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イベント情報『ブックリサイクル開催します!』【中止】

2020年2月16日(日)|投稿者:kclスタッフ

【お知らせ】
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため中止とさせていただきます。ご理解・ご協力をお願いいたします。(※2020年2月27日追記)
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ブックリサイクルでは、桑名市立中央図書館で保存期間を過ぎた雑誌等を無料で配布いたします。

昨年のブックリサイクルの様子です。

日時:2020314日(土) 10:00~16:00

場所:くわなメディアライヴ2階 講習室

入場無料 

事前申込不要

お持ち帰り用の袋等は、各自でご持参ください。
より多くの方に配布するため、お1人様10冊までのお持ち帰りでお願いいたします。
皆様のご来場をお待ちしております。

※3/13(金)、14(土)は、2階講習室の学習席はご利用いただけません。

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「あいたいきもち」

2020年2月16日(日)|投稿者:kclスタッフ

会ひたくて 逢ひたくて 踏む 薄氷
『B面の夏』 黛 まどか/著 KADOKAWA 1994 より)

『B面の夏』黛 まどか/著 KADOKAWA 1994

 

こんにちは、「志るべ」です。
みなさま、いかがお過ごしですか。
寒い日がつづきますが、暦の上ではもう春。
冒頭の句も春の句で、季語は「薄氷」です。
『季語辞典』(関屋 淳子/文,山梨 勝弘/写真,富田 文雄/写真 パイインターナショナル 2012)には、薄氷」は「うすらい」と読み、春先に寒さが戻り、うすうすと張る氷のこと。「うすごおり」とも読む、とあります。

 

会いたくて薄氷にそっと足をのせる気持ち、わかります。
ですが、この句から「薄氷をバリバリ踏んで、会いたい(逢いたい)人に会いに(逢いに)行く!」という勇ましい気持ちを読みとる女子高生がいるとか・・・
たのもしい限りです。

 

そもそも「会う」と「逢う」はどう違うのでしょう?
『漢字の使い分けときあかし辞典』(円満字 二郎/著 研究社 2016)によると、「会う」は、人が集まって話などをすること。「人と人とが面と向かって話などをする」場合に用いられる、とあります。
「逢う」は、漢詩では、旅の途中でたまたま一緒になってまた別れる、というような使い方が多く、「一緒にいる時間が貴重である」というニュアンスを持ち、「あう」ことの貴重さに重点を置きたい場合に用いるのがふさわしい、とあります。
「逢瀬」という言葉もありますが、「逢う」には、大切で、何か特別な意味合いが込められているようですね。

 

いずれにしても「あいたいきもち」には正直に、(「そっと」それとも「バリバリ」?)薄氷を踏んで会いに(逢いに)行った方がいいのかもしれません。
春は一歩を踏み出すのにふさわしい季節です。

 

もちろん「あいたい」対象は人ばかりではありません。
野の花に魅せられて、野の花に逢いたくて、世界を旅した人がいます。
『野の花に逢いたくて フランス旅日記』(高橋 永順/写真と文 冬樹社 1989)

 

高橋永順さんは、写真家でフラワーアーティスト。
この本には、フランス各地で出会った野の花の写真と、旅先でのできごとを綴った文章が収められています。
花教室も開設している永順さんの花選びの基本は、「今日はこれをいけたい!」とまっすぐに心に飛びこんで来る花を選ぶこと」『永順花のレッスン』 高橋 永順/著 文化出版局 1988より)だそうです。

 

野生動物に会いたくて日本中を駆け巡った人もいます。
『野生動物に会いたくて』(増井 光子/著 八坂書房 1996)

『野生動物に会いたくて』増井 光子/著 八坂書房 1996

 

増井光子さんは獣医学博士で、上野動物園の園長もされた方です。
野生動物はどんな風に暮らしているのだろう?その生態に興味を抱いて日本中を巡りました。
動物の定点観察というのは、興味のない人にはなんとも退屈なものです。じっと座ってただひたすら動物が現われるのを待っているだけなのですから。でも私は、いつか現われるだろう相手のことを思いつつ待っている、その時間が好きです。・・・と語っています。
「あいたいきもち」は、待つ時間も楽しい時間へと変えてくれるようです。

 

ペンギンたちに会いたくて、南極まで行った人もいます。
『ペンギンたちに会いたくて わたしの南極研究記』(加藤 明子/著 くもん出版 2009)

『ペンギンたちに会いたくて わたしの南極研究記』加藤 明子/著 くもん出版 2009

 

加藤明子さんは、南極鳥類研究者で、日本女性で初めて南極観測の外国隊に参加されました。
オーストラリア南極観測隊、フランス南極観測隊、そして日本南極観測隊とともに、計4回にわたり南極の海鳥類の調査にあたっています。ペンギンの背中に「データロガー」という小さな電子記録計を取りつけることで、ペンギンの生態をくわしく調査しました。
ちなみに、氷山は南極大陸に積もった雪がかたまってできた氷が流れ出したものなので、なめてもしょっぱくないそうです。
光の具合によって空色に見えたり、深い藍色に見えたり、深緑色に見えることもあり、夕日にあたるとピンク色や紫色に見えます。なんとも美しく、なんとも不思議な景色でした、と語られています。

 

「あいたいきもち」を抱くのは、人間だけとはかぎりません。
ケムシにあいたくてたまらないオオカミもいました。ただし、これは絵本の中のおはなしです。
『あいたくてあいたくて』(みやにし たつや/作・絵 女子パウロ会 2017)

『あいたくてあいたくて』 みやにし たつや/作・絵 女子パウロ会 2017

 

嫌われもののオオカミは、ひとりぼっちのケムシと大のなかよしになりました。いつも一緒のふたりでしたが、ある日突然、ケムシはオオカミの前から姿を消してしまいます。ケムシにあいたくてあいたくてたまらないオオカミは、クリスマスの前の日、ツリーをつくって夜空に祈ります。
「ケムシに あいたくて あいたくて・・・・・
どうぞ ケムシに あわせてください・・・・・」
オオカミの「あいたいきもち」は通じるのでしょうか。

 

けれど、いつも「あいたい」なにかがはっきりしているわけではありません。
誰にあいたいのか、何にあいたいのかわからない・・・
そんな気持ちになること、ありませんか?
自分でもよくわからない「あいたいきもち」を、工藤直子さんが詩に書いています。

 

『あいたくて』工藤 直子/著,佐野 洋子/画 大日本図書 1991

だれかに あいたくて
なにかに あいたくて
生まれてきた―
そんな気がするのだけれど

 

それが だれなのか なになのか
あえるのは いつなのか―
おつかいのとちゅうで
迷ってしまった子どもみたい
とほうにくれている

 

それでも 手のなかに
みえないことづけを
にぎりしめているような気がするから
それを手わたさなくちゃ
だから

 

あいたくて
『あいたくて』 工藤 直子/著,佐野 洋子/画 大日本図書 1991より)

 

工藤さんは、あとがきにこう綴っています。
迷子の気分は、じつはすきです。とても、なにかに「あいたく」なるから。そして「あえてうれしい」から、と。
やはり「あいたいきもち」は、人に力を与えてくれるようです。

 

「あいたいきもち」にまっすぐ向かっている人はもちろん、迷子になってしまった人のためにこそあるのが図書館です。
「あいたい」なにかがみつかるかもしれません。
図書館は迷子の「志るべ」なのですから。

 

<引用・参考資料>
『B面の夏』 黛 まどか/著 KADOKAWA 1994 911.3マ(書庫)
『季語辞典』 関屋 淳子/文,山梨 勝弘/写真,富田 文雄/写真 パイインターナショナル 2012 911.3キ(一般)
『漢字の使い分けときあかし辞典』 円満字 二郎/著 研究社 2016 R811.2エ(調べる)
『野の花に逢いたくて フランス旅日記』 高橋 永順/写真と文 冬樹社 1989 293タ(書庫)
『永順花のレッスン』 高橋 永順/著 文化出版局 1988 793タ(書庫)
『野生動物に会いたくて』 増井 光子/著 八坂書房 1996 482.1マ(書庫)
『ペンギンたちに会いたくて わたしの南極研究記』 加藤 明子/著 くもん出版 2009 488カ(児童)
『あいたくてあいたくて』 みやにし たつや/作・絵 女子パウロ会 2017 Eミ(児童)
『あいたくて』 工藤 直子/著,佐野 洋子/画 大日本図書 1991 Y911ク(ティーン)

 

<志るべ>

 

 

 

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イベント情報『「ブックコート講習会」を開催します』

2020年1月20日(月)|投稿者:kclスタッフ

※申込受付は終了いたしました。
 お申込みいただき、ありがとうございました。(2/15更新)

日 時|2020年2月23日() 14:00~15:00
場 所|桑名市立中央図書館 4F 研修室2
定 員|10名  ※申込多数の場合は抽選となり、結果は後日ご連絡いたします
対 象|中学生以上の方
材料費|300円
持ち物|ブックコートしたい本2冊まで(A4サイズまで 約30×22cm)
※厚みのない本、雑誌、布製、装丁の凝っている本などは、コーティングが困難なため、ご遠慮ください。

 

申込方法|桑名市立中央図書館窓口、または電話で受付
申込期間|2019年2月7日(金) 10:00~2月14日(金) 17:00

 

自分の本を図書館の本のように透明フィルムでコーティングします。
コーティングすることによって傷や汚れ、色褪せなどを防ぐことができます。

 

お気に入りの本や、長く保存したい本を、コーティングしてみませんか?
皆様のご参加をお待ちしています。

 

昨年の「ブックコート講習会」の様子はこちらからご覧ください。

 

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第23回「図書館を使った調べる学習コンクール」の 受賞作品

2020年1月20日(月)|投稿者:kclスタッフ

第23回「図書館を使った調べる学習コンクール」(公益財団法人 図書館振興財団)の 受賞作品が決定いたしました!

応募作品総数は、116,554作品!

桑名市からは第15回「桑名市図書館を使った調べる学習コンクール」にて最優秀賞・優秀賞に輝いた6作品を出品し、以下の皆さんが各賞を受賞されました。

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奨励賞:2作品(2名)

 

「石って不思議でおもしろい!」
中村 里穂さん(桑名市立益世小学校 5年)

 

「食茶研究部へようこそ!!」
川上 友鶴さん(桑名市立益世小学校 6年)

 

佳作:4作品(4名)

 

「大すき!!アカハライモリ」
小木曽 奨真さん(桑名市立益世小学校 2年)

 

「空の王者 ハクトウワシ」
稲森 知洋さん(桑名市立星見が丘小学校 3年)

 

「身近だけど奥深い セミのふしぎ」
植田 大智さん(桑名市立大山田北小学校 4年)

 

「花実兼備な勇士 本多 忠勝」
村部 由朔さん(桑名市立大山田北小学校 6年)

 

 

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受賞されたみなさん、おめでとうございます。
「図書館を使った調べる学習コンクール」の作品は、近年全国的に応募数が増加し、内容のレベルもどんどん高くなっているようです。
どの作品も、みなさんが日常の中で興味・関心を持ったことを丁寧に、そして面白くまとめた作品となっています。

これからも、図書館はみなさんの調べる学習を応援・サポートいたしますので、ぜひ調べる学習コンクールの作品づくりに挑戦してみてください。

 

あけましておめでとうございます

2020年1月4日(土)|投稿者:kclスタッフ

新年あけましておめでとうございます。
本年も桑名市立中央図書館と「ブックとラック」をよろしくお願いします。
中央図書館は、本日1月4日より開館しています。

 

 

毎年恒例、図書館入り口の干支飾りが今年も新しくなりました。
今年の干支は、

「子」

 

 

 

十二支の始まりである「子」の年は、可愛いネズミ達がみなさまをお迎えします。
本の周りをクルクルと駆けるネズミ達。
その頭上には、色とりどりの星が輝いています。

 

何気なく使っている干支ですが、年を表す以外にも生活の様々な場所で使われていることをご存じでしょうか?

 

「干支」は、木火土金水の五行をそれぞれ「え」と「と」に分けて「十干」に配し、「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)…」としたものに、「十二支」を順番に組み合わせて、「甲子」から「癸亥」まで60通りの組み合わせを作り、年月日や時刻・方位をなどを表しています。

十干・十二支表(PDF)

 

方位・時刻表

「子の刻」であれば午前0時頃。
「子午線」は天の北極~天頂~南極を結ぶ天球上の大円のこと。
桑名藩が深く関わった「戊辰戦争」の「戊辰」も、戊辰の年(1868)に起きた戦争であることからそう呼ばれます。

 

また、十二支の起源は、「神様が期日を定めて動物たちを呼び集めて十二支を決めた」という話が伝わります。

「牛は足が遅いので早く出かけた。ネズミは牛の背中に乗って行き、神様の前に最初に飛び出して子、丑の順となった」という話が代表的です。
しかし、少し調べてみると「猫が入らなかったのは、ネズミに騙されたから」「元は十支の予定で門を閉めたが、猪が突進して門を破り、その穴から先に犬が飛び込み、最後に猪が入って十二支となった」など、時代や地域によって異なる面白い話がありました。

何気なく使っている「干支」や「十二支」ですが、その由来や仕組みをこの機会に調べてみるのはいかがでしょうか。

 

 

そして、今年中央図書館が掲げる四字熟語は、

 

 

「博学篤志」(はくがくとくし)

意味は、幅広く学んで知識を増やし、熱意をもって学問に励むこと。
「博(ひろ)く学び篤(あつ)く志す」と訓読し、学問をする者の心構えについて述べた言葉です。

「生涯学習」という言葉があるように、学問に励むことに期限はありません。
学校や仕事で必要なこと、興味のあること、どんなことでも「博く学ぶ」みなさまのお手伝いが出来る図書館であるように、スタッフ一同励んでまいります。
これからも、桑名市立中央図書館をよろしくお願いいたします。

 

 

【参考資料】
『日本史年表・地図 第25版』 児玉 幸多/編 吉川弘文館 2019
『日本昔話事典』稲田 浩二/[ほか]編 弘文堂 1978
『日本国語大辞典 第5巻 けんえ-さこい 第2版』小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001
『日本国語大辞典 第9巻 ちゆうひ-とん 第2版』小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001
『四字熟語・成句辞典』 竹田 晃/著 講談社 1990
『用例でわかる四字熟語辞典』 学研辞典編集部/編 学研 2005
『中国古典選5 論語 下』 吉川 幸次郎/著 朝日新聞社 1978
『論語』 孔子/著 金谷 治/訳注 岩波書店 1982

 

<かぶら>

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