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☆スタッフブログ#kclスタッフおすすめ本 『全日本食えば食える図鑑』

2021年9月24日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 とにかく読んで欲しい本 】

『全日本食えば食える図鑑』
(椎名 誠/著 新潮社 2005年刊)

 

この本を書店で初めて目にした時、それは衝撃的でした。

 

まず「全日本食えば食える図鑑」というタイトル。
具体的な内容はともかく、なるほど普段食べないようなものを食べるんだなと、言いたいこと・やりたいことが全ての題名に集約されていて、表紙を見ただけで伝わってくる真っ向勝負っぷりに感心しました。

 

日本各地で食されている珍しいもの、変わったものを実際に食べて、その土地で出会った人々の交流についても書かれています。
ヤシガニ、エチゼンクラゲ、イソギンチャクといった名前は聞いたことあるものの、「それ食べれるの!?」と驚いたもの。
ワラスボ、ゲンゲ、アラのように「そもそもそれはどういう存在で?」と疑問に思ったもの。
どれもどんな味か想像できないものばかりで、実用的ではないかもしれませんが、同時にこんな本もあるんだぁと、とても興味深く面白い内容でした。

 

手に取って、最初の数ぺージだけでもいいので読んでみてください。
そして「で、味は?」と思ったなら、最後まで読むことをオススメします。
日本の食文化の奥深さを再発見できる一冊でした。

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『全日本食えば食える図鑑』

 

▼出版社
新潮社

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

※次回更新は2021年10月8日(金)の予定です

 

#kclスタッフおすすめ本 『ごぶごぶごぼごぼ』

2021年9月10日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 繰り返し読む本 】

『ごぶごぶごぼごぼ』
(駒形 克己/さく 福音館書店 1999年刊)

 

たぶん、人生の中の読んだ回数で言えば、文句なしにNO.1です。
ただし、「繰り返し、読み聞かせた本」になります。

 

長女に読み聞かせてから、長男、次女と3人の子ども達にず~っと読み聞かせをしてきました。赤ちゃんに読み聞かせるための、必要条件を満たしている本だと思います。
まず、紙が厚く丈夫。ちょっとやそっとじゃ破けません。少々舐めても大丈夫!
壊れる心配がなく、0歳児に安心して読み聞かせができます。

 

短いオノマトペの繰り返しは、読むことが途中で苦痛になることもなく、しかも、穴が空いていて指を突っ込めるという赤ちゃんが大好きな仕掛け絵本的な要素もあります。
一冊用意すれば、長く楽しめること間違いなしです。

 

作者の駒形克己さんは、世界的な造形作家。その駒形さんが、実際に自分の子育ての中で作られた、赤ちゃん絵本。
赤ちゃんたちのベストセラー(?)です。

 

桑名市には、乳幼児向けのブックスタート事業として、絵本を5冊セットにして貸出する「ゆめはま文庫」があります。(セット内容は「乳幼児向け絵本リスト(PDF)」をご覧ください)
こちらは、桑名市にお住まいの方がご利用できるサービスとなっておりますが、その中の0歳Aセットにも入っています。
興味のある方はぜひ、スタッフにお声がけください。

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『ごぶごぶごぼごぼ』

 

▼書影画像元
福音館書店

 

※次回更新は2021年9月24日(金)の予定です

 

#kclスタッフおすすめ本 『かんぺきなこども』

2021年8月27日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 衝撃を受けた本 】

『かんぺきなこども』
(ミカエル・エスコフィエ/作,マチュー・モデ/絵,石津 ちひろ/訳 ポプラ社 2019年刊)

 

「うちの子と、かえて~」
タイトルを見て、親歴10数年の自分の事は、たか~い棚の上に、こっそりと置きつつ、こんな事を思いました。
子育て中の皆さんの一定数には、共感していただけるのではないかと思うのですが・・・。

 

さて、タイトルにもなっている「かんぺきなこども」とは、いったいどんな子供なのか?
読んでみると、それはもう「かんぺき」でした。ごはんはこぼさない、お片付けはきちんとする、夜はよく寝る、お行儀は良い、勉強もよくできる。
それなのに、読んでいると、なんだかだんだんと、息苦しくなってきます。

 

何をしても「かんぺき」、親が怒る必要もない、しかも親にまでやさしい、こんな子がうちの子だったら・・・
と考え「はっ!!」としました。
もしかしたら、「かんぺきなこども」の親は、「かんぺきなおや」でないといけないのかも!?と気づいた時、やっぱり「うちの子でいいや」と思い、安心とともに、自分の事を棚から戻し、同時に人としての器の小ささに、ひそかに「衝撃を受けた本」なのでした。

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『かんぺきなこども』

 

▼出版社
ポプラ社

 

※次回更新は2021年9月10日(金)の予定です

#kclスタッフおすすめ本 『ソラリス』

2021年8月20日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 繰り返し読む本 】

『ソラリス』(スタニスワフ・レムコレクション )
(スタニスワフ・レム/著,沼野 充義/訳 国書刊行会 2004年刊)

 

繰り返し読む本は、スタニスワフ・レムの『ソラリス』です。
惑星ソラリスの謎を解明するために、地球から派遣された主人公は、到着してすぐにソラリス・ステーションの「ある種の……混乱」を目の当たりにして、自身も謎の現象に巻き込まれていきます。
惑星全体を覆うゼリー状の「ソラリスの海」のことを思いながら、何度読んでもこの小説の世界に魅了されます。

 

著者のスタニスワフ・レムはポーランドの作家で、ポーランド南部の都市クラクフにあるヤギェウォ大学で学びました。
このヤギェウォ大学は1364年にポーランドで最初に設立された大学で、天文学者コペルニクスなども学んだそうです。
クラクフはポーランド文化の中心地で、旧市街には歴史的な建造物が残っており、世界遺産に登録されています。

 

「スタニスワフ・レム・コレクション」(国書刊行会)全6巻のうち、桑名市立中央図書館は『ソラリス』と『高い城・文学エッセイ』の2冊を所蔵しています。
レムの他の作品も面白いので、SF小説が好きな方はぜひ読んでみてください。

 

参考資料:『地球の歩き方 A26 チェコ ポーランド スロヴァキア』(地球の歩き方編集室/編集 ダイヤモンド・ビッグ社,ダイヤモンド社(発売) 2020年刊)

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『ソラリス』
『高い城・文学エッセイ』
『地球の歩き方 A26 チェコ ポーランド スロヴァキア』

 

▼出版社
国書刊行会

 

▼書影画像元
版元ドットコム

 

※次回更新は2021年8月27日(金)の予定です

#kclスタッフおすすめ本 『源氏物語  1』『源氏物語 A・ウェイリー版 1』

2021年8月13日(金)|投稿者:kclスタッフ

【 とにかく読んで欲しい本 】

『源氏物語 1』
 ([紫式部/著],円地 文子/訳 新潮文庫 新潮社 2008年刊)※版元品切
『源氏物語 A・ウェイリー版 1』
 (紫式部/著,アーサー・ウェイリー/英訳,毬矢 まりえ/日本語訳,森山 恵/日本語訳 左右社 2017年刊)

 

学生時代に『源氏物語』を読む機会があった。知人に「円地文子訳が良い」と薦められ読み始めた。
途中、挫折しそうな時もあったが、なんとか54帖読み切った。かなりの日数がかかったが、超大作を読み終え、満足感でいっぱいだったことを覚えている。

 

月日は流れ、おばさんになった頃、クリムトの「接吻」が表紙の『源氏物語』が目にとまった。
私がイメージする『源氏物語』と表紙の絵のイメージがどうにも合わず、自然とページをめくった。

 

訳者はアーサー・ウェイリー。それをまた日本語訳したものだ。
登場人物名がカタカナで独特の表記。女御、更衣といった身位を表す語も「レディ」と書かれており、人物名が理解しやすい。
人物名に限らず、「パレス」「ラブレター」「メッセンジャー」など、古典らしからぬ単語のおかげでストーリーが容易に頭に入ってくる感覚がした。
もちろん、20年ほど前に1度『源氏物語』を読んでいることも、容易に読める理由の1つではあると思うが、それがなかったとしても、かなり読みやすい訳なのではないかと思った。
読んでいる私の頭の中では、円地訳は絵巻物が次から次へと進んでいくようであり、ウェイリー版はテレビドラマを見ているような感じである。

 

2つの訳を味わってみての感想。
円地訳は平安時代の文化や趣をそのまま感じとれる良さがあり、ウェイリー版はストーリーを現代小説に近い感覚で楽しめる。

 

訳者の力ってすごい。

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『源氏物語 1』
『源氏物語 A・ウェイリー版 1』

 

▼出版社
新潮社
左右社

 

▼書影画像元
版元ドットコム
※①『源氏物語 1』は書影なし

 

※次回更新は2021年8月20日(金)の予定です

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