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KCLスタッフブログ ~ブックとラック~

2022年1月4日(火)AM9:00|投稿者:KCLスタッフ

新年のご挨拶 2022

あけましておめでとうございます
今年も桑名市立中央図書館とスタッフブログ「ブックとラック」を
よろしくお願いいたします

 

 

新しい年を迎え、中央図書館は1月4日より開館しております。
何かとあわただしい年末年始ですが、読書はお楽しみいただけたでしょうか?
昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で、休館せざるを得ない時期もありました。
今年はこの事態が終息し、通常通り開館できることを願っております。

 

さて、恒例となりました図書館入口の干支飾り、
今年は「トラ」が一年間みなさまをお迎えいたします。

 

図書館入口でお待ちしています。

 

 

表情、骨格、毛の感じ、いかにもトラですね。
このトラ、マスキングテープだけで表現されています。
テープをちぎって貼り付ける・・・という緻密な作業を重ねて制作されました。

 

トラはアジア大陸に分布する食肉目ネコ科最大の動物です。
とはいえネコと違い、バッタリ道端で出会うということはありません。
それもそのはず、日本に野生のトラは生息していません。
この近くでお目にかかれるのは東山動植物園でしょうか。
東山動植物園にはスマトラトラがいます。
スマトラトラは、

 

現存するトラの亜種の中では最小で、体重は75~150kgである。肩より後方の縞模様は2本ずつの束になる。熱帯雨林に単独で生息し広いなわばりをもつ。毛皮目的の密猟や近年の森林伐採による生息域の減少・分断により、近い将来の絶滅が危惧されており、野生下での生息数はおよそ300~500頭とされている。(東山動植物園HP http://www.higashiyama.city.nagoya.jp/04_zoo/friend/2018/02/post-7.html

 

とあります。
WWF(World Wide Fund for Nature 世界自然保護基金)によると、スマトラトラだけでなく「20世紀初め、世界に10万頭が生息していたとされる野生のトラ。アジアの自然の頂点に立つこの動物は、今では 2154~3159頭(成獣のみ)が生き残るのみと推定」https://www.wwf.or.jp/campaign/speciallp/tiger/)されているそうです。

 

野生のトラを脅かす原因は大きく3つ、「森林破壊」「密猟」「違法取引」
まさに人間がトラを絶滅に追い込んでいるのですね。

 

トラは古来よりアジア文化の中で、強いものの象徴としてお話にもたくさん描かれてきました。
その中から1冊、絵本をご紹介します。

 

『もしも、ぼくがトラになったら』 ディーター・マイヤー/文,フランツィスカ・ブルクハ ルト/絵,那須田 淳/訳 光村教育図書 2013.2

 

主人公のオスカーは、ちいさなネズミのおとこのこ。森はこわいところで、ママからは、「おそとに でては いけません」といわれています。けれどどうしてもがまんできず、外にでてみたオスカー。フクロウにおそわれそうになったところを助けてくれたのはハリネズミのイゾドール。りっぱなハリを持つイゾドールから「ねっこのまほうつかい ブルツルさま」を紹介してもらい、もりでいちばんつよい動物「トラ」に姿を変えたオスカーですが・・・

 

さてつづきはどうなるのでしょう?

 

児童の展示コーナーでは、1月25日まで「「とら」が登場するお話」を集めています。オスカーがどうなったのか、つづきはこちらでご覧ください。

 

ところで、トラを表す漢字には「虎」と「寅」があります。
この二つの漢字、どう違うのでしょう?

 

「虎」と「寅」はどう違う?

 

「寅」という漢字は方位や時刻を表しているようです。
神様が動物たちを呼び集めて早く到着した順に十二支を決めた、という話はご存じの方も多いと思いますが、三番目に到着したのが「虎」で、「陰陽五行方位陣(いんようごぎょうほういじん)」にあてはめると三番目が「寅」にあたるということなのですね。

 

『漢書(かんじょ)』(中国、前漢一代のことを記した歴史書)や『論衡(ろんこう)』(中国、漢代の思想書)の中にも「寅」について書かれた箇所があります。
なにやらむずかしそうな書物ですが、この機会に繙(ひもと)いてみてはいかがでしょう。
国立国会図書館のデジタルコレクションで見ることができます。
こちらをどうぞ。
『前漢書』巻21上 律暦志 第一上 (コマ番号:7)
『論衡』 3巻 物勢篇 (コマ番号:93)

 

 

そして、もうひとつみなさまをお迎えするものが、
今年の四字熟語「大賢虎変(たいけんこへん)」

 

今年の四字熟語です。

 

この言葉の中にもトラがいます。
「虎変」は、虎の毛が美しく立派に生え変わることをいい、見事に変化や改革をすることのたとえとされます。
「大賢虎変」は、すぐれた賢者が、時の流れに合わせて、日々自己変革すること。または、すぐれた統治者の制度改革によって、古い制度が新しくてより良い制度に改められることをいいます。

 

「大賢虎変」とは・・・

 

この言葉は『易経(えききょう)』(革篇)に由来しています。
中国における重要古典、儒教の基本書に「四書五経(ししょごきょう)」があります。
「四書」は、『大学(だいがく)』『論語(ろんご)』『孟子(もうし)』『中庸(ちゅうよう)』の四経典。
「五経」は、『易経』『書経(しょきょう)』『詩経(しきょう)』『礼記(らいき)』『春秋(しゅんじゅう)』の五経書。
『易経』は「五経」の中の一つで、占いの理論と方法を説く書とされています。

 

虎の毛が美しく生え変わるように、よりよい制度に改められ、よりよい社会になってほしいものです。
そして、どうぞ今年は新型コロナウイルスが終息し、穏やかな世の中となりますように。

 

<参考資料>
『トラ学のすすめ アムールトラが教える地球環境の危機』 関 啓子/著 三冬社 2018.6 489.5/セ
『ネコ科大型肉食獣の教科書』  秋山 知伸/著 雷鳥社 2016.10 489.5/ア
『干支の漢字学』 水上 静夫/著 大修館書店 1998.1 148.8/ミ(書庫)
『十二支の民俗誌』 佐藤 健一郎/著,田村 善次郎/著 八坂書房 2000.1 382.1/サ
『四字熟語・成句辞典』 竹田 晃/著 講談社 1990.1 R/813.4/タ
『中国文化史大事典』 大修館書店 2013.5 R/222/チ
『全釈漢文大系 10 易経下』 全釈漢文大系刊行会/編集 集英社 1981 928/ス/10
『もしも、ぼくがトラになったら』 ディーター・マイヤー/文,フランツィスカ・ブルクハルト/絵,那須田 淳/訳 光村教育図書 2013.2 E/ブ

 

国立国会図書館デジタルコレクション
『前漢書 100卷 附考證. [9]』 巻21上 律暦志 第一上
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2600632 (コマ番号:7)
『論衡  30卷. 巻1-3』 3巻 物勢篇
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/753435 (コマ番号:93)

<志るべ>

 

カテゴリー:スタッフブログ, 児童 | コメント (0) | 
2021年12月24日(金)AM9:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『あるヘラジカの物語』

【 衝撃を受けた本 】


『あるヘラジカの物語』
(星野 道夫/原案,鈴木 まもる/絵と文 あすなろ書房 2020年刊)

 

星野道夫が遺した一枚の写真から生まれた物語。
自然で暮らす動物たちの壮絶なドラマと命の繋がりが描かれている。

 

星野道夫といえば、教科書にも載っている『森へ』が有名だが、多くの野生生物の姿を写真におさめている。
同じ動物好きとして親交のあった鈴木まもるは、ある夜、星野の遺した二頭のヘラジカの不思議な写真を夢にみて、アラスカへ飛び、この絵本ができあがった。
命をかけて戦うオス同士の激しい戦いのあと、絡まってはずれなくなってしまった角。
引くに引けない戦いが緊張感をもって描かれ、死をもって二頭の戦いは終わる。

 

しかし、その後も命のリレーは繋がっていく。
読み終わったあと、何とも言えない喪失感と生命の残酷さ、それでも命を繋いでゆく自然界の姿に衝撃を受けた。
荒々しい戦いの描写の後、また始まる新しい命の描写。失う「命」と生まれる「命」。
どちらの命も美しいと思える素晴らしい絵本。

 

読んだ後、みなさんはどのように感じますか?

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『あるヘラジカの物語』
『森へ』(星野 道夫/文・写真 福音館書店 1996年刊)

 

▼出版社
あすなろ書房

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

※次回更新は2022年1月7日(金)の予定です

2021年12月17日(金)AM9:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『日本史を学ぶための図書館活用術』

【 とにかく読んで欲しい本 】

『日本史を学ぶための図書館活用術』
(浜田 久美子/著 吉川弘文館 2020年刊)

 

調べごとがある人はもちろん、さしあたり調べたいことがない人も、本書を読めばさまざまな辞典を引きたくなる、図書館に来たくなるのではないでしょうか。

 

初めて日本史を学ぶ人のために、辞典や年表の活用方法を紹介した一冊です。

タイトルに「図書館活用術」とありますが、図書館の利用案内ではなく図書館の所蔵する参考図書のガイドブックとなっています。

著者は国立国会図書館で長年人文系のレファレンスを担当した浜田久美子氏。

日本古代史の研究者でもあり、その立場から学生の辞典の利用機会が減少していることへの危惧もあって執筆を決意したと記しています。

本の冒頭にはレポートを作成するための情報収集の仕方や、集めた資料のまとめ方、出典の書き方なども紹介されており、初めて課題に取り組む学生にはよい道案内となるでしょう。

 

さて、本書の内容ですが、辞典ごとに項目数や配列方法、収録範囲、索引の有無といった基本事項や図版・付録の使い方まで解説するほか、辞典の成立背景まで知ることができます。

また、紙の辞書のほか、最近の研究論文を探すためのデータベースも取り上げられています。辞典類は刊行から数十年以上経過しているものも多く、先行研究の把握も必要なためです。

 

さらに本書では、史料を読むための古語辞典やくずし字辞典も扱っています。

当館の「歴史の蔵」にも江戸時代の資料などがありますが、中を開いて「読めない……」とがっかりするのではなく、これらの辞典も駆使して取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、本書を刊行した吉川弘文館からは『日本史を学ぶための<古代の暦>入門』『日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法』『日本古代史を学ぶための漢文入門』『日本近代史を学ぶための文語文入門』なども出版されています。

 

いずれも中央図書館で所蔵しているので、調べものの際はこちらもぜひ参考にしてください。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『日本史を学ぶための図書館活用術』
『日本史を学ぶための<古代の暦>入門』(細井 浩志/著 吉川弘文館 2014年刊)
『日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法』(苅米 一志/著,日本史史料研究会/監修 吉川弘文館 2015年刊)
『日本古代史を学ぶための漢文入門』(池田 温/編 吉川弘文館 2006年刊)
『日本近代史を学ぶための文語文入門』(古田島 洋介/著 吉川弘文館 2013年刊)

 

▼出版社
吉川弘文館

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

※次回更新は2021年12月24日(金)の予定です

2021年12月11日(土)PM3:56|投稿者:KCLスタッフ

年末年始の休館と貸出延長のお知らせ

「ブックとラック」をご覧のみなさま、こんにちは。
桑名市立中央図書館の年末年始休館と、貸出期間延長のご案内です。
中央図書館では以下の期間が休館となります。

【休館期間】
 12月28日(火)~1月3日(月)

※休館期間中の返却はくわなメディアライヴ1階の返却ポストをご利用ください。
ただし、CD、DVD、大型絵本・大型紙芝居、ゆめはま文庫、桑名市外から取り寄せた図書は破損のおそれがありますので、開館日にカウンターへお持ちください。

 

また、休館に伴い貸出期間の延長を行います。

【図書・雑誌の貸出期間延長】
 12月14日(火)~12月27日(月)の貸出……3週間の貸出

※桑名市外から取り寄せた図書は、貸出期間が異なります。

 

【CD・DVDの貸出期間延長】
 12月21日(火)~12月27日(月)の貸出……2週間の貸出

 

通常よりも一週間長くお借りいただけるとあって、毎年たくさんの資料が貸出されます。
この機会に、なかなか手を出せずにいた本にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?

 

館内にはテーマに沿った資料を集めた特集コーナーがございます。
何を読もうか迷った時は、ぜひ特集コーナーもご覧ください。

 

今年も図書館をご利用いただき、ありがとうございました。
2022年も桑名市立中央図書館をご利用・ご活用いただきますようよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください。

カテゴリー:スタッフブログ | コメント (0) | 
2021年12月10日(金)AM9:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『わすれられないおくりもの』

【 繰り返し読む本 】

『わすれられないおくりもの』
(スーザン・バーレイ/さく え,小川 仁央/やく 評論社 1986年刊)

 

ご紹介する本は、スーザン・バーレンさんが書かれた『わすれられないおくりもの』という絵本です。

 

年老いたアナグマは、知らないことがないくらい物知りで、自分に死が迫っていることも知っていました。
そして森の友達たちに手紙を残して、とうとう旅立ってしまいました。
かけがえのない友を失った森のみんなは、深い悲しみを抱えて冬を越しました。
そして春になり、外に出られるようになったみんなは、お互いにアナグマとの思い出を語り合ったのです…。

 

この絵本は、「死」というテーマについて、悲しい気持ちをそっと包み込んでくれる温かく優しい物語です。
大切な人を残して旅立つ者の気持ち、そして残された者の気持ちが丁寧に描かれています。
森の動物たちはアナグマからそれぞれ知恵や工夫という「宝物」をもらい、お互い助け合っていくことができました。
「死」を通して、生き方をも教えてくれるお話です。

 

私は読む度に、もし自分がアナグマだったら何ができるだろうと考えてしまいます。
これからも、人生の折に繰り返し読みたい本です。

 

お子さんだけでなく、大人の方にもぜひ読んでいただきたいです。

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『わすれられないおくりもの』

 

▼出版社
評論社

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

※次回更新は2021年12月17日(金)の予定です