蔵書点検による休館と貸出期間延長のお知らせ
2024年1月12日(金)|投稿者:kclスタッフ
桑名市立中央図書館は、蔵書点検のため以下の期間休館いたします。
休館に際し、皆さまには大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
【休館期間】
2月2日(金)~2月7日(水)
※ふるさと多度文学館・長島輪中図書館は通常通り開館しています
※休館期間中の返却は、くわなメディアライヴ1階南側の返却ポストをご利用ください。
ただし、CD、DVD、大型絵本・大型紙芝居、ゆめはま文庫、桑名市外から取り寄せた図書は破損のおそれがありますので、開館日にカウンターへお持ちください。
◎期間中の講習室利用について
2階講習室は、特別整理期間中(2月2日~2月7日)は、ご利用いただけません。
また、休館に伴い貸出期間の延長を行います。
【図書・雑誌の貸出期間延長】
1月19日(金)~2月1日(木)の貸出 ・・・ 3週間
※桑名市外から取り寄せた図書は、貸出期間が異なります
【CD・DVDの貸出期間延長】
1月26日(金)~2月1日(木)の貸出 ・・・ 2週間
蔵書点検期間中は、図書館にある資料1冊1冊を専用の機械で読み取り、決められた場所にあるか、なくなってしまった資料はないかを確認する作業を行っています。
また、点検作業と並行して、図書館をより使いやすくするための作業も行います。
過去のブログでも「蔵書点検」について取り上げたブログが複数あります。
ブログページ内に表示されている「ブログ記事検索」に「蔵書点検」と入力いただくと、過去の蔵書点検の様子をご覧いただけます。
今の図書館とは少し違う姿が記録された部分もありますので、ぜひ検索してみてください。
しばらくの間、休館いたしますが、リフレッシュした図書館を楽しみにお待ちください。
あけましておめでとうございます。2024
2024年1月4日(木)|投稿者:kclスタッフ
あけましておめでとうございます。
今年も中央図書館とスタッフブログ「ブックとラック」を
よろしくお願いします。
桑名市中央図書館は、1月4日から開館しております。
皆さま、お正月はいかがお過ごしでしょうか?
年末年始に移動を希望する人数は、コロナ前にかなり戻ったとニュースを見ました。
せっかくのお正月、帰省でも旅行でも、行きたい場所で過ごしたいところ。
その行きたい場所に図書館が入っていれば幸いです。
令和6年、今年の干支は「辰」です。
龍は十二支で唯一の空想上の動物ですが、古くから縁起の良い生き物とされてきました。
この一年も良い年にしてくれることを期待したいです。
ところで「辰」という漢字ですが、十二支以外で「龍」の意味で使用するのを見たことありますか?
恐らく、思いつかないのではないでしょうか。
なぜなら、一説によると十二支の動物は、十二支の思想を広める際に一般の人にも分かりやすいように当てはめたものだからです。
つまり、本来「辰」の漢字には龍という意味はなかったそうです。
『岩波新漢語辞典』(山口 明穂/編,竹田 晃/編 2014.1)で「辰」と引くと、以下のように書かれています。
【辰】たつ・シン(漢)・とき(名)
①十二支の第五。たつ。方角では東南東、時刻では午前八時(の前後各一時間)に当てる。「戊辰」
②とき。日(がら)。「佳辰・誕辰」
③天体。星。「星辰・北辰・辰宿」
確かに②や③を見ると、龍との繋がりは薄い漢字に見えます。
十二支の龍の意味は後から追加されたからなのでしょうね。
ちなみに、「誕辰」と書いて「誕生日」や、「北辰」と書いて「北極星」という意味になるそうです。
漢字の意味が分かると、読みやすくなって面白いですね。
誕生日カードに書いてみても良いかもしれません。
ただ、龍のような生き物の意味がない漢字なのかというと、そうでもありません。
一説になりますが、この「辰」という漢字は象形文字、いわゆる物の形を模倣して作られた漢字だとされています。
それによると「辰」の形は、二枚貝の殻から、弾力のある足をぴらぴら出している様子を表しているそうです。
二枚貝から足・・・絵面としても、なかなかシュールですね。
そんな漢字が十二支の龍に選ばれるとは、滝登りの鯉も二度見しそうな変貌です。
十二支を広める目的では採用されなかったでしょうが、もしこちらの意味で広まっていたら、十二支に交じる二枚貝がいたのかもしれません。
うさぎと蛇の間にしれっと混ざる二枚貝、神様の元へえっさほいさと走る二枚貝、年賀状で自慢の足を披露する二枚貝たち・・・
ちょっと見てみたかった気もしますね。
更につけ加えると、「辰」は「蜃」の字源(起源となった漢字)でもあります。
「蜃」とは、蜃気楼を作り出すとされた伝説の生き物で、この「蜃」の口から海上に吹いた気が、楼閣・城市の形をしたことから、「蜃気楼」と呼ばれたそうです。
そして、その正体といわれている姿の一つが竜、もう一つが大蛤です。
ところで、蛤といえば、桑名の名産ですよね。
実は、この桑名を舞台に大蛤の姿の「蜃」が描かれている絵が存在します。
その一つがこちら、二代目歌川国貞の「春季蜃気楼」(桑名市博物館所蔵)です。
-1024x517.jpg)
「春季蜃気楼」二代目歌川国貞[作] (『北斎・広重・国芳 浮世絵に見る東海道五十三次・桑名,特別企画展』より)
現れた蜃気楼に仰天する人々と、我関せずと悠々と氣を吐く大蛤。
浮世絵らしい鮮やかな色彩が見応えがある一方、少しユーモラスな場面に、くすっと笑ってしまいます。
こちらは、桑名市立図書館の『北斎・広重・国芳 浮世絵に見る東海道五十三次・桑名,特別企画展』(桑名市博物館/編 2013.10 p80, 解説p113)に掲載されています。
この絵以外にも、著名な浮世絵画家による「蜃」の絵や、桑名に関わる浮世絵が数多く載っています。
貸出も可能なので、気になる方は是非借りてみてください。
また、「辰」の意味にはもう一つ、形声文字(音を表す文字と意味をあらわす文字を組み合わせた漢字)と考える説もあります。
乙+匕+二+厂で「辰」となり、この組み合わせは、草木が盛んに成長し整っていく様子を表すのだそうです。
これも活力あふれた良い年になりそうな素敵な意味ですね。
今年はどんな年になるでしょうか。
桑名市立中央図書館が、良いお年を過ごせる一助になればと思います。
この一年も、皆さまのご来館お待ちしております。
▼引用・参考資料
『干支の漢字学』 水上 静夫/著 1998.12
『部首ときあかし辞典』 円満字 二郎/著 2013.5
『岩波新漢語辞典』 山口 明穂/編,竹田 晃/編 2014.1
『新潮日本語漢字辞典』 新潮社/編 2007.9
『新選漢和辞典 第8版』 小林 信明/編 2022.2
『角川新字源』 小川 環樹、他/編 2017.10
『北斎・広重・国芳 浮世絵に見る東海道五十三次・桑名,特別企画展』 桑名市博物館/編 2013.10
「第19回桑名市図書館を使った調べる学習コンクール」表彰式
2023年12月4日(月)|投稿者:kclスタッフ
2023年11月27日(月)に、第19回 桑名市図書館を使った調べる学習コンクールの表彰式が行われました。
今年は169作品のご応募いただきました。
そのうち、
☆最優秀賞 1作品
☆優秀賞 3作品(うち、子どもと大人の部1作品)
☆奨励賞 26作品(うち、地域賞1作品、子どもと大人の部1作品)
が入賞し、32名の方々が表彰されました。
今年度の受賞作品の一覧はこちらからご覧いただけます。
➡ 第19回 桑名市図書館を使った調べる学習コンクール入賞作品発表(PDF)
みなさんの疑問・興味を持ったことを一生懸命調べる姿がとても素敵でした。
これからも調査のお手伝いが出来るよう、図書館スタッフ一同サポートしてまいります。
最優秀賞・優秀賞に選ばれた作品は全国コンクールへ出品されます。
入賞作品の閲覧をご希望の方は、児童コーナー窓口へおたずねください。
年末年始の休館と貸出延長のお知らせ
2023年12月1日(金)|投稿者:kclスタッフ
「ブックとラック」をご覧のみなさま、こんにちは。
桑名市立中央図書館の年末年始休館と、貸出期間延長のご案内です。
中央図書館では以下の期間が休館となります。
【休館期間】
12月27日(水)~1月3日(水)
※休館期間中の返却はくわなメディアライヴ1階の返却ポストをご利用ください。
ただし、CD、DVD、大型絵本・大型紙芝居、ゆめはま文庫、桑名市外から取り寄せた図書は破損のおそれがありますので、開館日にカウンターへお持ちください。
また、休館に伴い貸出期間の延長を行います。
【図書・雑誌の貸出期間延長】
12月14日(木)~12月26日(火)の貸出 …3週間
※桑名市外から取り寄せた図書は、貸出期間が異なります
【CD・DVDの貸出期間延長】
12月21日(木)~12月26日(火)の貸出 …2週間
通常よりも一週間長くお借りいただけるとあって、毎年たくさんの資料が貸出されます。
この機会に、なかなか手を出せずにいた本にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
館内にはテーマに沿った資料を集めた特集コーナーがございます。
何を読もうか迷った時は、ぜひ特集コーナーもご覧ください。
今年も図書館をご利用いただき、ありがとうございました。
2024年も桑名市立中央図書館をご利用・ご活用いただきますようよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください。
昭和の図書館
2023年11月16日(木)|投稿者:kclスタッフ
現在、中央図書館館内では毎年恒例「昭和の記憶」収集資料展を開催しています。
今年は「昭和の写真でめぐる桑名」をテーマに、館内各所に展示された写真パネルで昭和と令和の変化をお楽しみいただけます。
さて、昭和の街並みが溢れる現在の中央図書館ですが、昭和の頃はどんな図書館だったのでしょうか?
桑名市立中央図書館の前身、桑名市立図書館は戦災直後、荒廃した中から市民の声や寄附によって昭和22年に桑名市最初の図書館設立認可を受けました。
昭和26年3月、旧市役所北庁舎(元議場・木造平屋)を閲覧室として公開しましたが、蔵書数が少なく、図書館として機能したのは新図書館法が制定された後、昭和32年からでした。
図書館の規模は年を追って拡張していき、蔵書数は1,300冊から昭和33年度には8,830冊にまで増えました。
当時の開館時間は午前8時30分~午後4時30分まで。
毎週火曜日が休館日で、職員は館長と司書、事務職員等のわずか3名で運営されていました。
市民に広く愛された図書館ではありましたが、昭和34年9月、伊勢湾台風の被害により多くの蔵書を失ってしまい、閉館に追い込まれます。
しかし、昭和35年2月、市立図書館は業務を再開しました。
台風の被害からわずか半年での再開。
職員の方の想像を絶する努力があったのでしょう。
その作業の一端を、『秋山文庫図書目録1ー4仮プリント』に見ることが出来ます。

修復作業の様子(『秋山文庫図書目録1ー4仮プリント』より)
昭和35年、図書館には台風の被害にあった古典籍が寄贈されました。
その古典籍は江戸時代の蔵書を集めた大変貴重なもので、ブリキ缶13個に納められていました。
台風の後始末が終わった後、およそ1年後に当時の職員・平岡潤氏が缶の中を覗いてみると、全部干からびて固形化し、汚物や泥砂が黒く固まって一枚の板のようになっていたそうです。
これはいけない、と平岡さんともう一人の職員の方、2人がかりでおよそ3カ月の間に補修作業を行った古典籍1,000冊以上。
この時救われた古典籍は、「秋山文庫」の一部として今も手に取ってご覧いただけます。
再開後の図書館は、何度か移転を繰り返しました。
昭和43年5月、京町(桑名都市計画復興事務所跡)。
昭和44年5月、鍛冶町診療所跡。
この頃の閲覧者は、年間約5,000人だったそうです。
昭和48年5月、旧桑名市役所庁舎(中央町)へ移りました。
今も市役所庁舎の横にある、鉄筋2階建の建物です。

当時の図書館内の様子(『桑名市史 補編』より)
当時の蔵書数は34,014冊。
昭和26年に閲覧室として公開されていた当時の1,300冊から、閲覧室、事務室、書庫、倉庫、そして児童室を備えたとても大きな図書館となりました。
そして平成16年(2004)10月、くわなメディアライヴ内に「桑名市立中央図書館」と名称を新たにして、現在の図書館ができました。
令和5年3月31日現在の蔵書数は396,299冊。
近年に出版された本も、伊勢湾台風の被害にあった本も大切な桑名の財産として保存されています。
時折、自分が子どもの頃に読んだ本を返却カウンターで受け取ることがあります。
記憶の中の本よりも随分年季が入りましたが、当時の私と同じように今も誰かの心をときめかせている様子です。
10年先、20年先も誰かの手に目に触れますようにと願い、大切に繋いでいきたいと思いました。
今回の「ブックとラック」では、「昭和の図書館」についてご紹介いたしました。
中央図書館館内では、11月28日まで桑名市内各所の「昭和の桑名」の様子をご覧いただけます。
懐かしいあの風景を、もう一度目にしてみるのはいかがでしょうか?
【参考文献】
『桑名市史 本編』
『桑名市史 補編』
『秋山文庫図書目録1ー4仮プリント』
〈 かぶら 〉