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イベント情報『「kclビブリオバトル2021」を開催します』
2021年10月1日(金)|投稿者:kclスタッフ
日時|2021年10月30日(土) 14:00 ~ 15:30
場所|くわなメディアライヴ 2F第1会議室
定員|発表者:5名 観覧者:20名
対象|発表者:中学生(12歳)以上の方 観覧者:どなたでも可
持ち物(発表者のみ)|紹介する本
参加費|入場無料
申込方法|桑名市立中央図書館窓口、または電話で受付
申込期間|2021年9月2日(木)10:00~ ※定員になり次第締め切ります
申込先|桑名市立中央図書館 0594-22-0562
ビブリオバトルとは、おすすめの本を持ち寄り、本の紹介をして、最も読みたくなった本を決めるという本の紹介コミュニケーションゲームです。
「人を通して本を知る。本を通して人を知る」というキャッチコピーのもと、図書館やカフェなど様々な場所で、幅広い世代の方が楽しまれています。
当館でも毎年好評いただいているイベントです。(過去に開催したビブリオバトルの様子はこちら)
※新型コロナウイルス感染拡大状況により、あるいは定員に満たない場合は中止とさせていただくことがあります。最新情報は当ブログでお知らせいたします。
※感染防止対策を行った上で実施いたします。マスクの着用と事前の検温にご協力ください。
ビブリオバトルの公式ルールは次のように定められています。(ビブリオバトル公式ウェブサイト)
【公式ルール】
➀ 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
② 順番に一人5分間で本を紹介する。
③ それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う。
④ 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い、最多票を集めたものを『チャンプ本』とする。
公平さを保つために、すべての発表を聞いた方のみ投票ができます。
また、ディスカッションでは、発表の揚げ足をとったり批判をするようなことはせず、発表内容でわからなかった点や、「どの本が一番読みたくなったか?」の判断をするための材料となることを聞き、その場が楽しい場となるようにご協力をお願いしています。
秋といえば・・・虫?
2021年10月1日(金)|投稿者:kclスタッフ
こんにちは。ばんこです。
今月の児童特集は「〇〇の秋」です。
みなさんはどんな秋がお好きでしょうか?
うるさいほどのセミの声から、カナカナとなく
蜩の声をきくと、一気に秋を感じます。
俳句の世界で「虫」といえば、秋に草むらで「鳴く」虫の総称だそうです。
今回はイロイロな「虫」の本を紹介します。
同じ「なく」でも絵本の世界で有名なこの「むし」は、お腹が痛いと泣いています。
『はらぺこあおむし』
(エリック=カール/さく,もり ひさし/やく 偕成社 1989)
小さな葉っぱの上にうまれたあおむしが、きれいな蝶になるまでのお話。
コラージュと呼ばれる貼り絵の技法を使い、色鮮やかに表現されています。
だんだん増えていく食べ物、丸くあいた、アオムシが食べたであろう穴も
子どもの好奇心をくすぐる仕掛けになっています。
実は、1969年にアメリカで出版された原書『The very hungry caterpillar』
の初版の奥付には「printed Japan」と印刷されているそうです。
当時のアメリカでは、穴あきの仕掛けや、ページの大きさも違うこの本を、
印刷・製本してくれる会社が見つからず、なんと、日本で印刷・製本を引き受けてくれる
会社がみつかり、作られることになったそうです。
世界で最初の『はらぺこあおむし』は日本の会社によってつくられました。
50年以上前の絵本ですが、今でも大人気。
こんなにも素敵な絵本が、実は日本で作られていた!と知ると
なんだかうれしくなります。
エリック・カールさんのコラージュと呼ばれる貼り絵の技法を詳しく知りたい方は
こちらの本をご覧ください。
『エリック・カール絵本の世界 いろのまほうつかい』
(ブックグローブ社 2004.4)
実は桑名には、虫の絵がとても上手なお殿様がいました。増山雪斎です。
『増山雪斎~大名の美意識』
(増山 雪斎/[画],桑名市博物館/編集 桑名 桑名市博物館 2007.10)
写実的な虫類写生図譜『虫豸帖』(ちゅうちじょう)の作者として知られる増山雪斎
(ましやませっさい)
=増山正賢は、宝暦4年(1754年)10月14日、伊勢長島藩主正贇(まさよし)
の長子として江戸にうまれ、父の死去とともに、安永5年(1776年)23歳で遺領2万石を
襲封しました。
『虫豸帖』(ちゅうちじょう)は東京国立博物館 デジタルコンテンツから見ることができます。
今度は、虫の切り紙です。
『本物そっくり!昆虫の立体切り紙 ハサミだけでつくれる』
(今森 光彦/著 東京 日本ヴォーグ社 2015.5)
写真家・切り絵アーティストとして有名な今森光彦さんの本です。
画用紙とハサミで、簡単に立体的な昆虫を作る事ができます。
細い足の部分などは、切ることが少し難しいですが、おうち時間に、
ぜひチャレンジしてみてください。
タイトルに「ちゅう」とつきますが、虫ではありません。
(松岡 篤/監修,かんちく たかこ/文 アリス館 2019.7)
漢字で書くと「放散虫」「虫」とつきますが、いわゆる「昆虫」でも
「節足動物」でもありません。
5億年前から、海に暮らす小さな生き物が「放散虫」です。
この本は、「放散虫」の骨の写真集です。
「放散虫」の骨は、ガラス質でできていて、とてもきれい。
そして、とても不思議な形をしています。
ぜひ、一度この不思議な生き物を見てください。
地球上には、まだまだ知らない生き物がいっぱいです。
「放散虫」と同じくらい大昔からいる生き物の祖先たち。
一体、どんな大きさだったのか?何cm、何mと数字で書かれていても
よくわかりませんが、写真でみるとよくわかります。
『リアルサイズ古生物図鑑 古生物のサイズが実感できる! 古生代編』
(土屋 健/著,群馬県立自然史博物館/監修 技術評論社 2018.8)
大昔に絶滅した生き物が、現代社会に登場します。
日常生活に溶け込んだ「三葉虫」や、巨大トンボの「メガネウラ」等の生き物たち。
ヒトデ類が、フライングディスクになっていたり…と、
リアルなサイズ感を楽しむ事ができます。
実際にいたらビックリですが、想像しながら楽しんでください。
古生代・中生代・新生代 3巻あり、恐竜好きなら、新生代がおすすめです。
普通の図鑑にあきた~という方もどうぞ。
『リアルサイズ古生物図鑑 古生物のサイズが実感できる! 中生代編』
(土屋 健/著,群馬県立自然史博物館/監修 技術評論社 2019.8)
『リアルサイズ古生物図鑑 古生物のサイズが実感できる! 新生代編』
(土屋 健/著,群馬県立自然史博物館/監修 技術評論社 2020.10)
最後は、イロイロな虫がいるなかで、図書館に多いであろう虫・・・
『エリザベスは本の虫』
(サラ・スチュワート/文,デイビッド・スモール/絵,福本 友美子/訳
アスラン書房 2003.10)
本が大好きな実在の人物、メアリー・エリザベス・ブラウンを元にしたお話です。
子どもの時から本好きで、大人になっても、とにかくいつも本を読んでいるエリザベス。
この絵本の表紙裏、裏表紙裏に描かれているのは、本棚です。
横倒しになっていたり、本の上に本が載せられていたり・・・
図書館員としては、そのあたり少し気になってしまいますが、
絵から、エリザベスは読む事は好きだけど、あまり読み返すことはしなかったのかな?
などと、いろいろ想像してしまいます。
好きなものに囲まれたエリザベスの一生 うらやましくもありますが、
好きな事が一つだけではない身としては、ちょこちょこ手をだす
今ぐらいがちょうど良いのかもしれません。
イロイロな「むし」の本を紹介しました。
エリザベスはちょっと読みすぎですが、「読書の秋」に「むし」の本を
手に取ってみてはいかがでしょうか?
参考図書
『はらぺこあおむし』
エリック=カール/さく,もり ひさし/やく 改訂 偕成社 1989.2
『エリック・カール絵本の世界 いろのまほうつかい』 ブックグローブ社 2004.4
『増山雪斎~大名の美意識』
増山 雪斎/[画],桑名市博物館/編集 桑名 桑名市博物館 2007.10
『本物そっくり!昆虫の立体切り紙 ハサミだけでつくれる』
今森 光彦/著 日本ヴォーグ社 2015.5
『ほうさんちゅう ちいさなふしぎな生きもののかたち』
松岡 篤/監修,かんちく たかこ/文 アリス館 2019.7
『リアルサイズ古生物図鑑 古生物のサイズが実感できる! 古生代編』
土屋 健/著,群馬県立自然史博物館/監修 技術評論社 2018.8
『リアルサイズ古生物図鑑 古生物のサイズが実感できる! 中生代編』
土屋 健/著,群馬県立自然史博物館/監修 技術評論社 2019.8
『リアルサイズ古生物図鑑 古生物のサイズが実感できる! 新生代編』
土屋 健/著,群馬県立自然史博物館/監修 技術評論社 2020.10
『エリザベスは本の虫』サラ・スチュワート/文,デイビッド・スモール/絵
福本 友美子/訳 アスラン書房 2003.10
☆スタッフブログ#kclスタッフおすすめ本 『全日本食えば食える図鑑』
2021年9月24日(金)|投稿者:kclスタッフ
【 とにかく読んで欲しい本 】
『全日本食えば食える図鑑』
(椎名 誠/著 新潮社 2005年刊)
この本を書店で初めて目にした時、それは衝撃的でした。
まず「全日本食えば食える図鑑」というタイトル。
具体的な内容はともかく、なるほど普段食べないようなものを食べるんだなと、言いたいこと・やりたいことが全ての題名に集約されていて、表紙を見ただけで伝わってくる真っ向勝負っぷりに感心しました。
日本各地で食されている珍しいもの、変わったものを実際に食べて、その土地で出会った人々の交流についても書かれています。
ヤシガニ、エチゼンクラゲ、イソギンチャクといった名前は聞いたことあるものの、「それ食べれるの!?」と驚いたもの。
ワラスボ、ゲンゲ、アラのように「そもそもそれはどういう存在で?」と疑問に思ったもの。
どれもどんな味か想像できないものばかりで、実用的ではないかもしれませんが、同時にこんな本もあるんだぁと、とても興味深く面白い内容でした。
手に取って、最初の数ぺージだけでもいいので読んでみてください。
そして「で、味は?」と思ったなら、最後まで読むことをオススメします。
日本の食文化の奥深さを再発見できる一冊でした。
▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『全日本食えば食える図鑑』
▼出版社
新潮社
▼書影画像元
版元ドットコム
※次回更新は2021年10月8日(金)の予定です
#kclスタッフおすすめ本 『ごぶごぶごぼごぼ』
2021年9月10日(金)|投稿者:kclスタッフ
【 繰り返し読む本 】
『ごぶごぶごぼごぼ』
(駒形 克己/さく 福音館書店 1999年刊)
たぶん、人生の中の読んだ回数で言えば、文句なしにNO.1です。
ただし、「繰り返し、読み聞かせた本」になります。
長女に読み聞かせてから、長男、次女と3人の子ども達にず~っと読み聞かせをしてきました。赤ちゃんに読み聞かせるための、必要条件を満たしている本だと思います。
まず、紙が厚く丈夫。ちょっとやそっとじゃ破けません。少々舐めても大丈夫!
壊れる心配がなく、0歳児に安心して読み聞かせができます。
短いオノマトペの繰り返しは、読むことが途中で苦痛になることもなく、しかも、穴が空いていて指を突っ込めるという赤ちゃんが大好きな仕掛け絵本的な要素もあります。
一冊用意すれば、長く楽しめること間違いなしです。
作者の駒形克己さんは、世界的な造形作家。その駒形さんが、実際に自分の子育ての中で作られた、赤ちゃん絵本。
赤ちゃんたちのベストセラー(?)です。
桑名市には、乳幼児向けのブックスタート事業として、絵本を5冊セットにして貸出する「ゆめはま文庫」があります。(セット内容は「乳幼児向け絵本リスト(PDF)」をご覧ください)
こちらは、桑名市にお住まいの方がご利用できるサービスとなっておりますが、その中の0歳Aセットにも入っています。
興味のある方はぜひ、スタッフにお声がけください。
▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『ごぶごぶごぼごぼ』
▼書影画像元
福音館書店
※次回更新は2021年9月24日(金)の予定です
#kclスタッフおすすめ本 『かんぺきなこども』
2021年8月27日(金)|投稿者:kclスタッフ
【 衝撃を受けた本 】
『かんぺきなこども』
(ミカエル・エスコフィエ/作,マチュー・モデ/絵,石津 ちひろ/訳 ポプラ社 2019年刊)
「うちの子と、かえて~」
タイトルを見て、親歴10数年の自分の事は、たか~い棚の上に、こっそりと置きつつ、こんな事を思いました。
子育て中の皆さんの一定数には、共感していただけるのではないかと思うのですが・・・。
さて、タイトルにもなっている「かんぺきなこども」とは、いったいどんな子供なのか?
読んでみると、それはもう「かんぺき」でした。ごはんはこぼさない、お片付けはきちんとする、夜はよく寝る、お行儀は良い、勉強もよくできる。
それなのに、読んでいると、なんだかだんだんと、息苦しくなってきます。
何をしても「かんぺき」、親が怒る必要もない、しかも親にまでやさしい、こんな子がうちの子だったら・・・
と考え「はっ!!」としました。
もしかしたら、「かんぺきなこども」の親は、「かんぺきなおや」でないといけないのかも!?と気づいた時、やっぱり「うちの子でいいや」と思い、安心とともに、自分の事を棚から戻し、同時に人としての器の小ささに、ひそかに「衝撃を受けた本」なのでした。
▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『かんぺきなこども』
▼出版社
ポプラ社
※次回更新は2021年9月10日(金)の予定です