      きょこ様

      コメントありがとうございます。
      思い入れの強い本は、ずっとお手元に置いておきたいお気持ち、よく分かります。
      スタッフブログが本の修理に少しでも役立ちましたら幸いです。
      修理で、ご不明な点がありましたらご相談ください。
      今後も、スタッフブログをよろしくお願いします。

      <くわにゃん>

  3. Mika より:

    子供の大切な図鑑がこちらの写真のようにページが外れてしまいセロテープをはりつけようと思い色々検索していたらこちらのページを見つけました。
    まだセロテープで修復しておらず、製本用のボンドを購入しようと思ったのですが、メーカーがわからず修復もとまった状態です。
    もしよろしければメーカーなども教えて頂けると幸いです。
    よろしくお願いします。

    • KCLスタッフ より:

      Mika様

      ブログをご覧いただき、ありがとうございます。ご返信が遅くなり申し訳ありません。
      使用しているメーカーにつきましては、ブログ内画像「製本用ボンドとボンド用のヘラ」でご紹介しているとおりです。(製品名をご紹介出来ず申し訳ありません)

      ブログ内では「製本用ボンド」を使用いたしましたが、本の修理は「でんぷんのり」を水で溶いたものでも可能です。
      この方法については、国立国会図書館が公開している「簡易補修テキスト」で詳しくご紹介されておりますので、よろしければご参照ください。

      https://www.ndl.go.jp/jp/preservation/pdf/training_text2_h28.pdf

      Mika様とお子様が大切にされている本が、元のとおりになることを願っております。

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