『ゴーストハント1 旧校舎怪談』
(小野 不由美/著 KADOKAWA 2010年刊)
みなさんには繰り返し読みたくなる本はありますか?
今回紹介させていただくのは、夏になると読みたくなる小野不由美さん作の『ゴーストハント』です。
初版は絶版になっていたのですが、2010年に大幅な改稿の上、全7巻で刊行。ようやく読むことができた作品です。
主人公谷山麻衣の通う高校には、木造の旧校舎があります。
この校舎はすでに使われていないのですが、取り壊そうとしてもそのたびに事故が起きます。
旧校舎には、霊が取り憑いている。
その霊が、旧校舎を取り壊そうとする人を呪っている……
と、生徒の間では噂になっていました。
この事態の究明に雇われたのが、霊能者たち。渋谷サイキックリサーチ、通称SPR。
ひょんなことから彼らとかかわりを持った麻衣は、所長ナルの手伝いを始めます。
お坊さん、巫女、エクソシスト、テレビでも有名な霊媒少女……
次々現れる個性豊かなメンバーたちと関係を深めていきます。
そんな麻衣たちを待ち受けるのは、霊能者にも説明できない怪奇現象。
それほどまでに、旧校舎には恐ろしいものが取り憑いているのでしょうか?
主人公麻衣は、霊能者であれば当然知っていることを知りません。
作者は、麻衣の目線で説明をしてくれているので、霊についての知識がない読者も読みやすいと思います。
会話のやり取りや次第に深まっていく信頼と関係性も読んでいて楽しく、女子高生麻衣の成長には目を見張るものがあります。
異なる立ち位置の霊能力者だからこそ見えるものや知識、考え方があります。
それぞれの立場から意見を言い合い、時には対立し新たな発想を得るという場面はとても楽しく感じました。
結末はぜひ、読んでみてください。
怖いもの見たさで、お手に取っていただければ幸いです。
▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『ゴーストハント 1 旧校舎怪談』
『ゴーストハント 2 人形の檻』
『ゴーストハント 3 乙女ノ祈リ』
『ゴーストハント 4 死霊遊戯』
『ゴーストハント 5 鮮血の迷宮』
『ゴーストハント 6 海からくるもの』
『ゴーストハント 7 扉を開けて』
▼出版社
KADOKAWA
※次回更新は2022年5月6日(金)の予定です
中世の桑名について、桑名市の歴史専門官がやさしく解説します。当時の桑名は、湊町としての機能が発達する一方で伊勢平氏による戦いや、長島一向一揆での信長と本願寺宗徒の戦いなどから、大きな影響を受けました。
初めて桑名の歴史を学ぶ人、改めて桑名の歴史を学びたい人など、ぜひご参加ください。
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企画名:桑名市立中央図書館 令和4年度 郷土学習連続講座
「入門くわなⅣ ~やさしく解説 中世の桑名~」
講師:桑名市博物館 歴史専門官 大塚 由良美
日時:①5月14日 ②6月11日 ③7月9日 ④9月10日 ⑤10月8日、
⑥11月12日 ⑦12月10日 ⑧1月14日 ⑨2月18日 ⑩3月11日
※全10回 いずれも土曜日 午後1時30分~午後3時
場所:くわなメディアライヴ 2階 保健栄養指導室
定員:25名(往復はがきによる事前予約制、応募多数の場合は抽選)
対象:一般、高校生以上の学生(桑名市在住、在勤者優先)
料金:3,000円
※テキスト代等として初回開講日に集金 ※途中退会でも返金はいたしません
申込み方法:往復はがきに必要事項を記入し、直接又は郵送で中央図書館へ
・往信(表)〒511 - 0068 桑名市中央町三丁目79 桑名市立中央図書館 宛て
(裏)「令和4年度郷土学習連続講座『入門くわなⅣ』受講希望」申込者の郵便番号・住所・氏名(かな)・電話番号(携帯可)
・返信(表) 申込者の郵便番号・住所・氏名
(裏) 記入せず
申込期間:4月8日(金)~4月18日(月) 18日必着
テキスト: 毎講レジメを配布します
問い合わせ:桑名市立中央図書館 〒511-0068 桑名市中央町三丁目79 ☎0594-22-0562
『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』
(川上 徹也/著 ポプラ社 2020年刊)
この本に登場する小林書店は兵庫県尼崎市に実在する書店で、その店主・小林由美子さんをモデルにした小説です。出版社と書店をつなぐ「出版取次会社」の新人営業社員となった主人公の大森理香が、小林さんと出逢い成長していく物語です。
ちょっと珍しいのは、主人公の成長物語(ノベル)と小林さんのエピソード(ノンフィクション)を組み合わせた「ノンフィクション&ノベル」ともいえる形式であるところです。
語られる小林さんの言葉は、いつも主人公を元気づけます。そして彼女の仕事に対する向き合い方が変わって、大きな仕事を任されるまでになります。
書店の仕事での話ですが、全ての業種に共通するような「仕事の基本」ともいえることが盛り込まれていて、自己啓発本を読むように、ためになりました。
私はこの本を読んでから、仕事から帰ったときにはどんなに疲れていてもまずは「疲れた~」と言わずに、「お留守番ありがとう。おかげで楽しく仕事頑張れたよ」と家族に感謝の気持ちを伝えるようになりました。
小林さんの仕事と人との関わりを大事にする姿勢は素敵だと思いましたし、どの人にも自分に当てはめて、はっとする気づきが得られる本なのではないかなと思います。
ぜひ一度、皆さんにも読んでもらいたい本です。
そして、この本の中で由美子さんが主人公に読むのを薦める『百年文庫』というシリーズもおすすめです。
『百年文庫 1 憧』
(ポプラ社 2010年刊)
一冊ごとに漢字一文字でテーマを決め、日本と海外を分け隔てることなく短編3篇を集めたアンソロジーです。
百冊あって、色々な作家の作品に触れられるのが良いところです。
好きな作家さんの意外な一面を知ることが出来たり、新しくお気に入りの作家さんが見つかるかもしれません。
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『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』
『百年文庫 1 憧』
▼出版社
▼書影画像元
※次回更新は2022年4月15日(金)の予定です