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歴史の蔵 」の検索結果

49件の記事がヒットしました。

2017年12月26日(火)PM2:24|投稿者:KCLスタッフ

「北村文庫」と北村けんじ氏のこと

こんにちは、「志るべ」です。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
気がつけば今年も残すところ、後わずかとなりました。
寒いのは苦手ですが、空気がだんだんと澄んでいく感じは気持ちのよいものですね。
四季のある国でよかったな、と思うことの多いこのごろです。

 

さて今回は、北村文庫についてご紹介いたします。(こちらの記事もご覧下さい)
今年(2017年)は児童文学作家・北村けんじ氏(1929~2007)が亡くなって10年となります。亡くなる直前、北村氏から児童文学に関する資料を寄贈していただきました。
桑名市立中央図書館では、北村氏ご自身の著作をはじめ児童文学関係の雑誌、自筆原稿、書簡などの資料を「北村文庫」として保管しています。
北村文庫は、北村氏を研究する上で、また当時の児童文学を取り巻く環境を知る上でも貴重な資料群であり、「桑名市立中央図書館の地域文庫コレクション」を構成する大切な文庫ということができます。

「歴史の蔵」に「北村文庫」のコーナーがあります。

「歴史の蔵」に「北村文庫」のコーナーがあります。

「北村文庫」の解説と同人誌リストを置いています。

「北村文庫」の解説と同人誌リストを置いています。

北村けんじ氏は、本名を北村憲司といい、昭和4年(1929)、福岡県山門郡瀬高町(やまとぐんせたかまち・現在のみやま市瀬高町)に生まれました。3才で桑名郡多度村(現在の桑名市多度町)へ転居し、その後を多度で過ごしています。
終戦後の昭和22年(1947)、18才で恩師の勧めにより母校である多度小学校(現在の多度中小学校)の助教諭になり、平成2年(1990)、母校の校長を最後に教員生活を終えました。

 

もともと文芸に興味があり、学芸会の脚本などをすべて自分で書くことからはじめ、児童文学に本格的に取り組むようになったそうです。
当時は児童文学への認識が低く、なかなか出版できる機会に恵まれず、初めて本を出すことができたのは38才の時でした。
教師の勤めから帰ると自室にこもり執筆するという生活を、40年余り続けられたといいます。

 

教師を退職後は三重大学や四日市大学で講師を勤め、三重児童文学の会、日本児童文芸家協会、日本児童文学者協会に所属し、同人誌の顧問として後進の育成にもあたられました。
代表作『まぼろしの巨鯨(おおくじら)シマ』(北村けんじ/作,瀬川康男/え 理論社 1978)での第19回サンケイ児童出版文化賞受賞をはじめ、数々の賞を受賞されています。

『まぼろしの巨鯨シマ』 北村けんじ/作,瀬川康男/え 理論社 1986

『まぼろしの巨鯨シマ』 北村けんじ/作,瀬川康男/え 理論社 1978

児童文学界に多大な貢献をされた北村氏ですが、少しでも身近に感じたく、失礼ながらここからは、「北村さん」と呼ばせていただきたいと思います。
北村さんは、児童文学への想いを次のように語っておられます。

 

児童文学は、人間としてどう生きたらいいかという理想を求めていくものです。子どものものとはいえ、人間としての根元的なものに取り組んでいる、そんなことを日々考えています
(『瞬間(とき)の浪漫 平成12年度多度町勢要覧』 平成14年11月修正版 多度町 2002 より)

 

北村さんの作品には時代や景色、そしてそこに暮らす人々や子どもたちの姿が丁寧に描かれています。ご自身の教師生活をもとに、学校生活を描いた作品も多くあります。
北村さんの作品は、子どもたちとかかわりを深める中から生まれたものといえます。
また、多度を舞台にした作品も多く見られ、「あっ、これはあの場所のことかな?」と思う記述にも出会います。

 

最後の作品となった『クジャク砦からの歌声』(北村けんじ/作,石倉欣ニ/絵 小峰書店 2003)は、昭和22年4月のある朝、一人の17才の青年が代用教員として、小学校の正門につづく坂道を歩いていく場面から始まります。その姿は、18才で助教諭として母校の門をくぐった北村さんの姿と重なります。

 

北村さんが赴任した多度小学校は、作品の中では太生(たお)小学校として描かれています。
この作品は、書きたい、書きたいと思いながら、書いては消し、書き上げるのに十数年を費やした、と「あとがき」に書いておられます。

『クジャク砦からの歌声』 北村けんじ/作 石倉欣ニ/絵 小峰書店 2003

『クジャク砦からの歌声』 北村けんじ/作,石倉欣ニ/絵 小峰書店 2003

どうしてそれほど時間を費やしたのでしょう?
少し長いですが、「あとがき」の言葉を引用させていただきます。

 

教師の眼で書けば、教師の実践、実録物語に陥り、子どもの眼で見れば、どうも単調な学校物語になってしまうような気がします。
私が密かに思っていたのは、教師と子どもの対等な目線で火花を散らし、たとえもがき合うことはあっても、快活、ユーモラスな「明日」が見えてくるような、そんな物語を描きたかったのです。今やっと、そんな境地に立ってペンが動き始めました。
私をつき動かしたのは、この物語に登場する子どもたちも、すでにおとなになり、私と同じ原風景を持っていることに気づいたからです。そして、その共通意識が強くなればなるほど、一見繁栄しているかにみえて、疲弊している今の時代を、逆噴射したい。そんな気持ちにつながっていきました。
(『クジャク砦からの歌声』北村 けんじ/作,石倉 欣二/絵 小峰書店 2003「あとがき」より)

 

あとがきの言葉からは、北村さんの想いが伝わってきます。
その想いが作品という形になるために、十数年という時間が必要だったことが わかります。
この物語が最後の作品であることも印象的です。

 

多度の町に思い出のある方、北村さんと同じ時代を生きた方、同じ原風景を持つ方、そして当時をまったく知らない世代の子どもたちにも、作品を読んで北村さんの想いを感じていただければと思います。

 

<参考資料>
桑名市立中央図書館 開館10周年記念 地域文庫コレクション 秋山文庫・伊藤文庫・堀田文庫・北村文庫・貝塚文庫』 桑名市教育委員会務局生涯学習課中央図書館 2015 AL026ク
※こちらの冊子はご希望の方に無料で配布しています。
瞬間(とき)の浪漫 平成12年多度町勢要覧』 平成14年11月修正版 多度町(三重県) 2002 AG318.2タ
まぼろしの巨鯨(おおくじら)シマ』北村 けんじ/作,瀬川 康男/え 理論社 1978 YL913キ
クジャク砦からの歌声』北村 けんじ/作,石倉 欣二/絵 小峰書店 2003 YL913キ

「志るべ」

49件の記事がヒットしました。

2017年10月2日(月)PM6:49|投稿者:KCLスタッフ

第12回「昭和の記憶」収集資料展 開催中です!

第12回「昭和の記憶」収集資料展

「吉田初三郎画 鳥瞰図と在りし日の桑名」

 

【開催期間】2017年928(木)1024(火) ※水曜日休館
【時間】9:00~20:30
【場所】くわなメディアライヴ 3・4階 桑名市立中央図書館内
※入館無料
昭和12年(1937)4月1日に桑名町と西桑名町が合併し、「桑名市」となって今年で80年を迎えました。
第12回「昭和の記憶」収集資料展では、一昨年確認された、鳥瞰図絵師・吉田初三郎(1884-1955)の描いた「西桑名」鳥瞰図の原画と共に、桑名の昭和の歴史をふり返る展示を行っています。

「大正の広重」と称され全国で活躍した吉田初三郎の描いた原画には、日本一短い市電と呼ばれた「桑名電軌」の線路や、かつて存在していた様々な建物、桑名の名所であった“桜堤防”などが描かれ、当時の桑名の様子を生き生きと伝えてくれます。

館内随所で古写真やパネル展示を行っている他、講演会も開催いたします。ぜひ、お越しください。

クリックすると拡大します

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【講演会】
追加募集中!ぜひご参加ください!

◆10月21日()14:00

『桑名の歴史を残した男”伊東富太郎”』
桑名市立中央図書館 石神教親

場所|中央図書館 4階 研修室2
※講演会中は、研修室2の入室不可

定員|各日30名(先着順)

申込|直接中央図書館の窓口もしくはお電話でお申込みください

問合せ先|桑名市立中央図書館 0594-22-0562
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◆10月15日()14:00
『鳥瞰図「西桑名」と在りし日の桑名』
前桑名市文化財保護審議会会長 郷土史家 西羽晃 氏

15日の講演会、大変盛況でした!
ご参加いただきありがとうございました。

21日の講演会にもぜひご参加ください!
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今年度の「昭和の記憶」収集資料展は、中央図書館内各所が会場となります。
館内で配布しております、こちらのフロアマップを見ながら、それぞれの展示をご覧ください。

各展示場所にてクイズラリーも開催中!ご参加ください!

クイズラリーも開催中!ぜひご参加ください!

【展示内容】
3階 一般特集コーナー
桑名の商店街 パネル・写真展示
桑名の商店街は旧城下町を中心に発展し、戦後は駅前を中心に人々に親しまれてきました。
寺町商店街や、駅前商店街などの歴史を、写真や地図で紹介します。

昭和時代の桑名の商店街の様子がわかる地図や写真を展示しています。

3階 ティーンズコーナー
桑名市内小学校の沿革と教科書展示
桑名の学校の歴史を昭和期の写真と共に辿ります。また、昔の教科書を展示します。

昭和期の学校の航空写真や戦前の教科書など、昭和時代の学校が偲ばれます。

4階 郷土特集コーナー(歴史の蔵前)
桑名80年のあゆみ
昭和12年に桑名町と西桑名町が合併し、「桑名市」となった歴史や、昭和期の主な出来事についてのパネル展示を行っています。

昭和時代の「広報くわな」にはどんなことが書いてあるのでしょう。お手にとってご覧いただけます。

4階 研修室2
吉田初三郎鳥瞰図展示 ※講演会中は入室できません
鳥瞰図絵師・吉田初三郎が描いた桑名の鳥瞰図を展示しています。
一昨年存在が確認された「西桑名」の原画ほか、当館で所蔵する桑名を描いた鳥瞰図をぜひご覧ください。

鳥瞰図「西桑名」原画の前には、折本も展示しています。鮮やかに色づけされた折本の鳥瞰図もあわせてご覧ください。

4階 展示ストリート
くわな古写真展とオーラルヒストリー*
古写真展では、昭和時代の桑名の出来事の解説とともに、市民の皆様にご提供いただいた桑名の懐かしい写真を展示しています。

鉄道の歴史や、伊勢大橋、戦災など昭和の桑名を多彩な角度からみていただけます。特大サイズに加工した「名勝桑名鳥瞰図」も見どころです!

*オーラルヒストリーとは・・・
当時を知る方に直接お話を伺い、その内容を記録としてまとめることで、口述歴史ともいいます。
当館では、昭和期の桑名に関するオーラルヒストリー収集を行っています。
当時の思い出などをご記入いただく記録用紙が各所にございますので、ご協力いただけましたら幸いです。
4階 読書テラス (天空の庭)前
?伊勢湾台風写真展
市民の皆さまから提供していただいた、伊勢湾台風時の写真を展示しています。
甚大な被害を出した伊勢湾台風の、桑名市内の様子がわかる写真です。

市内の各所の様子を写した写真を展示しています。忘れてはならない災害である、と貴重な写真が伝えています。

 

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皆様のご来場、お待ちしております。

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2017年7月25日(火)PM3:35|投稿者:KCLスタッフ

「大人の図書館ツアー」を開催しました!

6月25日に、「大人の図書館ツアー」をこちらのスケジュールで開催いたしました。
プログラムの内容や、当日の様子をご紹介いたします。

ツアースケジュール
当日は、幅広い年代の方6名にご参加いただきました。
担当スタッフによる、図書館の概要や、本の並び方の説明の後、
館内ツアーにて、返却ポストの内側や自動化書庫の仕組みなど
図書館の裏側を見ていただきました。

DSCF7966

「本はどのように並んでいるのでしょう?」

また、本を棚に返す配架体験では、該当の場所を見つけると「ここだ!」と言いながら、楽しそうに本を戻されていたのが印象的でした。
終了時刻には、「コツがわかってきたところだったのに・・・」と残念そうな声も聞かれました。

今回は、4階の郷土資料室「歴史の蔵」に入り、江戸時代に書かれた桑名藩士の親子の交換日記『桑名日記』『柏崎日記』を題材に、郷土資料の世界をじっくりとご覧いただきました。
『桑名日記』『柏崎日記』については、以前に紹介しましたこちらの記事をぜひお読みください。

渡部家の交換日記 ~『桑名日記』と『柏崎日記』(2016年8月5日)

「歴史の蔵」に入ると、「なんだか空気が違う!」という声が上がりました。
蔵の中には、年月を経た古文書や郷土資料文庫があり、資料群の生み出す空気があるのかもしれません。

蔵の中をひと回りしたあとは、机を寄せて、皆さんでお話していただきながら、資料を見ていただきました。
『桑名日記』の自筆本(写)では、日記を書いた平太夫さんの筆跡を感じながら、石取祭の記述をたどります。

「ここに石取祭のことが書いてある!」

下の写真は、当時の住所録を手がかりに、平太夫さんの家を、江戸時代の絵図の中で探しているところです。
広げているのは「桑名藩城下図 文政8年(明治45年写)(『桑名藩史料集成 付図』所収)」という絵図で、 桑名藩士の家も記載されている興味深い資料です。

「平太夫さんの家はどこでしょう?」

みなさん身を乗り出して、真剣なまなざしで探されていました。
紹介したい資料がたくさんあり、時間はあっという間に過ぎてしまいましたが、ツアーに参加された方からは
「返却ポストや書庫の仕組みを知ることができて良かった」
「配架方法を今後に役立てたい」
「歴史の蔵にある、貴重書にふれることが出来た」
などのお声をいただきました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!

毎回ご好評いただいている『大人の図書館ツアー』
今後も、図書館のことをより深く知っていただき
図書館のご利用に役立つツアーを開催してまいります。

次回の開催も、ご期待ください!

くわにゃん・志るべ

カテゴリー:イベント, 桑名・三重 | コメント (0) | 

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2017年6月6日(火)PM7:19|投稿者:KCLスタッフ

「大人の図書館ツアー」開催のお知らせ

図書館の裏側や、郷土資料の世界を見ることができるほか
図書館の仕事が体験できるツアーです。

今回は、郷土資料室「歴史の蔵」に保管されている郷土資料
『桑名日記』・『柏崎日記』をご紹介いたします。

ご参加をお待ちしております!

「大人の図書館ツアー」
日時|2017年6月25日(日)  13:30~16:00
対象|市内在住の18歳以上の方
定員|6名 ※申込多数の場合は抽選
参加費|無料
申込期間|6月5日(月)10:00~6月12日(月)17:00
申込方法|直接窓口もしくは電話で中央図書館へ

     ☎0594-22-0562 ※受付の際に、氏名・連絡先(電話番号)を伺います
 参加受付は終了しました。
たくさんのお申込みありがとうございます!

 

クリックすると拡大します

<くわにゃん>

 

 

 

カテゴリー:イベント | コメント (0) | 

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2017年5月9日(火)PM3:00|投稿者:KCLスタッフ

『ぼくがサムライになった日』

上げ馬ばかりは、かけや。
そのいっしゅんに、
馬と人が
ひとつのからだに
なるか、なれんか。
そして、土の壁と
火花散らす
たたかいや。
(『ぼくがサムライになった日』 北村けんじ/作 今井弓子/絵 金の星社 1983 「はじめに」より)

 

こんにちは、「志るべ」です。
新緑がまぶしい季節になりました。
五月の風の中、今年も多度の町では上げ馬神事が行なわれました。

 

『ぼくがサムライになった日』という作品は、
上げ馬神事を題材に書かれた作品で、作者は多度の児童文学作家、北村けんじ氏(1929~2007)です。
今回はこの作品をご紹介します。

 

ご存じのとおり、上げ馬神事は毎年5月4日、5日に多度大社で行われる例祭「多度祭」の神事です。
境内に造られた急な斜面を人馬一体となって駆け上がるという勇壮な神事で、うまく上がればその年は豊作とされています。最初に駆ける馬が上がれば早稲(わせ)の米が豊作、後の馬が上がれば晩稲(おくて)が豊作とも言われます。
昭和53年(1978)、三重県の民俗無形文化財に指定されました。

 

主人公「ぼく」は、多度の小山(おやま)に住む小学4年生の男の子「湯山マサキ」です。
マサキのおとうさんはシンガポールに出張中で、今はおかあさんと二人暮らしをしています。
物語は3月の終わりから始まります。
上げ馬の乗り子が決まる4月1日を目前に控え、マサキの祖父「馬屋のおっちゃん」の心は、早くもうきうきし始めていました。
馬を売っているわけでもないのに祭や馬のことならなんでも知っているおっちゃんは、みんなから「馬屋のおっちゃん」と呼ばれていました。
祭が大好きなおっちゃんですが、ここ10年ほど身内から誰も参加するものがなく、近所の子どもたちにも断られ、さびしい思いをしていました。
なんとかしたいおっちゃんは、孫のマサキを預かって戸津(とづ)の子として弓取りにしようと考えます。弓取りは乗り子の御付きをつとめる重要な役目です。
さいわい戸津の中には他に弓取りを志願するものがなく、おっちゃんの作戦はすんなり成功、大喜びなのでした。

 

乗り子は中学3年生のコウジ
ふたりの前に現われたのは、くり毛の馬サスケでした。
上げ馬に成功するにはまず馬に慣れ、馬との信頼関係を築かなければなりません。
上げ馬本番に向けて、マサキとコウジの特訓が始まります。

 

はたしてふたりはサスケと心を通わせることができたのでしょうか。
そして、コウジと馬は壁を駆け上がることができたのでしょうか。
つづきは作品をお読みいただければと思います。

 

現在4階歴史の蔵の前では「上げ馬神事~人馬一体の挑戦~」と題して、6月27日まで特集展示を行っています。

4階「歴史の蔵」の前で特集展示をしています。

上げ馬神事や多度大社の資料を揃えています。

P1080370

『ぼくがサムライになった日』も貸出しています。

北村さんは作品のあとがきでこう書いています。

 

・・・そして、あっという間に祭が過ぎ、そのあとにいやにおとなっぽい充実感と、はかなさのまじり合った、なにかあまずっぱいものまで感じたものでした。・・・

 

祭は、少年が成長していく中で経る、通過儀礼のひとつであるのかもしれませんね。
物語の最後に、祭を終えたマサキがシンガポールの父親に手紙を書く場面があります。そこにいるマサキは少し大人になっているようでした。

 

作者の北村けんじ氏より寄贈していただいた児童文学関係の資料は、「北村文庫」として桑名市立中央図書館に保管されています。
「北村文庫」については、また改めてご紹介したいと思います。

 

<参考資料>
ぼくがサムライになった日』 北村 けんじ/作,今井 弓子/絵  金の星社 1983 YL913キ
桑名市立中央図書館 開館10周年記念 地域文庫コレクション』 桑名市教育委員会事務局生涯学習課中央図書館 2015 AL026ク (☆希望者には無料配布を行っています。)
瞬間(とき)の浪漫 平成12年多度町勢要覧』 平成14年11月修正版 多度町(三重県) 2002 AG318.2タ
多度町史 民俗』 多度町教育委員会/編 多度町 2000 AL221タ

「志るべ」