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KCLスタッフブログ ~ブックとラック~

2021年12月3日(金)PM2:52|投稿者:KCLスタッフ

「第17回桑名市図書館を使った調べる学習コンクール」表彰式

2021年11月26日(金)に、第17回 桑名市図書館を使った調べる学習コンクールの表彰式が行われました。
今年は166作品ご応募いただきました。

そのうち、
☆最優秀賞 1作品
☆優秀賞  3作品(うち、子どもと大人の部1作品)
☆奨励賞  22作品
が入賞し、27名の方々が表彰されました。

 

今年度の受賞作品の一覧はこちらからご覧いただけます。
➡ 第17回 桑名市図書館を使った調べる学習コンクール入賞作品発表(PDF)

 

みなさんの疑問・興味を持ったことを一生懸命調べる姿がとても素敵でした。
これからも調査のお手伝いが出来るよう、図書館スタッフ一同サポートしてまいります。
最優秀賞・優秀賞に選ばれた作品は全国コンクールへ出品されます。
入賞作品の閲覧をご希望の方は、児童コーナー窓口へおたずねください。

 

2021年12月3日(金)AM9:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『独楽吟』

【 とにかく読んで欲しい本 】

「独楽吟」(『日本古典文学大系 93 近世和歌集』所収)
(橘曙覧/著 岩波書店 1976年刊)

 

「独楽吟」は福井出身の幕末の歌人・国学者、橘曙覧(たちばなのあけみ)の連作短歌全52首をいいます。
すべての歌が、「たのしみは・・・」ではじまり、「・・・とき」で終わっています。
日々の暮らしのなかで感じる楽しみが、今に通じる分かりやすい言葉で綴られています。

 

平成6年(1994)6月13日、クリントン米大統領が、天皇・皇后両陛下の訪米歓迎式典のスピーチで「独楽吟」のなかの一首を引用したことで再び注目されるようになったとのこと。ご記憶の方、おられるでしょうか。

 

本を読む楽しみを詠んだ歌もあります。
たのしみは 珍しき書(ふみ) 人にかり 始め一ひら ひろげたる時 (うん、うん)
たのしみは 人も訪(と)ひこず 事(こと)もなく 心をいれて 書(ふみ)を見る時 (ゆっくり読みたい!)
たのしみは そぞろ読みゆく 書(ふみ)の中に 我とひとしき 人をみし時  (そう、そう)

 

気の置けない友のありがたさを詠んだ歌も。
たのしみは 心をおかぬ 友どちと 笑ひかたりて 腹をよるとき (アハハ!)

 

こんな歌も・・・
たのしみは いやなる人の 来たりしが 長くもおらで かへりけるとき (やっぱりね)

 

人と会うことを控え、家に居る時間の多い今だからこそ「独りを楽しむ歌」が心にしみるのかもしれません。
さいごに、クリントンさんが引用された歌はこちら。
たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無(なか)りし花の 咲ける見る時 (咲いてる!)

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
「独楽吟」(『日本古典文学大系 93 近世和歌集』所収)

 

▼出版社
岩波書店

 

※次回更新は2021年12月10日(金)の予定です

2021年11月26日(金)AM9:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『まどのむこうのくだものなあに?』

【 繰り返し読む本 】

『まどのむこうのくだものなあに?』
(荒井 真紀/さく 福音館書店 2020年刊)

 

この本との最初の出会いは、『こどものとも年中向き』2019年7月号でした。
表紙の赤いイチゴなどが印象的で、とっても美味しそう!
出てくる果物はとてもリアルで、手を伸ばせば食べられそうです。
それぞれ拡大されて全体と断面が描かれており、ページにあいた窓からのぞくといつもと違う印象になります。
よく食べる果物が、小さな窓を通しただけで違う表情を見せてくれるのが驚きでした。

 

その時は買わなかったのですが、ずっと心の隅に残っていました。後に、こどものとも絵本として出版されたのを知り、自分用に購入しました。
購入してからはすぐ取り出せるところに置いておき、自分一人でゆっくりと眺めたり、甥っ子が遊びに来たら読み聞かせとして何度も読んだりしています。

 

この絵本は表紙に「まどのむこうの くだもの なあに?」と書いてあるだけで、中には文字がありません。
文字の無い絵本なので、厳密にいうと繰り返し読む本とは言えないかもしれません。
でも、文字がないからこその楽しみがあります。

 

例えば、ページをめくる度に「まどのむこうの くだもの なあに?」と問いかけながら読むことがあれば、「これはなんの果物でしょうか?」とか、「赤くてツブツブのこれは何かな?」と毎回違う言葉で読んでいます。時には読まずに、ページを次々めくって遊ぶこともあります。

 

私が好きな本なので甥っ子によく見せていたら、遊びに来ると必ず置いてある場所から持ってきて「はいっ!」と渡してくれるようになりました。
最初の文字が言えないのか、“イチゴ”は「んご」、”ミカン“は「んかん」、”パイナップル”は「っぷる」となるのがかわいいです。
買ってすぐの時に本を食べられたこともありましたが、口をもぐもぐしながら見ている姿はかわいく、歯形が付いたページもいい思い出です。

 

なかなか会うことができませんが、会うたびにちょっとずつ言える言葉が増えていくので、甥っ子の成長を感じます。
いつまで一緒に本を読めるのかなと思いつつ、次に会える時にどんな成長を見せてくれるのか楽しみです。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『まどのむこうのくだものなあに?』
『こどものとも年中向き [2019]-7』(福音館書店 2019年刊)

 

▼出版社
福音館書店

 

 

※次回更新は2021年12月3日(金)の予定です

2021年11月12日(金)AM9:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『十二単衣を着た悪魔』

【 とにかく読んで欲しい本 】

『十二単衣を着た悪魔』
(内館 牧子/著 幻冬舎 2012年刊)

 

「おのれ光源氏!」
思い出したのは、そう叫んだ友人の顔でした。
「源氏物語」の授業が始まった頃、展開される恋愛模様への不満がとうとう爆発した時のことで、この一言を皮切りに周囲から次々と文句が飛び出ました。
「浮気性すぎるぞ光源氏」「流されるな女性陣」「もっと諫めろ天皇」…等々
そして、誰かが漏らした呟きが印象的でした。
「名作って言っても、もう現代人の感覚だと受け入れきれないんだよね。」

 

思い出したきっかけは、この小説、『十二単を着た悪魔』
この話は、唯一光源氏と敵対し続ける女性、弘徽殿の女御を中心に書かれた小説なのです。
主人公は、弟へのコンプレックスを持った現代に生きる普通の男性。ある時「源氏物語」世界に入り込み、弘徽殿の女御の元で陰陽師として生きることに。
そうして、物語では描かれなかった話の裏側を知っていくのです。

 

話は「源氏物語」に沿って進みますが、光源氏を陥れようとしては毎回失敗する弘徽殿の女御の心境は、まさに「おのれ光源氏!」
そんな彼女は、もともと生まれる時代を間違えたような現代的な感覚と気の強さの持ち主。
光源氏の行動を非難する時は笑ってしまうほど的確で、それでいて自分の計画が失敗したら烈火のごとく怒ってすぐ復活。
その前向きさは悪役と知りつつも思わず応援したくなるほどです。

 

主人公も次第にほだされて彼女のために動くようになり、光源氏を始め様々な登場人物と出会います。
そして彼らの起こす騒動に巻き込まれていくのです。
騒動の原因は基本彼らの身勝手な行動なのですが、読み進める中でそこに隠された葛藤が徐々に明らかになっていきます。
そして主人公はやがて光源氏とも深く関わっていき…

 

解釈は人それぞれ、本来の源氏物語のままでいいという方もいるでしょう。
それでもこの話を読み終わった時、千年超えるくらいじゃ変わらない、身勝手で必死な人間の姿がそこに浮かび上がってきます。

 

「おのれ光源氏!」
それが感想じゃ、「源氏物語」は勿体ない。
そう思わせてくれる作品です。ぜひ読んでみてください。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『十二単衣を着た悪魔』

 

▼出版社
幻冬舎

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

※次回更新は2021年11月26日(金)の予定です

2021年11月2日(火)PM6:08|投稿者:KCLスタッフ

kclビブリオバトル2021を開催しました!

2021年10月30日(土)、くわなメディアライヴ2階第1会議室にてkclビブリオバトル2021を開催いたしました。

今回、発表者として次の3名の方にご参加いただきました。

 

 

1.夜焚 さん


『としょかんライオン』
(ミシェル・ヌードセン/さく,ケビン・ホークス/え,福本 友美子/やく 岩崎書店 2007年刊)

▪最後ライオンがどうなるのかが気になり、読んでみたくなった。
▪図書館にぴったりの雰囲気の方で、ライオンに会ったらさぞびっくりされるんだろうなと思いました。
▪ルールを破ってでも何かを守ろうとしたライオンについて語っているところが、とてもジーンとしました。

 

 

2.ちくわ さん


『オニのサラリーマン しゅっちょうはつらいよ』
(富安 陽子/文,大島 妙子/絵 福音館書店 2017年刊)

▪絵が面白そうなので見てみたい。
▪大阪弁がすごくおもしろかったです。絵を見たくなりました。
▪発表がわかりやすくて、楽しい本だということがよくわかりました。

 

 

3.MuGicafe読書部部員 さん


『古代への情熱』
(シュリーマン/著,村田 数之亮/訳 岩波書店 1991年刊)

▪“わからなくっても読む”という言葉が、印象に残りました。
▪人生の夢や情熱がとてもよく伝わりました。
▪ロマンあふれる話だなぁと気になりました。

 

 

 

発表3作品の内、2冊が絵本という珍しいバトルとなった今回。
栄えあるチャンプ本に輝いたのは…

 

2番 ちくわさん発表の『オニのサラリーマン しゅっちょうはつらいよ』でした!
昨年に引き続いて、発表者としてご参加いただいたちくわさん。
『オニのサラリーマン』シリーズの面白さのひとつでもあるコテコテの関西弁を巧みに操り、絵本の魅力を笑いたっぷりに紹介されました。
観覧者とのディスカッションタイムでも、ちくわさんの受け答えが大変面白く、思わず笑ってしまう大変楽しいひと時となりました。

 

 

今年もkclビブリオバトルを無事開催することが出来ましたのも、ご関心を寄せていただきました皆さまのおかげです。
スタッフ一同心より御礼申し上げます。

 

中央図書館ではこれからも感染拡大防止対策を行った上で、イベントの開催情報・館内での特集コーナー設置など、様々な形での「人と本との出会いの場」を皆さまにお届けいたします。
それらの情報は館内掲示、当ホームページ、またはTwitterでも情報発信を行っております。

 

最後になりましたが、素敵な時間を作っていただいた発表者の皆さま、本当にありがとうございました!

これまでのビブリオバトルの様子はコチラ
歴代発表作品一覧はコチラ (PDFファイルで開きます)
桑名市立中央図書館 公式Twitter @KCL_lib

 

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