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KCLスタッフブログ ~ブックとラック~

2017年1月5日(木)PM12:21|投稿者:KCLスタッフ

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
「志るべ」です。
「ブックとラック」では、今年も図書館や桑名の情報をお届けしていきたいと思っております。
ちょっと一息入れたい時にお立ち寄りいただければ幸いです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

みなさま、お正月はいかがお過ごしでしたか。
あっという間にお休みは過ぎ、図書館も新しい一年がスタートしました。
恒例となりましたスタッフ制作の干支と四字熟語が、図書館入口でみなさまのお越しをお待ちしております。

 

さて、今年の干支は「酉」です。

図書館スタッフ作成

「名は体を現す」と言いますが、その名も「オナガドリ」

この鶏のモデルとなっているのは、国の特別天然記念物「土佐のオナガドリ」です。
ご覧の通り、とてもながーーーーい尾を持っています。
尾羽の長さは約5メートルくらいで、長いものになると10メートルを超えるものもあるそうです。
長い尾や骨格、羽のふんわりした感じをマスキングテープだけで表現しています。 ガラスを通して光が入ることも考慮された作品で、ステンドグラスのようですね。

 

この尾羽、そもそもどうしてこんなに長いのでしょう。
『鶏 (NHK美の壺)』という本を読んでみましょう。

 

起源は明暦年間(1655~1658)に遡る。土佐国大篠村(現・高知県南国市)に住む武市利右衛門が飼っていた「小国(しょうこく)」という品種の鶏に尾羽が生え変わらない雄を見つけた。鶏は普通、年に一回、羽が生え変わるが、利右衛門の小国のなかに尾羽が抜けずにどんどん伸びる性質の鶏がいたのである。
この珍しい鶏の尾羽がさっそく土佐藩に献上され、大名行列の先頭で振られる毛槍(けやり)に用いられた。

 

この毛槍は「鳥毛(とりげ)」と呼ばれ、他藩の羨望の的となったようです。 それにしてもこれほど長い尾羽を保つのは、さぞやたいへんなのではないでしょうか。
つづきを読んでみましょう。

 

飛躍的に尾羽が伸びたのは、大正時代に「留箱(とめばこ)」と呼ばれる飼育箱が開発されてからのことだ。この箱は一羽ごとのスペースを確保し、尾羽が傷ついたり抜けたりしないように、活動を抑制して飼育するものである。運動のために外に出すときは、飼い主が尾羽を手に持って鶏の後をついて歩くのだ。

 

散歩するのにお付きを従える鶏がいるとは、驚きです。 天然記念物に指定されている鶏は16種類ありますが、特別天然記念物は「土佐のオナガドリ」だけというのも納得できますね。

 

そういえば「百人一首」の中にも尾の長い鳥を詠んだ歌があったはず・・・
確か「なんとかの 山鳥の尾の しだり尾の・・・」というような・・・
誰が詠んだ歌でしょう?
こんな時、頼りになるのが図書館です。 4階「調べるための本」のコーナーに和歌を調べる本があります。

 

一つは、『新編国歌大観
黒い装丁の分厚い本で、歌集別で10巻に編集されています。各巻は「索引」と「歌集」の2冊に分かれ、全20冊という大部に及びます。「万葉集」から近世に至るまでの和歌を網羅し、歌の各句から検索できるという優れものです。ただし、全巻にわたる索引がありません。そのため調べたい歌がどの歌集に収められているかわからない場合、各巻の索引を順に繰っていくことになります。

 

もう一つは、『校註国歌大系
こちらも歌集23巻と索引5巻で全28冊と大部です。索引は全巻にわたりますが、検索できるのは原則、歌の第一句と第三句からになります。

 

他にはインターネットで調べることができる和歌のデータベースがあります。国文学研究資料館が「古典選集本文データベース」、国際日本文化研究センターが「和歌データベース」を提供しています。ただし検索の言葉にはお気をつけください。「山鳥の尾の」の歌の場合、「やまどり」ではみつからず「やまとり」でヒットするなど、言葉の選び方により検索結果が違ってくるようです。いろいろな言葉をお試しいただくとよいでしょう。

 

ちなみに「山鳥の尾の」の歌は、作者が柿本人麻呂で、拾遺和歌集に収められていることがわかりました。 全文は以下のとおりです。

 

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

 

夜の時間の長さを長く垂れた山鳥の尾を通して、具象的・視覚的に表現している」(『百人一首の手帖』p7)とあります。なおこの山鳥はキジ科の雄鳥で、オナガドリにはかないませんが、尾の長さは125センチメートルに及ぶそうです。

 

もう一つみなさまをお迎えするもの、今年の四字熟語は、

「読書百遍」

図書館スタッフ作成

今年一年、この言葉でお迎えいたします。

新明解故事ことわざ辞典』によりますと、

 

どんなに難しい書物でも、繰り返し繰り返し読んでいれば、意味は自然とわかるようになる。「読書百遍意自ずから通ず」ともいう。魏の学者董遇(とうぐう) に弟子入りを申し込んだ者に言ったことば。

 

とあります。
中国の歴史書『三国志』の「魏書 王朗伝付王粛・孫叔然伝」(『世界古典文学全集 24A』所収)を出典としています。 『三国志』は中国の歴代正史の一つで、三国時代(魏・呉・蜀)の歴史を記した書物です。
原文ではこう書かれています。

 

讀書百徧而義自見

訳文では、

読書百遍すれば意義は自然と理解される(『世界古典文学全集 24A』所収)

 

とあります。
そういえばよく映画やドラマの時代劇に、幼い子どもが「し いわく まなびて ときに これを ならう ・・・」と繰り返し暗唱している姿が登場しますね。日本でも漢文の勉強は、まず「素読」でした。 忙しい現代では「読書百遍」の精神を実践することは難しくなっていますが、すぐに答えを教えてもらうのではなく、時にはじっくり読んでじっくり調べる時間を持つことも大切なのかもしれませんね。
そんな時にこそ図書館をご利用ください。
そして疲れた時には、このコーナー「ブックとラック」で一息入れていただきますように。
オナガドリの尾のように、末長くよろしくお願いいたします。

 

<引用・参考資料>
鶏 (NHK美の壺)』 NHK「美の壺」制作班/編 日本放送出版協会 2009 646.1ニ
ニワトリ』 高岡 一弥/アートディレクション,久留 幸子/写真 ピエ・ブックス 2004 646.1ニ
新編国歌大観』 第1~10巻(各巻が歌集、索引の2冊に分かれ全20冊)  角川書店 1983~1992 R911.1シ
校註国歌大系』 第1~28巻(歌集23巻、索引5巻) 講談社 1976 R911.1コ1~28
百人一首の手帖』 尚学図書・言語研究所/編 小学館 1989 911.1ヒ
百人一首 (新潮古典文学アルバム 11)』 新潮社 1990 911.1イ
馬場あき子の「百人一首」』 馬場 あき子/著 NHK出版 2016 911.1バ
新明解故事ことわざ辞典』 三省堂編修所/編 三省堂 2001.11 R813.4シ
世界古典文学全集 24A 三国志』 筑摩書房 1982 Z908セ24
集英社世界文学大事典 2』 集英社 1997 R903.3シ2

<志るべ>

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2016年12月19日(月)PM3:41|投稿者:KCLスタッフ

年末年始の休館と貸出期間延長のお知らせ

「ブックとラック」をご覧のみなさま、こんにちは。平八郎です。桑名市立中央図書館の年末年始休館と、貸出期間延長のご案内です。

桑名市立中央図書館の休館期間と貸出の延長は以下の通りです。

【休館期間】
12月28日(水)~1月4日(水)

【図書・雑誌の延長】
12月15日(木)~12月27日(火)の貸出……3週間の貸出

【CD・DVDの延長】
12月22日(木)~12月27日(火)の貸出……2週間の貸出

※桑名市外から取り寄せた図書は、貸出期間が異なります。

※休館の間も、1階の返却ポストはご利用いただけます・

ただし、CD、DVD、大型絵本・大型紙芝居、ゆめはま文庫、桑名市外から取り寄せた図書は開館日にカウンターへお持ちください。

通常よりも一週間長い貸出が可能です。長編小説を通して読んでみたり、時間がなくて後回しにしていた本を貸りてみてはいかがでしょうか。
どれを読もうか迷う……という時は、話題の本を集めたベストセラーコーナーや、各特集コーナーをご覧ください。

今年も図書館をご利用いただき、ありがとうございました。
2017年も桑名市立中央図書館をご利用・ご活用いただきますようよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください。

 

< 平八郎 >

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2016年10月24日(月)PM4:11|投稿者:KCLスタッフ

「桑名の打毬戯(だきゅうぎ)」をご存じですか?

こんにちは、「志るべ」です。
すっかり秋も深まってまいりました。
おいしいものの誘惑が多い季節ですが、スポーツの秋でもありますよね。
秋の味覚をたっぷりいただいた後には、しっかり身体を動かしたいものです。

 

スポーツといえば、桑名に伝統的スポーツ(競技)が残されていることをご存じでしょうか。
「打毬戯(だきゅうぎ)」といわれる競技で、江戸時代に桑名の藩校「立教館」で行われていました。
寛政の改革で有名な松平定信が白河(福島県白河市)藩主であったころ、藩校立教館に打毬を取り入れています。
『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』という江戸時代の書物(序文:文政13年)には、次のように記されています。

 

打毬の戯は昔江戸にて行れたりと云ふ今は奥州白川の諸士集て赤白の毬を打小門を設て打入先後相争て勝負を極む(後略)

 

文政6年の国替えにより、立教館とともに「打毬の戯」も白河から桑名へ移りました。
以前のブログ「渡部家の交換日記」でご紹介しました『桑名日記』には、孫の鐐之助が「だきうのまねする」(天保12年11月29日)という記述があります。
幼い鐐之助は石取祭だけでなく、打毬もまねして遊びに取り入れていたのですね。

 

明治以降は私塾を経て、立教小学校へと受け継がれていきました。戦争により中断を余儀なくされますが、昭和53年楽翁公150年記念大祭を機に復活しました。昭和55年からは立教地区大運動会(小学校と地区自治会により共同開催される運動会で、現在の立教大運動会)の中で行われています。
今年も10月2日、立教小学校において開催されました。

 

ではいったい「打毬戯」とはどんな競技なのでしょう?
『日本こどものあそび大図鑑』の「打毬」の項には次のように書かれています。

 

中国から伝わったポロのような球技。平安時代に宮中行事としておこなわれ、江戸時代に復興された。(中略)2組に分かれた騎馬(古代には馬に乗らない徒歩打毬もあった)の武士が、紅白の毬を毬杖(ぎっちょう)ですくい取り、毬門に投げ入れたほうが勝ち。後に子供がこれをまねして毬を打ち合う遊びができ、毬打(ぎっちょう)といった。

 

「桑名の打毬戯」はどうでしょうか?
復活にあたり、安全面に配慮しつつ伝統の競技を残す方法が考えられました。
現在は保存会のメンバーの指導のもと、立教小学校の5・6年生により行われています。
剣道着に襷(たすき)、はちまき、大将は陣羽織を身につけて、白い旗を掲げた「白虎隊」と赤い旗の「朱雀隊」に分かれて戦います。

白チーム「白虎隊」の旗。

白チーム「白虎隊」の旗。

赤チーム「朱雀隊」の旗。

赤チーム「朱雀隊」の旗。

競技は三種類に分かれています。
一つ目は、毬を打棒で相手ゴールに打ち込む「打毬」の競技。
大将がひとりひとりに采配を振って「打て」と命じ、それによって毬が打ち込まれます。
毬が入ると、それぞれ陣鉦(じんがね)、陣太鼓(じんだいこ)を鳴らします。「白虎隊」のゴール。陣鉦が吊るされています。

「白虎隊」のゴール。陣鉦が吊るされています。

「朱雀隊」のゴール。陣太鼓が吊るされています。

「朱雀隊」のゴール。陣太鼓が吊るされています。

二つ目は、毬を手で相手ゴールに投げ込む「玉入れ」のような競技。
線上に並べられた毬を手でつかんで相手ゴールに投げ入れます。

一列に並んだ毬を相手ゴールに投げ入れます。

一列に並んだ毬を相手ゴールに投げ入れます。

三つ目は、腕組をして枠内から相手を押し出す「押し合い」の競技。
以前は襷(たすき)の奪い合いなどがありましたが、安全面に配慮して、腕は身体の前で組んで手や足は出さないというルールに変更されています。

 

これら三種類の競技の得点を合計して勝敗が決まります。
今年は赤の朱雀隊の勝利となりました。
負けた隊は降参の意を示し、副将の「兵器はずせ」の号令で、旗を降ろし、襷(たすき)やはちまきをはずし、参謀と曹長はそれらを相手方に差し出します。

旗を地面に置きます。

旗を地面に置きます。

 

襷、はちまき、大将の陣羽織などをかごへ入れます。

襷、はちまき、大将の陣羽織などをかごへ入れます。

差し出す際には決まったセリフがかわされます。

 

負 「そまつな品だが受け取れ」
勝 「負けたのに言葉が悪い。もう一度出直して来い」
負 「大切な武器だが、負けてやったから渡しに来た」
勝 「まだ言葉が気に入らん。どうぞお受け取りくださいと言え」
負 「どうぞ受け取ってください」
勝 「よし。受け取ってやる」

 

この負け惜しみの言葉には、見学の人々から笑いがこぼれていました。
それぞれの役割には決まった言い回しがあり、口上やセリフを覚えるのはたいへんなのではないでしょうか。
勝った隊は副将の「ひーのふーの」という声に合わせ、全員で「うぉーい」と声をあげながら、ひざまづいている相手方の回りを一周して退場します。その後、負けた隊も立ち上がり無言で退場します。
古式ゆかしいルール(安全面を配慮した上で)によって繰り広げられた戦いは終了しました。

 

遠方から、桑名の打毬戯の調査に図書館へ来られる方もいらっしゃいます。
その際に、鹿児島には「ハマ」と呼ばれる円盤を棒で打ち合う「ハマ投げ」という打毬があることをお聞きました。
打毬にもいろいろな形があるのですね

 

 

桑名の打毬戯は地域参加の運動会で行われ、保存会を初め地域の人々の想いが受け継がれた競技といえます。
図書館では「桑名の打毬戯」を映したDVDを館内で視聴していただくことができます。
ぜひ一度、桑名独自の打毬戯をご覧ください。

 

<引用・参考資料>
嬉遊笑覧(序文:文政13年)』 喜多村 信節/著 緑圓書房 1958 031キ(書庫)
桑名日記 2』 渡部 平太夫政通/著, 澤下 春男/訳 ぎょうせい 1984 AL221ワ(桑名三重)
日本こどものあそび大図鑑』 笹間 良彦/著画 遊子館 2005 R384.5サ(調べる)
日本遊戯史』 酒井 欣/著 第一書房 1983 384.8サ(歴史の蔵)
三重県の祭り・行事』 三重県教育委員会 1997 AL386ミ(桑名三重)
打毬戯』 打毬戯保存会 1989 L783タ(歴史の蔵)
立教百年誌』 立教開校百年記念会 1973 L376ク(歴史の蔵)
打毬戯(DVD)』 桑名市教育委員会 (館内視聴)

<志るべ>

2016年9月24日(土)PM7:01|投稿者:KCLスタッフ

図書館で本を探すには?~応用編2 児童コーナー~

桑名市立中央図書館スタッフブログ「ブックとラック」をご覧のみなさま、こんにちは。

町を歩くと、トンボが飛びはじめていて秋のおとずれを感じています。
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以前のブログ「図書館で本を探すには!~応用編1~」(クリックをすると、該当のページが開きます)では、一般書コーナーをご紹介いたしました。
今回は、応用編その2 児童コーナーです。
こちらの案内図をごらんください。

 

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クリックすると拡大します(水色、青などの印は、本の背に貼っているシールです)

 

館内で配布している児童コーナーの案内図を、「所蔵場所」別に色分けしたものです。

■児童:黄色

■紙芝居:灰色

■児童研究:緑色

■児童新刊:紫色

■児童特集:青色
ティーンズ・特集・新刊:オレンジ色

このように、児童コーナーには、6つの「所蔵場所」があります。

児童新刊、ティーンズ新刊コーナーには、毎週土曜日に新しい本が並びます。
ぜひご利用ください。

それぞれのコーナーについて、詳しく説明いたします!

illust3762

■「所蔵場所:児童」
えほん(棚番号⑩~⑫、壁面の棚)・おはなしの本(棚番号⑬~⑯)・調べるための本(棚番号①~⑧)があります。

◎えほん(棚番号⑩~⑫)
 えほんは、上段は日本のもの、下段は外国のものに分かれていて、絵を描いた人の50音順で並んでいます。

以下は、対象年齢やジャンルで置き場所を変えていますので、お子さまの興味のある棚をご利用ください。

0・1・2歳からのえほん(おはなし室の窓際) 別置:KA
本の背に、ピンク色のシールが貼ってあります。
靴を脱いで、座れる場所です。

小さなお子さんとご一緒に、お気に入りのえほんをお探しくださいね。

○のりものえほん(棚⑩~⑬前の窓際) 別置:KN
本の背に、
青色のシールが貼ってあります。
自動車・電車・飛行機・・・
のりものに興味が出てきたら、ぜひこちらの棚へ。

○ちしきのえほん(棚⑭~⑯前の窓際)
別置:KT
本の背に、水色のシール貼ってあります。
伝記や、動物、からだの本など、やさしいことばや絵でわかりやすく解説してくれるえほんのコーナーです。
小学生にも人気です。

○むかしばなし(えほん、児童書)(棚番号⑫) 別置:KM
の昔話は、本の背に赤色のシール世界の昔話は茶色のシールが貼ってあります。

世界の昔話にはアンデルセン、イソップ、グリム、ペローの童話もそろっています。

○外国語で書かれたえほん(棚番号⑧)
英語、ドイツ語、フランス語、中国語etc・・・。
日本語の文章と、外国語の文章を比べて読んでみてはいかがですか??

◎おはなしの本(棚番号⑬~⑯)
日本のおはなしや、世界のおはなしが幅広くそろう、人気の棚です。
子どもの頃に読んだおはなしを、年齢を重ねてから再読すると、また違った魅力がみえてきます。大人の方でも楽しめる棚です。
日本の古典・能・狂言・落語棚番号⑬(別置:KK)に。
古典・能・狂言の資料は、本の背に〔古〕シール、落語の資料は〔落〕シールが貼ってあります。

◎調べるための本(棚番号①~⑧)
調べるための本が、ジャンルごとに並んでいます。
棚番号①には、百科事典や、図鑑があります。基礎知識をつけるために、まずはこの棚の本を開いてみてください。桑名や三重県について書かれている子どものための郷土資料コーナー(別置:YL)もこちらです。

◎全集・コミック(3階南側閲覧席付近の棚) 別置:KZ,YC
南側閲覧席の窓際には、全集・コミックがあります。

illust3762

■「所蔵場所:紙芝居」
むかしばなしや物語はもちろん、ハミガキなどの躾(しつけ)・乗り物・自然・戦争・行事など、各ジャンルに分かれています。大人の方に楽しんでいただけるものもあります。

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■「所蔵場所:児童研究」(棚番号⑧) 別置:KQ
児童研究には、絵本のブックガイドや、児童書や読書に関する研究書があります。
もっと絵本のことを知りたい!という方、はじめて読み聞かせをする方は、まず児童書研究のコーナーへお越しください。
本を紹介するブックトークや、物語を語り聞かせるストーリーテリングなどについて詳しく解説された本もあります。

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■「所蔵場所:児童特集」(児童新刊コーナー横)
1年に何回かテーマを変えて、おすすめの本を集めています。行事に関するミニ特集もご利用ください。
illust3762

■「所蔵場所:ティーンズ・特集・新刊」(棚番号⑨、⑯) 別置:Y
10代の方向けのコーナーです。
一般書より、やさしく書かれた本が多いです。
勉強に役立つ本、青春真っ只中の小説や、部活に役立つ本など、たくさん並んでいます。
ぜひ立ち寄ってみてください。

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※番外編 ~雑誌~

児童コーナーにも、雑誌があることをご存知でしょうか??

0・1・2歳からのえほん
の棚には
「こどものとも 0.1.2」「こどものとも年少版」「こどものとも年中向き」「こどものとも」

ちしきのえほん棚には
「子供の科学」「NEWSがわかる」「たくさんのふしぎ」「かがくのとも」「おひさま」

児童書研究の棚には
「MOE」「この本読んで!」

ティーンズの棚には
「Seventeen」

どの雑誌も、最新号は館内閲覧をお願いしていますが、バックナンバーは貸出できます。

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児童コーナーには、乳幼児から大人の方まで、人生を豊かにする本が手に取って読んでいただけるのを待っています。
あなたにたくさんの素敵な本との出会いがありますように☆

 

くわにゃん

 

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2016年8月5日(金)PM4:13|投稿者:KCLスタッフ

渡部家の交換日記 ~『桑名日記』と『柏崎日記』

こんにちは、「志るべ」です。
桑名の夏といえば、鉦(かね)と太鼓の音で、熱く盛り上がる「石取祭」。
桑名人の「石取祭」に対する想いには、並々ならぬものがあります。
今から170年ほど前、江戸時代(天保の頃)の桑名にも、「石取祭」に夢中なひとりの男の子がおりました。

 

男の子の名前は、渡部鐐之助(わたなべりょうのすけ)
天保7年(1836)生まれで、桑名の矢田河原庚申堂北(やだかわらこうしんどうきた)に祖父母と暮らしておりました。
天保10年(1839)の夏、数えで4才の鐐之助は石取祭に連れて行ってもらい、家に帰ってからも、「じきじんじきじん、がんががつちきちん」と騒いでいます。
どうしてそんなことがわかるのかと言いますと『桑名日記』という日記に書き残されているからです。

 

書き記したのは、鐐之助の祖父、渡部平太夫政通(わたなべへいだゆうまさみち)
平太夫は桑名藩(久松松平家)に仕え、御蔵役人の仕事をしていました。
とても筆まめな人で、日記は天保10年(1839)2月24日~ 嘉永元年(1848)3月4日のおよそ10年間書き続けられました。
亡くなる3日前まで筆を手にしていたのです。

 

いったいどうして平太夫はこんなにも熱心に日記を書き続けたのでしょう?

平太夫は、桑名藩士片山家の次男として生まれ、跡継ぎのいなかった渡部家に養子に入りました。
その後、平太夫の跡を継ぐ男子がいなかったため、 実家の片山家から甥の勝之助を養子に迎えました。
この勝之助の長男が、「石取祭」の大好きな鐐之助です。

 

鐐之助は両親の元で育てられていました。
ところが、天保10年(1839)の御役替で 、勝之助は柏崎(現在の新潟県柏崎市)への異動を告げられます。
当時柏崎には桑名藩の飛び領地があり、転勤を命じられたのです。
冬は寒く、桑名から遠く離れた柏崎への転勤は勝之助夫妻にとって大変なことでした。
何よりつらいのは、渡部家の跡継ぎである鐐之助を桑名の平太夫夫妻に預けて行かねばならないことでした。

 

鐐之助の祖父平太夫は、幼いわが子と離れて暮らす息子夫婦のために、鐐之助の日常や 桑名のできごとを書き記しました。これが『桑名日記』です。
一方、勝之助も平太夫に命じられ、鐐之助の妹や弟の成長ぶりや越後の暮らしなどを綴りました。
これが、『柏崎日記』です。
書き溜められた互いの日記は、桑名と柏崎を行き来する藩の使いの人に託して、届けられました。
こうして渡部家の交換日記が始まったのです。

 

渡部家の人はもちろん、近所の人たちも、日記が届くのを楽しみに待ちました。
実際に『桑名日記』を読み始めますと、その登場人物の多さに驚きます。
おこん、おなか、しんやしきのおばば、おきんさ、留五郎・・・
人の出入りがとても多いのです。
地域の結びつきが、密接であった様子が感じられます。
平太夫は、鐐之助を「鐐こ」と呼び、とてもかわいがっていますが、 「鐐こ」は、家族だけでなく親戚、近所の人などたくさんの人たちに、愛されて育っていることがよくわかります。

 

『桑名日記』は鐐之助の育児日記といってもいいくらい、鐐之助の日常が記されています。
それだけでなく、 毎日の天気や桑名城下のできごと、町の噂話など、話題は豊富です。
桑名を知る郷土史料としてはもちろん、 幕末の社会情勢や藩政、当時の風俗・習慣、教育などを知ることができる、 貴重な史料といえます。

 

「自筆本桑名日記」4冊と「自筆本柏崎日記」3冊(桑名市博物館蔵)は、 三重県の有形民俗文化財に指定されています。

kuwananikki

Aが『桑名日記』Bが『柏崎日記』の自筆本です

写真:「桑名市 指定文化財(桑名市教育委員会文化財ホームページ)」より
URL:http://bunka.city.kuwana.mie.jp/html/bunkazai/118.html

 

図書館では影印本(自筆本の写真版)と、翻刻本(活字版)を所蔵しています。
この翻刻本のおかげで、現代の私たちもなんとか両日記の世界に触れることができます。
両日記の成立や渡部家の系譜について解説した 『桑名日記柏崎日記解題』や、 日記を題材に書かれた作品もあります。
児童書として出版された『いるるは走る』は、小学校中学年から読めるわかりやすい物語です。

 

この夏、みなさまも『桑名日記』『柏崎日記』を通して、
江戸時代の桑名にタイムスリップしてみてはいかがでしょうか。

 

<参考資料>
桑名日記[影印] 1~4巻(全17冊)』渡部 平太夫/著  L289ワ桑名日記
柏崎日記[影印] 上~下巻(全12冊)』渡部 勝之助/著 L289ワ桑名日記
桑名日記[翻刻]1~4(全4冊)』 渡部 平太夫政通/著, 澤下 春男/訳 AL221ワ
柏崎日記[翻刻]上~下(全3冊)』 渡部 平大夫勝之助/著,澤下 春男/訳 AL221ワ
桑柏日記民俗抄』 堀田 吉雄/編著 伊勢民俗学会 1969  AL382ホ
桑名日記柏崎日記解題』 澤下 春男,澤下 能親/解説 1984  AL221ク
解読 桑名日記』 桑名日記輪読会/編 中日出版社 1997 AL221カ
桑名の星影 「桑名日記」より』 渡辺 夸任子,高橋 昭彦/著 1992 AL221ワ
幕末父子伝』 本間 寛治/著 エフエー出版 1989 AL221ホ
幕末転勤伝』 本間 寛治/著 エフエー出版 1988 AL221ホ
いるるは走る』 大塚 篤子/作,石倉 欣二/絵 小峰書店 2005 AL938オ

 

<志るべ>

 

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