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2023年3月31日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『失敗学のすすめ』

【 新たな一歩を踏み出す人へ

『失敗学のすすめ』
(畑村 洋太郎/著  講談社 2000年刊)

 

春は始まりの季節。
4月から新しい生活を迎える方も多いのではないでしょうか。
慣れない場所で、慣れない人と、慣れない事を行う。
そんな時にひょっこり現れてしまうのが、「失敗」です。
今日はそんな「失敗」との付き合い方についての本をご紹介します。

 

東京大学名誉教授で、設計について指導をしている著者が「失敗を真正面から取り上げた工学書」として作られました。
失敗とは何なのか、その種類と特徴、失敗を生かすシステムづくりなど、失敗を肯定的に捉える事で学びを得る方法が、実例を交えて紹介されています。

「失敗は成功のもと」という名言の通り、本書は一貫として「失敗は新たな創造行為の第一歩に過ぎない」としています。
失敗を創造行為の第一歩にする為には、「失敗の原因」をおさえる事が大切です。
著者は「失敗の原因」を次の十の項目に大別しています。

 

①無知
予防策や解決法が知られているにも関わらず、本人の不勉強によって起こす失敗
②不注意
十分注意していれば大丈夫なのに、怠った為に起こってしまう失敗
③手順の不順守
決められた約束事を守らなかったために起こる失敗
④誤判断
状況を正しく捉えられず、判断の間違いをおかした事で起こる失敗
⑤調査・検討の不足
当然知っていなければならない知識や情報を持っていないために起こる失敗
⑥制約条件の変化
はじめに想定した制約条件が時間の経過により変化して起こる失敗
⑦企画不良
企画ないし、計画そのものに問題がある失敗
⑧価値観不良
自分ないし自分の組織の価値観が、まわりと差異がある時に起こる失敗
⑨組織運営不良
組織自体が、きちんと物事を進めるだけの能力を有していない失敗
⑩未知
世の中の誰もが知らないために起こる失敗

 

身に覚えのある失敗、どれかに当てはまったでしょうか。
第二章「失敗の種類と特徴」では、各項目の防ぎ方について紹介もされています。
人生に失敗は付き物。いつか起こる失敗に備えて、その対策方法を学ぶのはいかがでしょう?

 

失敗をした時、頭に浮かぶのは「やばいぞ」という焦り。
そして、何とか隠してしまえないかな…
いっそ無かった事に…
と考えてしまうのも、人間の心理として仕方のない事。
むしろ隠してしまえるような失敗であれば、その後大きな失敗に繋がるような事はない、と畑村さんは言います。
問題は、隠しきれない失敗を起こした時、それ以上ウソをついて失敗を隠し続ける事。
今起きた失敗に真摯に向き合い、原因をしっかり分析し、理解する必要があります。

 

失敗は起こさないに越した事はありません。
けれど、失敗した経験から成長出来る事がある。
失敗を恐れすぎない勇気を教えてくれる一冊です。

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『失敗学のすすめ』

 

▼出版社/書影画像元
講談社

 

 

※次回更新は2023年4月14日(金)の予定です

2023年3月21日(火)PM3:25|投稿者:KCLスタッフ

「こばと春休みスペシャル2023」を開催しました!

2023年3月19日(日)、くわなメディアライヴ2階 第1会議室にて『こばと春休みスペシャル2023』を開催いたしました。

 

今回のおはなし会では、「春・おさんぽ」をテーマに絵本や紙芝居を読み聞かせしました。

終始楽しそうに聞いていただけました。

『はるいちばん』という絵本では、強い春の風をつかまえました!

 

春一番が吹いたら、いよいよ春本番!!
『はるだよおきて』の紙芝居で、みんなで動物たちに声をかけて起こしたり、

 

『でんしゃにのって』の大型絵本では、一緒におでかけしたりしました。

お話の間に行ったつくしの手遊びにも、楽しく参加してくださって、私たちスタッフもとても楽しかったです♪

 

 

最後に紙コップとストローで「げろげろ歌うカエル」を作りました。
自分でデザインしたカエルは、それぞれに違いがあって皆すてきな作品になりました。

どのカエルも「げろげろ」上手に鳴けて、最後のお別れではカエルの大合唱!

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

今後も皆様に楽しんでいただけるイベントを行っていきたいと思います。
今後のイベント情報もお楽しみに♪

 

Twitterでもイベント情報を発信していますので、ぜひチェックしてくださいね。

 

カテゴリー:イベント, こばと, 児童 | コメント (0) | 
2023年3月17日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『桑名ふるさと検定 桑名のいろは』

【 歴史を学ぶ 】

 

『桑名ふるさと検定 桑名のいろは』
(桑名ふるさと検定実行委員会ほか/編 桑名商工会議所 2007年刊)

 

 

図書館で働いていると、こう尋ねられる事がよくあります。
「桑名の歴史について知りたいのですが、どんな本を読めばいいですか?」

 

この時点で、スタッフの頭にはいくつかの考えが浮かびます。
「歴史」とは、どの辺りを指すのか(桑名の起源から?江戸時代?それとも?)
簡単な情報が欲しいのか、詳しい情報が欲しいのか。
お子さまだった場合、あまり難しい漢字が多い本は紹介出来ないな、等々。
お尋ねいただいた時点で簡単な聞き取りを行い、どんな本をお求めなのかがはっきりしたら、本探しに取りかかります。

 

でも、はっきりと目的がある訳ではなく、ただざっくり「桑名の歴史が知りたいなぁ」と思ってお尋ねいただく方もたくさんいらっしゃいます。
そんな時に、こちらから「どんな歴史を?時代は?項目は?どの程度の情報が?」とお尋ねしても、いやちょっとそこまで…と困惑させてしまってはいけません。
せっかく興味を持っていただいたこの機会に、ならば、とお渡ししたいのが『桑名ふるさと検定 桑名のいろは』なのです。

 

*「桑名ふるさと検定」は、桑名市の魅力を市内外の人に再発見してもらう事を目的に2008年3月~2014年12月まで実施されました

 

「市民が自ら桑名のことを知って桑名を好きになり、それを周囲の方、ひいては全国に情報発信していく中で、桑名のまちづくりに関与していただくこと」を念頭に、わかりやすく面白く作られた本は、オールカラーで写真も多く、そして索引もばっちり付いています。

 

自然と歴史文化と観光桑名のくらしの三つの章に分けられ、地形や起源から桑名藩のこと、桑名の文化、方言まで。
幅広い内容がぎゅぎゅっと詰まった一冊で、これを読めば「桑名に詳しくなった!」と思えます。

 

でも、そんな本…分厚いんでしょう?と思われた方は、どうかご安心を。
魅力が詰まった一冊ながら、全部でたったの236ページ!
コミックスが大体一冊200ページ程ですので、そんなに分厚くありません。
全部を読まずとも、索引で興味のある項目だけ探して読んでしまう事も出来ます。

 

小学校高学年ぐらいの方ですと、一人で読むことが出来るかもしれません。
もう少し年齢が下の方は、大人の方にお手伝いいただいて、一緒に桑名の歴史を楽しんでみるのはいかがでしょう?

 

今作を読んで、「面白かったなぁ!」と満足するも良し。
「いやちょっとこの項目についてもっと詳しく」と思われた方は、桑名市発行の『桑名市史』もありますので、ぜひ!
『桑名市史』は本編(1098ページ)、続編(854ページ)、補編(715ページ)の三巻構成です。
気力、体力、諸々整った状態で手に取られる事をオススメします。

 

 

桑名市のホームページでは、大人の方、お子さまそれぞれが見やすい「桑名の歴史」について紹介されています。

大人の方向け 「桑名の歴史をたずねて」
お子さま向け 「桑名市の歴史」

 

最後に、『桑名ふるさと検定 桑名のいろは』で紹介されていた桑名の方言クイズをひとつ、ご紹介します。

 

「今日は電車が ツンドッテ、座レンクテ、シッカリ エラカッタワ。」
「机をツッテンカ」

 

答えが気になる方は、p207を開こう!

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『桑名ふるさと検定 桑名のいろは』

『桑名市史 本編』(近藤 杢/編,平岡 潤/校補 桑名市教育委員会 1987年刊)
『桑名市史 続編』(桑名市教育委員会/編纂 桑名市教育委員会 1987年刊)
『桑名市史 補編』(近藤 杢/編,平岡 潤/校補 桑名市教育委員会 1987年刊)

 

▼出版者
桑名商工会議所

 

 

 

※次回更新は2023年3月31日(金)の予定です

2023年3月6日(月)PM7:54|投稿者:KCLスタッフ

博物館×中央図書館 令和4年度ML連携セミナー(第8弾)「浮世絵と西洋美術」を開催します!

ML連携とは、博物館(Museum)と図書館(Library)が連携し、共通のテーマに沿って企画展示やセミナーを開催する協力活動です。

 

中央図書館では、博物館展示のテーマに合わせた関連書籍の展示や、博物館職員等によるセミナーを行います。

 

クリックすると拡大します(PDFファイルで開きます)

 

第8弾は博物館春季企画展「浮世絵Bon voyage!」の開催に合わせて、関連書籍展示と桑名市博物館職員によるセミナー「浮世絵と西洋美術」を行います。

 

<セミナー紹介>

江戸時代、人々に広く親しまれた広重や北斎らの浮世絵は、海を渡り、同時代の西洋の芸術家に大きな影響を与えました。こうした浮世絵などの日本の美術が西洋の芸術にもたらしたムーブメントは「ジャポニスム」と呼ばれています。
今回のセミナーでは、浮世絵を多数所持していたというモネ、ゴッホ、アンリ・リヴィエールなどのフランスの画家・版画家の作品に注目し、浮世絵との比較を通じて、「ジャポニスム」及び浮世絵のオリジナリティについて紹介します。

 

※状況により変更・中止となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願いいたします。

 

<日程>

博物館×中央図書館 令和4年度ML連携企画 セミナー「浮世絵と西洋美術」

講師:桑名市博物館 川端 蒼海

日時:3月25日(土) 午後1時30分から午後3時

場所:くわなメディアライヴ 2階

定員:50名(先着順、事前申込制)※定員になり次第締め切ります

申込み方法:直接窓口、または電話で中央図書館へ

申込み開始:3月13日(月)午前10時30分~  ※受付は各日午後5時まで

問い合わせ:桑名市立中央図書館 〒511-0068 桑名市中央町三丁目79 0594-22-0562

カテゴリー:イベント | コメント (0) | 
2023年3月3日(金)AM12:00|投稿者:KCLスタッフ

#kclスタッフおすすめ本 『硝子戸の中』

【 繰り返し読む 】

『硝子戸の中』
(夏目 漱石/著 岩波書店 2008年刊)

 

『吾輩は猫である』『坊つちゃん』『こゝろ』など、誰もが一度は目に耳にした事のある作品を残した夏目漱石。
その中でも特に、私がつい何度も繰り返し読んでしまう作品が、今回ご紹介する『硝子戸の中』です。

 

小説?いいえ、こちらは今の時代でいうところの“エッセイ”にあたります。

 

『硝子戸の内』は、『東京朝日新聞』と『大阪朝日新聞』で大正4年(1915)1月13日から2月23日まで掲載されました。(※休載3回を含む、全39回)

掲載が始まる前年の暮れに風邪を引き、硝子戸の中で座ったり寝たりしてその日を過ごしていた漱石。
そんな彼のもとへ、硝子戸の中へ、時々入ってくる人々がいます。

今作は、そんな人々とのやり取りや、漱石自身が思い巡らせた事が書かれた作品です。

 

明治38年(1905)に『吾輩は猫である』。
明治39年(1906)に『坊つちゃん』。
そして今作の前年、大正3年(1914)に『こゝろ』を発表し、新聞に何かひとつ書けば「政治家や軍人や実業家や相撲狂を押し退けて書く事になる」漱石。

 

そんな彼のもとを訪れる人々というのは、さぞ名のある、または真面目で難しい話を持ち込むのだろう。
と思い読み進めば、嘘でしょう?と思わず呟いてしまう人物が現れる。
漱石の頭を巡る事柄も、幼い頃友人に二十五銭うっかり騙し取られた話など、自身の過去を脈絡なくつらつらと書いていく。

 

「ただ春に何か書いてみろといわれたから、自分以外にあまり関係のない詰らぬ事を書くのである。」
と冒頭でことわっている通り、これは本当に彼以外には関係のない事ばかりでした。

 

 

けれど、「自己を語ることに寡黙」であったはずの漱石が、自身の記憶を振り返り、家族や現在の自分の心境を書いている。
読み終えてみれば、漱石という人物に対して親しみを覚えてしまう。

 

何故繰り返し読みたくなるのか、については私自身も正直なところよくわかりません。
何か読もうかな、と自宅の本棚を眺めた時、つい手を伸ばしてしまうのが『硝子戸の中』なのです。

 

 

余談ですが、作品タイトル『硝子戸の中』の「中」は何と読むと思いますか?
「うち」「なか」と本文中で漱石自身も双方使っているため、タイトルは何と読むのが正しいのかしら、と思い耽る事があります。
ワイド版岩波文庫解説の竹盛さんの解釈が私は好きなのですが、皆さんはどうでしょう?

 

 

 

▼本の貸出状況は、こちらから確認いただけます
『硝子戸の中』

 

▼出版社/書影画像元
岩波書店

 

 

※次回更新は2023年3月17日(金)の予定です