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第20回「昭和の記憶」収集資料展を開催しました

2025年10月24日(金)|投稿者:kclスタッフ

2025年8月28日(木)~9月25日(木)まで、第20回「昭和の記憶」収集資料展を開催しました。

今年は戦後80年を迎えたことから、「戦争と桑名」と題して、戦争時代の桑名についてのパネルや、桑名市博物館よりお借りした現物展示を行いました。

また「昭和の記憶」収集資料展が20回目の節目であるため、過去の資料展の様子をパネルで紹介しました。

 

パネル展示の様子

 

現物展示の様子

 

2025年9月21日(日)には講演会を行いました。

講師は、郷土史家の西羽晃(にしは あきら)先生です。

「桑名の戦争遺跡」と題して、写真をスクリーンに投影しながら桑名に残る戦争遺跡についての貴重なお話をしていただきました。

 

講演会の様子

 

「昭和の記憶」収集資料事業では、桑名の昭和時代の記憶の風化を防ぐことを目的に、戦前から昭和40年代頃までの桑名の記録の収集、整理、保存を行っています。

年に一度、市民の皆さまから提供していただいた昭和時代の資料を活用し、「昭和の記憶」収集資料展を開催しています。

 

最後になりましたが、「昭和の記憶」収集資料展の開催にご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。

引き続き「昭和の記憶」事業にご支援、ご協力いただきますようお願いいたします。

 

これまでの「昭和の記憶」収集資料展の様子はコチラでご覧いただけます。

博物館×中央図書館 令和7年度ML連携セミナー(第4弾)「桑名の豪商 諸戸家の至宝」を開催します!

2025年10月20日(月)|投稿者:kclスタッフ

ML連携とは、博物館(Museum)と図書館(Library)が連携し、共通のテーマに沿って企画展示やセミナーを開催する協力活動です。

 

中央図書館では、博物館展示のテーマに合わせた関連書籍の展示や、博物館職員等によるセミナーを行います。

 

クリックするとPDFが開きます

 

第4弾は博物館企画展「桑名の豪商 諸戸家の至宝」の開催に合わせて、関連書籍展示と桑名市博物館職員によるセミナー「桑名の豪商 諸戸家の至宝」を行います。

 

<セミナー紹介>

桑名市博物館特別企画展「桑名の豪商 諸戸家の至宝」では、重要文化財3点をはじめ、秋のお茶会を想定した茶道具や松平定信ゆかりの作品など、公益財団法人諸戸財団が所蔵する諸戸家の至宝を展示いたします。

セミナーでは展覧会にちなんで、諸戸家が桑名に残した功績や、展示作品のみどころをご紹介いたします。

 

※状況により変更・中止となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願いいたします。

 

<日程>

博物館×中央図書館 令和7年度ML連携企画 セミナー「桑名の豪商 諸戸家の至宝」

講師:桑名市博物館 鈴木 亜季さん

日時:11月16日(日) 午後1時30分から午後3時

場所:くわなメディアライヴ 2階

参加費:200円 ※おつりのないようご用意ください

定員:50名(先着順、事前申込制)※定員になり次第締め切ります

申込み方法:直接窓口、または電話で中央図書館へ

申込み開始:11月3日(月)午前11時~  ※受付は各日午後5時まで

問い合わせ:桑名市立中央図書館  〒511-0068 桑名市中央町三丁目79  0594-22-0562

カテゴリー:イベント, 桑名・三重 | コメント (0) | 

さんまは目黒にかぎる

2025年10月5日(日)|投稿者:kclスタッフ

こんにちは、志るべです。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
食欲の秋、到来!
この時期、おいしいものはたくさんありますが、秋の味覚といえばやっぱりさんま。
そのまま焼いて、脂がジュージュー落ちるところをいただく。
これぞ秋を代表する庶民の味だったはずなのですが・・・
近年は高級魚となり、なかなか口に入らずさびしく思っておりました。ところが、今年は大ぶりで脂ののったさんまが大漁とか、うれしい限りです。

 

 

秋に聴きたい落語のひとつ「目黒のさんま」の中でも、さんまはしもじもの味として描かれています。この噺、ご存じの方も多いと思いますが、簡単にご紹介いたします。

 

秋晴れのある日、殿様が供を連れて目黒まで馬の遠乗りをします。お腹をすかせた殿様は弁当を所望するのですが、あいにくその用意がありません。するとどこからともなくさんまを焼くいい匂い。殿様は供のものに命じ、焼きたてのさんまを買い取らせます。食べたさんまのおいしいこと。
お城に帰ってからもその味が忘れられず、とんがったものを見るとなんでもさんまの頭に見えてくるほどです。ところがさんまはしもじもの食べもので、お城では食べることができません。
なんとか口にする機会に恵まれるのですが、出てきたさんまは上品に料理され、殿様の望むさんまとは別物。あまりの違いに「このさんま、いずかたより仕入れたか?」とたずねます。返ってきた答えは「日本橋、魚河岸にございます」 それを聞いた殿様、「魚河岸? それでいかん。さんまは目黒にかぎる」と。

 

 

もちろん目黒はさんまの産地ではありません。
最後の殿様のひとこと、「さんまは目黒にかぎる」が「オチ」になります。落語では「オチ」のことを「サゲ」というそうです。

 

実際に、こちらでお聴きください。高座の雰囲気が味わえます。
『古典落語入門 ベスト』(古今亭 志ん生/[ほか]口演 King Record 2004.5 CD2枚組)
演者は三代目三遊亭金馬で、「目黒のさんま」はお得意の演目です。

 

十代目金原亭馬生による「目黒のさんま」もぜひどうぞ。
『親子できこう子ども落語集 [4]』(日本コロムビア 2012.1 CD2枚組)

 

文字で読んで味わうこともできます。
『古典落語 [正]』(興津 要/編  講談社 2002.12)
「目黒のさんま」の他にもたくさんの噺が収められています。

 

絵本にも描かれています。

 

 

『めぐろのさんま』(川端 誠/[作] クレヨンハウス 2001.12)

 

 

落語のおかしさって何でしょう?
何回も聴いて、ストーリーもわかっているのにおもしろい。
志ん生さんが登場して「えぇーー」と言うだけで、もう笑いがこみあげてきます。
早口でテンポよく話す噺家の方もいますが、志ん生さんはたっぷり間をとって語ります。ときには、「寝ちゃった?」と思ったりして。
どうしてこんなにおかしいのでしょう?
孫の由紀子さんが祖父志ん生について書いています。

 

 

 

 

著者にとって五代目古今亭志ん生は祖父、「目黒のさんま」の演者でご紹介した十代目金原亭馬生は父、三代目古今亭志ん朝は叔父にあたります。さらに姉は女優の池波志乃、と華麗なる芸能一家です。文章からは、それぞれの人柄が伝わってきます。時代の空気が感じられ、そこに暮らしていた人々の生活が目に浮かびます。

 

志ん生さんが熱心にとりくんだ道楽のひとつに川柳がありました。作中に、志ん生作の川柳も盛り込まれています。こんな一句も。

 

焼きたての秋刀魚に客が来たつらさ (志ん生)

 

う~ん、焼きたてのさんまを前にしてお客様とは・・・志ん生さんでなくてもつらいです。殿様なら迷うことなく、客人より焼きたてさんまを選ぶのではないでしょうか。

 

桑名の刀匠、村正を詠んだ句もありました。

 

悪いこと皆村正のセイにされ  (志ん生)

 

以前のブログでなばなが紹介したように、なんでもかんでも村正のセイにされては、まさに「村正、とばっちり」ですね。

 

ところで「笑い」は心身によい影響があるといわれますが、落語の効用はどんなところにあるのでしょう。
ストレスが解消されて免疫力が上がる?
確かに、笑うと心も身体もほどけていくように感じます。

 

 

『落語に学ぶ人生の処方  “脳が喜ぶ”想像・認知・ユーモア』(結城 俊也/編 日外アソシエーツ 2025.6)

 

 

 

この本では、落語の持つ特徴に触れながら、落語がどのように認知機能や健康の維持に役立つのかが解説されています。具体的な噺を取り上げて、人生を生き抜く知恵も紹介されています。
さらに巻末には、落語に関するブックリストも掲載されています。

 

落語で使う小道具はせいぜい手ぬぐいと扇子。視覚的な情報が少ないため、脳は不足している情報を想像力で補おうと活発に働くのだそうです。つまり、少ない情報が脳を鍛える、と。
嗅覚に関しては、「目黒のさんま」が例に挙げられています。脂ののったさんまの焼ける匂いを想像する時、脳の側頭葉から前頭葉にかけて活性化する、というのです。

 

脳の話はさておき、おいしものを食べて、思いっきり笑うことが身体にいいというのはまちがいないようです。
落語を聴いて、心も身体も解きほぐして、秋を満喫しましょう!

 

 

<紹介資料>
『古典落語入門 ベスト』(古今亭 志ん生/[ほか]口演 King Record 2004.5 CD2枚組)
『親子できこう子ども落語集 [4]』(日本コロムビア 2012.1 CD2枚組)
『古典落語 [正]』(興津 要/編  講談社 2002.12)
『めぐろのさんま』(川端 誠/[作]  クレヨンハウス 2001.12)
『志ん生が語るクオリティの高い貧乏のススメ  昭和のように生きて心が豊かになる25の習 慣』(美濃部 由紀子/[著] 講談社 2019.1)
『落語に学ぶ人生の処方  “脳が喜ぶ”想像・認知・ユーモア』(結城 俊也/編 日外アソシエーツ 2025.6)

<志るべ>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ブックコート講習会」を開催します!

2025年9月24日(水)|投稿者:kclスタッフ

画像を選択すると拡大します(PDF)

 

 

日時|2025年10月19日() 14:00~15:00

場所|桑名市立中央図書館 4階 研修室2

定員|10名 ※先着順

対象|中学生以上

材料費|300円

持ち物|ブックコートしたい本2冊(A4サイズまで 約30×22cm)

 ※薄い本、雑誌、付録がある本、表紙に凹凸のある本、

     布製の本はコーティングが困難なため、ご遠慮ください

申込期間|2025年10月10日(金) 11:00~10月17日(金) 17:00

申込方法|桑名市立中央図書館窓口、または電話

申込先|桑名市立中央図書館 ☎0594-22-0562

 

内容|自分の本を図書館の本のように透明フィルムで貼ります。

コーティングすることによって傷や汚れ、色褪せなどの劣化を

防ぐことができます。

 

皆様のご参加をお待ちしています!

 

 

 

駐車場の数に限りがありますので来館の際には、公共交通機関のご利用をお勧めします。

満車の場合は柿安シティホール(市民会館)の立体駐車場または、

桑名市パブリックセンターの駐車場をご利用ください。

 

お預かりした個人情報は本イベントの開催、運営以外には使用いたしません。

カテゴリー:イベント, 一般 | コメント (0) | 

秋の夜長、なにを読む?

2025年9月11日(木)|投稿者:kclスタッフ

こんにちは、たがねです。

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。体感的には夏気分が抜けませんが、暦の上ではもう秋。期間限定メニューやスイーツで、一足先に秋を感じるようになりました。

 

9月の和風月名(旧暦での呼び名)である「長月」は「夜長月」から付けられたと言われています。秋分の日を過ぎたあたりから冬に向けて日照時間が短くなり、夜が少しずつ長く感じられるようになりますね。そんな夜が長い季節だからこそ、ゆったり過ごす時間が楽しみになります。

 

秋の夜長に楽しめることはいろいろありますが、図書館としてはやっぱり読書をおすすめしたいところ。

でも、いざ読書しようと思っても、読みたい本がなかなか見つからないことはありませんか? 気分を変えて、いつもは選ばないジャンルに挑戦してみたい時もありますよね。

今回は、秋の夜長のお供になる本選びに役立つ本をいくつかご紹介したいと思います。

 

 

まずはこちら、

『人生を狂わす名著50』( 三宅 香帆/著 今日 マチ子/絵  ライツ社 2017.10)

 

新書大賞2025を受賞した『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が話題の三宅香帆さんによる書評集です。

本を読むことで考え方や生き方が大きく変わってしまうことを三宅さんは「人生を狂わす」と表現しています。

そんな人生を狂わす名著50冊を、気軽な語り口で紹介。まるで友達とおすすめ本を語り合うような軽やかな文体でスルスル読み進められます。さらに、各章の最後に「次に読みたい本」も3冊ずつ紹介してくれます。きっと気になる本が見つかると思います!

 

図書館には、この本以外にもいろんな書評集があります。書評の本は、請求記号019.9です。ぜひ手に取ってみてくださいね。

 

 

次に紹介するのはこちら、

『ブックデザイン365』( パイインターナショナル/編著  パイインターナショナル 2020.3)

 

本を選ぶ時、表紙に惹かれて思わず手に取ったことはありませんか? 表紙買いするという方も多いと思います。

この本は、文芸書から辞典までさまざまな本の、思わず手に取りたくなる装丁を365冊以上紹介しています。大きな写真とともに、書籍の概要やデザインコンセプトなどの情報がコンパクトにまとまっていて、眺めるだけで楽しい1冊です。ページをめくるたびに「こんな見せ方があるんだ!」と発見があり、本の楽しみ方がちょっと広がります。

この本の中で紹介されている本から気に入ったデザインの表紙を選んで読んでみるのも楽しそうですね。

 

図書館でも、新刊コーナーや展示棚、書架に表紙を見せて並べています。ぜひそちらにも注目してみてください。

 

 

最後に紹介するのはこちら、

『おかしな本棚』( クラフト・エヴィング商會/著  朝日新聞出版 2011.4)

 

この本は、不思議な雰囲気が漂う本棚をテーマにした本です。「頭を真っ白にするための本棚」や「波打ち際の本棚」などのタイトルがついた本棚が写真とともに紹介されています。写真で見えるのは背表紙だけですが、眺めていると「どんな本なんだろう?」と想像が広がっていきます。紹介されている本棚には実在しない本も混じっていますが、ほとんどは実際にある本です。図書館で所蔵している本もあるので、探して読んでみてください。

 

図書館の本棚もずらっと並んだ背表紙を見ているとワクワクしますよね。

特に展示コーナーは定期的にテーマを入れ替えているので、期間限定の本棚が見られます。普段はあまり手に取らないジャンルの本とも出会えるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。

 

そして、この図書館ブログでも本選びのお手伝いができるかもしれません。スタッフによるおすすめ本紹介の記事がたくさんあり、カテゴリー「おすすめ本」からまとめてご覧いただけます。過去の記事でもたくさんの本を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

それでは、夜更かしはほどほどに!

秋の夜長に充実した読書時間を楽しんでくださいね。

 

 

 

<参考資料>

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅 香帆/著 集英社 2024.4)

『人生を狂わす名著50』(三宅 香帆/著,今日 マチ子/絵 ライツ社 2017.10)

『ブックデザイン365』(パイインターナショナル/編著 パイインターナショナル 2020.3)

『おかしな本棚』(クラフト・エヴィング商會/著 朝日新聞出版 2011.4)

<たがね>

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